狼と香辛料Ⅱ 04幕『狼と浅知恵の末路』

ロレンスはホロのことを考えながら、祭の中をとぼとぼと歩く。

その思考の中では、アマーティについていくホロの姿。
ロレンスが見たくないものだろう。

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そんなロレンスが向かったのはマルクのもと。
全てはロレンスが油断したことによる。それを本人も認める。

マルクへの相談は、値段の風向きを変えられないかというもの。
しかしそれは無理。すぐに値下がりはしない。
予想がつく値下がりであっても、アマーティには通用しないだろう。ということで、ロレンスは暴落を仕掛けようとする。


帰り、ロレンスはその仕掛けを考える。

祭の中でも黄鉄鉱の噂はしっかりと広まっていた。
そんな祭の中、ロレンスはアマーティを見つける。
そのアマーティの視線の先にはホロ。そしてホロはロレンスに気付くが、そのまま部屋に引っ込んでいく。嫌な予想ばかりがロレンスの頭をめぐるか。

ロレンスのもとに手紙が届けられる。
一通はホロからのもの。そこに示されていたのはアマーティの財産。協力してくれたものかとも思えたが、そこにはホロのサインも記されていた。

ロレンスは預けてある現金を全て引き落とす。
そして向かうのはアマーティのもと。アマーティの前では笑顔で取り繕うが、そこには憎しみも滲み出ているか。

二人は商売の話を始める。
ロレンスが持ちかける商売は、黄鉄鉱を買ってくれというもの。
それは現在の相場でトレニー銀貨500枚ほどの黄鉄鉱。それは冗談ではない。
アマーティが黄鉄鉱の転売で儲けていることを知っているロレンスが黄鉄鉱を売るということは、借金さえ返されればホロはどうでもいいことと思われても仕方ない。

しかし、ロレンスには考えがある。
単純に黄鉄鉱を売るのではなく、信用売りをしようということ。
つまりは、ロレンスが今ここでトレニー銀貨500枚を受け取り、明日の夕刻に今の時点で500枚相当の黄鉄鉱を与えるということ。
単純に考えれば、黄鉄鉱が値上がりすればアマーティの得、逆ならばロレンスの得になる。そう考えればアマーティが得をするのは目に見えていて、ロレンスに得する要素がないように思える。
しかし、これはただの取引とは違う。
このやり方なら、手元にお金がなくても商品が得られる。そしてその後商品の値段がどれだけ変わってもロレンスが払うのは最初の値段だけで済む。つまり商品の価値が上ればそれだけ利益になり、仮に逆だとしても損することはない。得しないというだけで済む。

アマーティにとっては損する可能性が残るというこの商売。
この商売のロレンスの真意は、アマーティに決闘を申し込んでいるということ。

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しかしアマーティの優位は揺ぎ無い。
仮に夕刻の時点で値が下がるとしても、その前に値上がりした時点で少々売ればいい。
つまり、アマーティは勝負から降りられるということ。少しの値上がりでも目標を達成できるアマーティに対するには、あまりにロレンスの分が悪い。

しかし、ロレンスはそのくらいの分の悪さでちょうどいいと言う。

「ホロがアマーティさんと交わした誓約書を、破り捨てる可能性がありますからね」

アマーティとの契約の中には、ホロの意思は含まれていない。
それを考えれば確かにいいハンデなのかもしれないが、今のロレンスにとっては見栄のようなものか。

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ロレンスは自分がホロのことを一番知っているという風に語りアマーティを挑発する。それを受けたアマーティは、ロレンスとの決闘を受ける。

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「ロレンスさんの財産を全て奪って差し上げます!!」

もう後戻りはできない。
ロレンスはマルクのもとに行き、噂を流してもらいたいと頼む。
ロレンスが指示したら、ラントがこういった噂を流すように。

「そろそろ麦の値段が上がる頃だ」

それは黄鉄鉱の値段を下げようというもの。
黄鉄鉱の売買に手を出している者の大半は、この街に何かを売りに来て、帰りに何かを買っていく者たち。そしてその帰りに買うものと言えば麦となる。それが値上がりすると聞けば、小遣い程度に持ってる黄鉄鉱を売り払ってしまう。そうなれば、黄鉄鉱の値段は必然的に下がり、一気に暴落への道をひた走るというのがロレンスの考えだった。
その考えには、相当量の黄鉄鉱を同時に売りに出すことも含まれている。
それはトレニー銀貨1000枚分。通常なら損してしまうところだが、いくら値段が下がろうとロレンスには関係ない。それこそまさに信用買いってとこ。

マルクへの頼みはそれだけではない。
黄鉄鉱を買い集めてほしいということ。
そこが一番のネック。マルクはその頼みに応えられないでいた。

ロレンスがマルクの立場であったら、危険も何もないもの。
しかし、それはロレンスが行商人であるから。マルクは町商人である。

「町商人は副業で大儲けするくらいなら、本業で慎ましく稼ぐのを良しとする」

マルクの露店にかかっている名誉は一人だけのものじゃない。嫁さんはもちろん、この店と懇意にしてくれている者たちの名誉がかかっている。
儲け話にすぐに食いつくのは町商人にとって美徳ではない。銀貨500枚分もの黄鉄鉱を動かすとなると、マルクは本業をほっぽり出して博打にのめり込むどうしようもない奴に見られる。看板に傷が付いた場合、それはすぐには取り戻せない。

町商人が夢だったロレンスにとっても、それはわかっていただろうに……だからこそ、ロレンスは無理を言ったことを謝る。

そんな必死なロレンスを見かね、連れはそう簡単になびかないだろうとマルクは言う。
しかし、ロレンスに来た手紙は深刻なもの。手紙は署名入りの婚約誓約書。あとは後見人が署名すれば婚姻が成立するというもの。

「世の中、一寸先は闇だな」

それでも望みがある限り、ロレンスは走る。

残る可能性はバトスに話を聞いてもらうこと。
そして年代記作家のディアナという存在も大事。彼女は錬金術師たちの窓口となっており、そんな彼らは黄鉄鉱を持っているだろう。
しかし錬金術師たちに、人は関わろうとしない。つまり、彼らの黄鉄鉱には手がつけられていない。

マルクはロレンスの成功を祈る。
できるだけのことをしてくれるマルクは、本当にいい奴だ。

次回『狼と希望と絶望』

狼と香辛料II【1】 [Blu-ray]
ポニーキャニオン
2009-10-07

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