世紀末オカルト学院 Episode.11『マヤの死』

「飛鳥の亀石って知ってる？」

マヤは文明に訊く。
奈良県明日香村にあるそれは、南の方を向いているが、西を向くと奈良盆地が泥の底に沈むと言われているという。

「全部揃うと世界が滅ぶ、クリスタルスカルみたいなもんか」

それと同じような伝承があるのが、二人の前にある赤い面。これと対になる青い面と顔を見合わせると、皆神山がなくなると言われている。
二つは決して相見えてはならない存在。確かめてみる価値はあるだろう。


文明はアパートに帰り、部屋の扉を開けようとする。そこで、中に誰かいることに気付き、果敢に立ち向かおうとする。
しかし、そこにいたのは美風だった。

ご飯作りにきたとのことで、文明は美風が作ったカレーを食べる。
訝しく思いながら食したそれは、文字通りおふくろの味そのものであった。
隠し味はバナナとコーラ。それは本当に母親の隠し味と同じであり、文明は不審に感じる。

そうでありながらも、文明は美風に誘われるままに怪しい集まりに参加することになる。この街を守るための有志の集まりだというそれだが、どう考えても危なく怪しいもの。
しかし、文明の判断を鈍らせるために美風は文明にキスをする。そして、ヴァルトシュタイン学院こそが魔窟。その中心となる魔女が学院に戻ってきたと言い始める。
それが誰なのか。その女の名を問われた文明は、その名を口にする。

「神代……マヤ」

美風が示す水晶によると、マヤこそがノストラダムスの鍵であった。
だから、美風は文明に頼む。マヤは常に護符のようなものに守られているから、それを取り除くようにと。
迫られた文明は、その頼みに頷いてしまう……



翌日。
考古学研究所にやってきた文明とマヤは、そこで赤い面と青い面を対面させ写真を撮ってみる。
しかし、これも違った。

当てが外れたことで落ち込む文明だが、それは単に外れたからというわけではないだろう。美風の言っていたことが真実とことに近付いている証拠でもあるのだから。
しかし、それは逆を言うと、マヤが鍵であると認めたくないとこと。文明もいろいろ苦しいだろう……

そんな彼を元気づかせようと、マヤは一緒にソフトクリームを食べさせる。

それだけでなく、様々なものを食べる。その姿は美風と重なり、文明は恐怖に怯える。
そしてついに、マヤ本人に直接訊く。

「君は魔女なのか？」

文明は、それが事実ではないと、信じたくないと思っている。
しかし、マヤに疑いを持つ部分もある。何故マヤが戻ってきてから不思議なことが起きているのか、何故異次元の扉が開くのがヴァルトシュタイン学院なのかと。

自分が鍵だと疑いをかけられたマヤは、自身の破壊を念じながら撮ろうとする。しかし、文明はそれをやめさせ、携帯を奪取する。
疑いたくない思いと、疑いのある思い。それが同居している文明の心はぐちゃぐちゃで、彼自身もかなり苦しいところだろう。

真実と向き合わないことで現実から逃げた文明。
松代に戻るべきでないことをマヤに伝え、文明は携帯を死守する。怒ったマヤはその場を後にする……



文明の言葉に従わず松代に戻ったマヤ。その前に千尋が現れる。

文明も松代に戻ると、警察が学院の方に向かっていた。嫌な予感を感じた文明が慌てて駆けつけてみると、そこではマヤが無惨に亡くなっていた。

翌日。
マヤが殺されたという情報は、こずえや亜美の耳にも入る。亜美はこの事実をどう捉えるか……

室内から何かなくなったものはないかという事情聴取を受ける文明。思い浮かべるのは、彼女が父から預かった手帳。それは現場に残されてはいなかった。


マヤの死。
その事実に、亜美やこずえはもちろん、JKとスマイルも暗い雰囲気となってしまう。


「俺が殺したんだ……」

マヤが死んだのは自分のせいだと、文明は自分を責める。
ノストラダムスの鍵探しに引っ張り込んだこと、マヤが鍵だと確かめるのに怯えたこと、マヤの手を握って離さないでいればよかったこと。
後悔することは多々ある。その一つでも違っていれば、マヤは死なずに済んだだろうか。未来は変わっていただろうか……


沈んでいた亜美たちであったが、JKは自分たちがどうすべきか、その道を示す。

「ヴァルトシュタイン学院の……オカルト学院の生徒じゃない！」

だから、自分たちにしかできないことがあるはず。
口寄せ、降霊、ウィジャボード。とにかく、何でもいいからやることに決定する。



マヤがいない。
その事実に打ちひしがれていた文明のもとに、ある者がやってくる。

「私じゃダメですか」

川島千尋。
マヤを殺ったことを肯定する彼女に、文明は殴りかかっていく。しかし、その側近の黒服に簡単に止められ突き飛ばされてしまう。

「ホントヘタレね」

文明の前に、マヤが現れる。

「昨日の死体は、魔術によって作った偽物です」
そう言うのは千尋。
彼女の正体は、先代の学長から仕えているという白魔術師だという。
全てはマヤを守るため、正体を隠してたとこと。それが事実だった。

しかし、文明は簡単には信じない。
マヤが本物であることを確認するために、手帳を確認させてもらうことにする。

「こ、これは……」

そんなところで、窓の外から美風が現れる。
そして文明の動きを止め、手にしていたその手帳を燃やしてしまう。

千尋は白魔術で敵の目をくらました隙にマヤと共にその場から逃げ出す。
そして美風は、黒魔女となった本性を見せる。

「先生はここで待っててくださいね。あの女を始末したら、ゆっくり殺してあげるから」

逃げるマヤたちであったが、黒魔女とその仲間たちに囲まれることとなってしまう。
父を殺した犯人が黒魔女であることを知ったマヤだが、彼女にはどうする力もない。千尋はマヤをこの場から逃がすようにし、白魔術師の本性を現して黒魔女と対峙する。

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Comments

[ひそか]

ＪＫ... (ﾉД`;)
彼にはいいセリフが多いですね～。今回のマヤに対するセリフ「俺のダウジングロッドでも探せない所に行っちゃったんだなぁ」には危なく泣きそうでした。ピッコロさんのベストキャラクター賞では何票か取るかも、ですね＾＾

[本隆侍照久]

＞ひそかさん

JKはとてもいいお方ですね～。
最初はただの紅の豚かと思いきや、そのダウジング能力は確かなもの。それだけでなく戦闘力も兼ね備えていてびっくりでした。
そして一番良いのは、皆と素敵な関係を築ける彼の人柄ですね。いいセリフも、それがあるから次々に生まれるんでしょうね＾＾

その存在がギャグのようであり、それでいて素敵なJK。彼がべスキャラ賞で上位にくるか見ものですね。ひそかさんもJKに一票投じるのか気になります。