狼と香辛料Ⅱ 06幕『狼と信ずべき神』

ロレンスの勝利は正直厳しいところ。
ディアナからの使い次第というのが現状。

ホロは現在、アマーティのもとから離れている。
そんなホロを見てのロレンスの再びの妄想。人の心理って難しいな。

黄鉄鉱は買いが増えてどんどん値が上がる。
アマーティが持ってる黄鉄鉱の在庫は銀貨800枚分。2割上がったら960枚分となり、残り40枚分は財産を切り崩すことで捻り出せばいい。つまり2割だけ値が上がったところで勝負ありとなってしまう。
その前に何としてもディアナの使いが来ないかとロレンスは待つ。その間にも値は上がるが。

やはりディアナと契約したのはアマーティだったのか……ロレンスがそう不安になるのも仕方ないか。

自分が行ったことを後悔しつつアマーティの様子を見ると、アマーティもホロを探していた。
ホロが勝手に離れていたということか。

そこで黄鉄鉱に売りが。誰が売ったのか、確認に行ったロレンスであったが、アマーティではなくなんとかセーフ。
そんなロレンスのもとに、ラントが。

「店に麦の決済を、石で行いたいという方がいらっしゃって」

250枚分。
それをできる限り早くするようにラントに頼む。
ラントは急いで走る。

アマーティが信用買いで買った500枚分の黄鉄鉱は、現物でなく証書で持っている。
値上がりしそうな証書であれば売れるが、値下がりしそうなら売れない。黄鉄鉱の相場が下がり、本来の石ころ程度の値段に戻れば、その証書も紙くず同然になる。それが信用買いの毒。ロレンスが目指すのはそこか。

ラントが走る間にも黄鉄鉱は買いが入る。
今なら買い待ちも少ないということで、ロレンスは賭けに出る。

「売りだ!!」

空気は変わり始めている。
もし今、ディアナからの400枚分の黄鉄鉱があれば、この場の空気は完全に一転する。

「もし今来れば……」

そこへラントが急いで駆けてくる。

「銀貨、250枚分です!」

それも大きいが、今欲しいのはディアナからの使い。
その黄鉄鉱。

「万全を期すなら、ディアナさんの使いを待つべきなんだが」

「でも、来るんですか? その人……」

確信はない。
というか一度は諦めたそれ。

「博打を打つなら      今しかない!!

ロレンスはラントから受け取った黄鉄鉱を手に駆ける。
が、そのタイミングで、また新たな買いが入ってしまう。

風向きが変わった。
もうディアナからの使いを待つしか確実に手がなくなった。
信用売りの毒に気付いたアマーティも動き出していて、使いが来るとしても、残された時間が少ない。

そんなところへ、ディアナからの使いが伝言があると言い来た。

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「交渉は、失敗したようです」

それは今のロレンスにはあまりに痛すぎる言葉。
もはや目の前には絶望しかない。

ホロを見つけたアマーティを眺めるロレンスの心は、ここにあらず。
ロレンスを呼び続けるラントの声にようやく気付いたロレンスは、ラントにお礼を言い、計画は失敗したことをマルクに伝えるように言う。

「しかしまあ、アマーティから銀貨1000枚が入るんだ。商人としては、喜ぶべきところさ。さあ、君にもこれを      
「ロレンスさん!!」

今のロレンスに憤りを覚えたラントは、自分の思いを正直に伝える。

「諦めるんですか!? 商人は、軽々しく諦めるなと、私はいつも主人に言われています。金儲けの神様は、祈ってるやつのところに来るのではない、諦めが悪いやつのところに来るのだと……! これを言ったら……ロレンスさんにぶっ飛ばされると言われました。でも言います!」

ラントは力を込めて言う。

「私は、一目見てから、ホロさんのことが好きでーす!!

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この言葉を聞き、ロレンスはぶっ飛ばしたくなった。それは当然、自分を。

ロレンスはラントに気付かされた。
今までの自分と、商人というものを。

仮説を立てすぎると迷ってしまうものだが、一つの信頼できる道しるべがあれば、どんな突拍子もない考えも信じるべきか。

「俺が露店に石を売ったら、頼んでおいた噂を流してくれ」
「は、はい!!」

ラントは元気よく頷く。

「君は神を信じるか?」

信じる。
当然その答えもあるだろう。いや、あって然りか。

「売りだ」

ロレンスは手元にある250枚分の黄鉄鉱を売りに出す。
それを机に置く……と、その横で、さらに大きな黄鉄鉱の袋を置く者が。

「これも売りじゃ」

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それが信頼した一つの道か。

「たわけ」



冷静になったロレンスは可能性に気付いていた。
ディアナと黄鉄鉱の交渉をしていたのが、ホロだということに。

黄鉄鉱の流れは変わった。
売りのタイミングだと気付いた皆は、一斉に黄鉄鉱を売りに出す。
その中でアマーティは呆然としていた      

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結果として、アマーティもそれほどの損はしなかったが、精神的なダメージはかなりのもの。

「人の女に手を出した罰だ」

まあそうだろう。

ホロはもっと手酷く別れるつもりだったという。
赦せない言葉があったとな。



これで一件落着ではない。
謝ることは必要。
アマーティの契約が独りよがりということと、ホロを信じれなかったということ。

ホロは白い羽根を装飾することで、ディアナから黄鉄鉱を買ったのは自分だということを知らせていた。
それに気付かず、そしてアマーティの行動がホロが吹き込んだものだと思ってしまう。全てが裏目に見えてしまうのはそれだけ精神状態が不安定だったためか。

ホロがヨイツのことについて取り乱した時の言葉、
「すまぬ」
も、ロレンスは拒絶だと思ってしまっていた。しかし真実は、ホロが我に返っての正直な謝罪。

下手な考え、休むに似たり。

ホロはロレンスと浅からぬ縁ができたと思っていた。
ロレンスも同じ。
だからこそ不安になってしまい、今回のようなことになってしまったのだろう。
ロレンスがホロと旅を続けたいのは紛れもない事実。

「わっちはぬしの何じゃ?」
「言葉ではとても言い表せない」

もういつもの調子に戻ってきたかな。


ただ一つ、ロレンスはホロに訊く。

「どうしてディアナさんから、黄鉄鉱を買い付ける約束を取り付けたんだ?」

ホロはロレンスのやろうとしたことを知っていた。
ただ、それとは別の目的で、ホロはディアナのもとに行ったという。

ヨイツはまだどこかにあるという話をでっちあげて、ロレンスに伝えてくれぬか。
そうディアナに頼んだというが、その頼みは受け入れられなかった。事情を詳しく話し、もう少しで頼みを聞いてくれそうなところで、ロレンスが来たという。

そこでディアナはロレンスを見極めたと。
ホロは当然ロレンスのたわけた質問も聞いていた。

「異教の神と人とが、つがいになったという話はあるんですか?」

またからかえる言葉を聞かれてしまったものだが、そんなことはたいした問題じゃないか。


ディアナも人ではない。もとは人よりデカイ鳥だと。
それが、旅の僧に惚れてしまったと。しかし二人の年の感覚は違うもの。仕方のないことか……

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ロレンスとホロ。
二人にはこれからがある。

祭の夜は更けていく……



今回はラントが良かったね。いい子だ。

そして苦労したアマーティに一言。

アマーティ乙w

次回『狼と戯れの日々』


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