GIANT KILLING #23

ミスをしている夏木であったが、悪くはないと考えていた。いや、そう信じこもうとしていた。
自分を蔑むような目で見てきたジーノ。そういった時はたいてい夏木にパスを出さなくなるものの、夏木はその嫌な印象を振り払い、一人おかしなテンションでいる。


試合前に遡る。
移動バスに乗る直前、夏木と達海の姿はなかった。

大阪戦を控えてるとことで、夏木は一人、いいイメージを想像する。
調子が最高の自分。その素早い動き出しに、ジーノからのパスが……出ず。
考え直し。ジーノからのパスが……やっぱり出ず。
何度イメージし直しても、ジーノから自分に出るパスがイメージできず、夏木は泣き崩れていた。

「なんでだよぉぉ! パスくれよぉジーノォォォ!」

イメージでここまで感情的になれる選手も珍しいだろう。
そんな夏木に遭遇した達海は、彼の話を聞くことに。

ジーノは夏木にパスを出さなくなることがしばしばあるという。
そう言う夏木に、達海は訊く。

「お前にとって、FWって何?」

ゴールを決める選手。とでも言うべきそれだが、達海にしてみればゴールに近い選手。それだけの認識だった。
誰が決めようが1点は1点なのだから、確かにそれもそうだろう。しかし、FWの役割は点を取ることが重要なのは確か。
FWが前線で受けるボールは、味方が繋いできたボール。その上で、達海は夏木に訊く。

「お前にとってそのボールって何だ? チームのボールか? お前のボールか?」

FWとしての決心が足りない夏木は、それに答えを出せなかった。


とことで、大阪戦でその答えを示すことにした夏木。
五輪代表の小室の激しいマークから、何とかボールを繋いだ赤崎。そのボールを受けた夏木は、それをチームのボールだと自覚する。視野の広いプレーを考えた夏木だが、そんな彼の目の端に、僅かなゴールへのコースが見えてしまう。それで迷いが生じてしまった夏木は、あっさりとボールを失ってしまう。

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それを目にし、達海は夏木に見切りをつけ、選手のアップするペースを上げさせる。


自滅するETU。
しかし、だからこそダルファーは気を引き締める。


FWは単なるポジションの名前。そう考えることもできるが、別の考えもできる場合がある。それが、エゴイストになれるFWという存在がいる場合。
味方が繋いだボールは、チームのボール。そう考えるのが自然であるが、エゴイストは違う。それを理解した上で、自分のボールだと思いこむ度胸がある。それが、達海の言うFWとしての決心。
達海は夏木がそういうタイプだと思ったものの、今日の様子を見るに残念ながらそうでなかったとこと……。


3点目をとるため、大阪の攻撃のリズムが再び上がる。
窪田から畑にボールが繋がり、そこから志村へ。そこはなんとか村越がカットしカウンターへ繋げようとするが、そのパスを片山が顔面でブロック。
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味方のシュートをブロックするだけでないところが片山ブロックの凄みか。

そのこぼれ球を窪田が拾う。
杉江のスライディングをかわした窪田は、攻撃する幸せを実感する。
自分をFWにコンバートしてくれたダルファー監督に3点目を取ってお礼を――――
そう思ってシュートモーションに入った窪田だったが、足元にボールはなかった。
それを奪ったのは、ETUの背番号7・椿。

ボールは村越から再び椿へ渡り、椿は風の如く疾走する。
追わなくてはいけない。頭ではそうわかっている窪田であったが、足がついてこなかった。
気付けば凄まじい息切れ。この試合の楽しい時間はもう終わってしまっていた。


ドリブルで駆け上がる椿。その進路には平賀がいた。

「そのままいくがいいさ、バッキー。きっと抜けるよ。ま、それも僕の犠牲が……あったからこそなんだけど」

椿に対応しようとした平賀であったが、彼の思うようには足が前に出なかった。

椿は平賀を振り切り、左サイドを突き進む。
ゴール前には世良と夏木が入る。
夏木はゴールの空いたコースが気になっていた。しかし、それを振り払おうとする。無理にシュートを撃った際に怪我したことも思い出し、チームに貢献することを考えようとするが……

夏木は生粋のFWだった。

ニアに入った世良に対し、夏木はファーに要求。そこへクロスが入る。

「本能を貫けよ! ストライカーだろ、お前は!!」

夏木のアクロバットボレー。それは惜しくもバーを叩く。

しかし、まだこぼれ球がある。
それを拾った赤崎にボールをよこすよう夏木は要求し、相手もその夏木を警戒する。
そんな中、赤崎は迷いなく右足を振り切る――――


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