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zoom RSS リトルバスターズ!〜Refrain〜 11話『世界の終わり』

<<   作成日時 : 2013/12/15 13:05   >>

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恭介が仲間に加わり、これでリトルバスターズは5人になった。

「僕たちはリトルバスターズを取り戻したんだ。もう大丈夫。これからは5人、ずっと一緒だ。気が済むまで遊ぼう! 苦しい時も、嬉しい時も、一緒に歩いていくんだ!」

ついに、全てが終わった……
そして始まる。終わりの時が……



人も猫も消えた。
空も動かない。
そんな静かな空間の中、理樹は遊びとして野球を選択する。

恭介が道具を準備して待っていたそこへ、皆駆けつける。
そんな折、鈴の脳内に声が響く。

『約束。 素敵なお願い。 きっと……』

とても大切な何かを忘れている気がする。
校舎の屋上に何かを感じつつ、鈴はみんなと一緒に野球へ。


ピッチャーの鈴が投げ、バッターの恭介が打つ。
キャッチャーの理樹が声を出し、セカンドの謙吾が捕球し、ファーストの真人へ。
流れるような綺麗なプレイだった。

これが、この世界の最期の光景だ。リトルバスターズの終焉には相応しすぎる……
そう感じながら、恭介はホームベースの方へと戻る。
グラウンドには、皆の面影が残っていた。

『みなさん。そろそろ休憩の時間ですよ』
ベンチで皆を見守る美魚。

『よぉーっと! はるちーん、フラーッシュ!』
軽快な動きを見せる葉留佳。

『ほえ!? ボールさん、どこ!? どこ!?』
慣れない動きでトンネルをしてしまう小毬。

『ふん。これしきで驚いてもらっては困るな』
瞬間移動で軽くボールをさばく姉御。

『わふー。捕りましたよー。みなさん、捕りましたー!』
はしゃいで尻餅をつきprprされるクド。

『そして、最後の5人だ。この光景だけは守ろう。終わりの時まで……』


一番の甘ちゃんだったのは謙吾だった。彼の目にはもう涙が浮かんでいた。

『泣き虫で意地っ張りで天邪鬼で。でも、充分遊んだだろ。楽しかったよな……。 俺もお前と遊べて、最高に楽しかったぜ』

真人は全てを知っていながら、彼らしさを保ちこの世界の日常を支えてくれていた。

『お前のバカは、みんなを幸せにする。 愛すべきバカ。俺も最高に愛してるぜ』

そして鈴。
彼女は恭介が与えた厳しい試練から立ち直り、ついにここまでたどり着いたのだ。

『ずっと一緒だった。お前は、自分が可愛い女の子だってことに、最後まで気づかなかったな。不器用なお前のそばにずっといてやろうと思っていたのに…。もう…守ってやることもできない…。ごめんな……鈴』

そんな鈴を、理樹になら任せられる。

『お前の方が大変だろうけど、二人なら幸せになれると思うぜ』

そんな感じで今のこの光景を大切にしていたところで、この世界の終わりが本当に近いことに気付かされる。
最期までいつもの自分のままでいようと誓い、恭介は真人と謙吾に残り一球ずつの指示を出す。


鈴が投げ、理樹が打つ。
当たり損ねのそのボールは、ファウルグラウンドの方へ。スコアボード付近に飛んだそれを捕りにいくのは危険であったため、理樹は無理して捕りにいかなくていいと真人に言うが、彼は構わずそれに飛びつき、案の定スコアボードに激突する。
とても危険なプレー。しかし、真人はボールを落とすことなくしっかりと捕球していた。

「さて、こいつを掴んじまったら、もう去らなくちゃいけねぇ」
「え?」
「お別れだ、理樹」

唐突な言葉に、理樹の理解は追いつかない。

「えっとな……理樹。 お前とルームメイトになれて良かった。長い時間、一緒に過ごせて良かった。 俺はお前と過ごせて良かったと思ってる。その……理樹の方はどうだった?」

頬を赤らめてそう訊く真人に対し、理樹も一瞬頬を赤らめつつ答える。

「もちろん。僕もだよ! 真人がルームメイトだから、こんなに寮生活が楽しいんだ。真人じゃなかったら、ありえないよ。こんな楽しい毎日」
「そうか…。なんだろ。スッゲー嬉しいぜ!
「……ねぇ。どこにも行かないよね? 真人は」
「こんなバカと一緒に過ごしてくれて……」
真人はボールを理樹に放る。



「……ありがとな――――」



その言葉を残し、真人は消えてしまう。
何が起きたかわからず、理樹は狼狽え、恭介のもとへ。
彼の目を見て、理樹はこの出来事が必然であることを知ってしまう。
そんな理樹に、恭介はここでようやく真実を話す。

「これからお前は、何かが起きた世界へと向かう。そこが本当の世界だ」
そしてさらに核心。

「生き残るのは……理樹、そして鈴。お前たち二人だけだ」

修学旅行のバスが崖から転落した。それは併設校の話などではなく、恭介らに起こった出来事であった。理樹と鈴の二人だけは真人と謙吾が命がけでかばったために九死に一生を得たのだ。
だがしかし二人は弱すぎ、目覚めと共に絶望してしまうであろうことが予想されたため、恭介たちはこの世界を作り出したのだ。
死の闇に飲まれながら、恭介は叫んだ。その声に呼応するかのように波紋は広がり、そこで意識を共有。思いは重なり大きな波紋となって広がり、この一つの世界を作り上げたのだ。
二人が過酷な現実にうちの目されない強さを身に着けるまで、恭介たちは見守ってきた。けど、恭介は失敗し、鈴の心に深い傷を負わせてしまった。しかし理樹はその心の傷を癒し、ここまで連れてきたのだ。
理樹も鈴も充分に強くなった。

「だから理樹。お前は鈴を連れてこの先へ進め。どんな現実を目の当たりにしても、強く生きろ」

世界の崩壊がもう間もなくまで迫っていた。

「もう後戻りはできないんだ…! 止まっていた時間が動き出す」

その言葉を受け、理樹はここまで繰り返してきたことを思い出す。強くなると誓った、あの言葉も。
ここに立ち止まり、いつまでも子供のままでいるわけにはいかない。

「行かなきゃいけないんだ。僕は、鈴を連れて!」

もう泣かない。恭介や、みんながくれたその強さを、その想いを無駄にしないため、理樹は決心する。


「さあ鈴。再開だ!」

4人で再開する。
鈴が投げた一球を、理樹はまずは見送る。

「いい球筋だ」
今ならば、恭介は素直にそう思えるのだろう。

「ありがとな、理樹…」

もう一球。
今度は、それを打ち返す。
謙吾のもとに飛んだライナー性のボール。本来であればなんともなく捕ったであろうそのボールを、謙吾は反応できず胸で受けてしまう。
理樹は心配して駆けより……謙吾はつぶやく。

「俺は……嫌だった……。やっと……遊べるようになったんだ…。ずっと遊んでいたかった……。失った時間を…取り戻したかった……。俺は必死だったんだ! みんなと一緒にいたかった…。でも、それも……おしまいだ……」

謙吾は肩を震わせる。

「なぁ…。俺の人生は……幸せだったのか……?」
「それは誰にもわからない。お前自身が決めることだ。謙吾は今、どう思ってるんだ?」
「幸せじゃ、なかった………………なんて言えるわけないだろ!!! お前らみたいな友達に恵まれて! …幸せだったさ!! お前たちと出会えていなかった人生なんて、考えられない!! それぐらいだ!!

謙吾は幸せであることに気付いたのだ。
幸せはなるものではなく気づくもの。
気付くことができた時点で、謙吾の人生は幸せだったと断言することができよう。

謙吾は涙をぬぐい立ち上がる。
ボールを理樹に渡し、右手を出す。

「友情の、証しだ」

それに応え、理樹はしっかりと手を握る。



「リトルバスターズは…………不滅だ――――」



その言葉を残し、謙吾は消える。
涙を流さずこらえ、理樹はボールを鈴に渡す。最期のその時まで、理樹らは野球を続ける。

何かが崩れ去ろうとしている。時間はない。
鈴を急かし、投じられた最後の一球。
それを、理樹は渾身の力で打ち返す。
この世界で身に着けたありったけの力を込めたその打球は、グングンと伸び、悠々と柵を越えた。

「ったく。もうお前たちには敵わねぇな。 サヨナラホームランだ」

恭介はそっとグローブを置く。

「さ。お前たちは校門から出るんだ」

恭介は背を向ける。

「恭介! もうどうしようもないの!?」
「ああ。どうしようもない。誰も悪くない。自分を責めるんじゃないぞ」
「待ってよ! 話を! もっと話をしてよ、恭介! 昔みたいに…」
「そんなことで鈴をどうする。これからはお前が鈴に話をしてやるんだ」
「だって……こんなのって……。僕は恭介を追ってここまで生きてきたんだ…。その恭介が行かないでよ!」
「ったく。お前はいつまで俺を困らせるんだよ…」
「そんなの、いつまでもだよ! 強くなったとか、世界の秘密とか、そんなのどうだっいい! 僕は恭介が好きだから。だからずっと一緒にいたいんだよ!」
「あのなぁ……」

恭介は振り返る。その目からは……

「そんなの……俺の方が嫌に決まってんだろ…!」

大粒の涙があふれ出していた。

「なんでお前らを置いていかなきゃいけないんだよ!! 俺だって…、お前たちといてぇよ! ずっとずっといたかったんだよ! なんでこんな理不尽なんだよ、チクショウ……ッ!!」
恭介の想いは涙とともに溢れ出す。
「ずっとずっとそばにいたかった…! 俺の方が! ずっとずっとお前たちのことが好きなんだよ! なのに…、お前たちを置いていくなんて………そんなの、……ねぇよ。なんでだよ…。わけわかんねぇよ…! クソッ!」

でも言わなければならない。
もう行けと。

「振り返るな。校門を駆け抜けろ」

世界の終わりはもう間もなく。

「お前は鈴を巻き添えにしたいのか!? 早く行けぇ!! もう迷うな!! とっとと行けぇぇぇ!!!

恭介の想いを受け、理樹は走り出す。鈴の手を取り、校門を駆け抜ける。
始まりの時に向けて――



『さよなら、恭介……。 さよなら。リトルバスターズ――――』





理樹と鈴は行った。
こうして、永遠の一学期は終わりを告げた。

全てをやり遂げた恭介は、最後に皆と過ごした校舎をまわることにする。
もう多くの場所が消えかかっているそこ。
教室の、窓際最後列の席に座る。

姉御、クド、美魚、葉留佳、小毬、真人、謙吾。
彼らの想いもここに在り。

全てをやり遂げたことに安堵し、恭介はそっと目を瞑り、そして消える――――


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
今回も大号泣でした(泣)でもこのシーンはいままでみんなを支えていて強きな恭介が始めて、リキ達の前で弱さを吐き出した所何ですよね。恭介の胸に秘めた想いがきけて本当に感動です。
ガントロ
2013/12/18 12:46
>ガントロさん

あの恭介ですら耐えれぬ悲しみ、それをもたらした現実が待っているラストへ……。理樹たちを強くさせようとするこれまでの恭介を見てきたからこそ、今回は実にぐっとくる場面でしたね。
そして今回の恭介を見て改めて思うと、真人がまた強いですよね。謙吾も含め、こういった一人一人の強さが支えていたこの世界、その強さが確かに理樹や鈴に引き継がれたと思うと救いとなりますね。まあそれで終わらせるわけにはいきませんけど……!┌(┌❀○╹ω╹○)┐
本隆侍照久
2013/12/18 20:31

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