アマガミSS 10話“中多紗江編 第二章『トックン』”

『橘純一と中多紗江の、運命の歯車が動き出してから三週間が経っていた』

今の紗江には、アルバイトの面接試験に向けた特訓の成果が見え始めていた。特にコミュニケーション能力はほぼ合格点に達していた。

『ただし、それは、相手が自動販売機の場合に限ってなのだが』
順調に純一色に染め上がっていっているようでw

「ねえ、今の何？」

自動販売機に話しかける紗江を目撃し、さすがの薫も紗江のバイトの面接に不安を感じていた。
それでも純一は何とかすると言い、紗江に自販機相手ならとことで合格点を与える。

「でも、あまり会話がうまくいかなくて……」
『それでうまくいったらいったで怖い』
会話にならないものねw

そろそろ食堂のおばさんと会話することを提案する純一。教官に後押しされた紗江は、食堂のおばさんとの会話という未知なる領域に挑戦することに。



食堂。
そこに向かった二人だが、やはり紗江は不安を隠せない様子。

「大丈夫。取って食われるわけじゃないし、むしろ昼ご飯を食べるのは僕たちだよ！」
『意味不明である』
うまく言ったつもりだろうかw

ともかく、それで後押しされた紗江は食堂のおばさんの前に立つ。
しかし、そこでもじもじしていて最初のトライは失敗する。
そんな紗江に純一は教える。

「いいかい中多さん。あそこにいるのは人じゃない。おばさん型自動販売機だ！」
『全国の食堂おばさん。少年の失礼な発言を、お許しのほど』

紗江は言われるがままに、おばさんを自販機だと思いこむことに成功する。
とことでセカンドトライ。
おばさん型自販機の前に立った紗江は、今日は寒いとことと、寒くなると洗いものが大変だという話をする。

※中多紗江のイメージであり
おばさん達は本当に
自販機なわけではありません。
むしろ怖いわw

ぎこちないながらも会話に成功した紗江。

「もちろんまだまだ会話も唐突で、荒削りだったけど、今までの中では一番、自然だったね」
ビジュアルは超不自然でしたけどねw

とりあえずは成功とことで、紗江は純一に対する信頼を深めていく。

『この時、少年も少女も肝心の注文ができていなかったことには、まったく気付いてないのであった』
最初の一歩とことでしょうがない。



次の特訓会場は理科室。
あのコーヒーの一件以降、自宅での特訓を禁止されていた純一だが……
『というか、むしろ学校の方がマズイのではないだろうか』
同意。

そろそろ紗江が来る頃、理科室に誰かがやってきたため、
「さあ始めようか」
と言う純一であったが、やってきたのは紗江ではなかった。

「橘君？　何を始めるの？」
言えやしない。
とことで、やってきたのは絢辻さんだった。危ない危ない。

改めて、紗江がやってきたところで特訓を始める。
本日の特訓は機敏な行動を身につけること。

「というわけで……今日の特訓は、早着替えだ！」
「……ぇ？」

聞き間違えなんてことはない。だって教官は純一なんだから。

「着替えは持ってきたよね？」
「ぁ、はい。教官に言われた通り」
その時点で怪しく思いましょう。

何はともあれ、もう引けない。
純一は机に隠れれば見えないと言い、本当にこの教室で着替えるとことに。
誰か来てしまうという危険性はもちろんある。それを指摘する紗江だが……

「より実戦に近い状況での特訓が役に立つんだ！」
どういう実戦を想定してるんですかw

緊張感を持たせようと考えている純一。

「誰が来るかなんて気にしてたらダメだよ！」
気にしないのもどうかと思いますがw

『それにしてもこの少年。アルバイトの経験がまったくないにも関わらず、どうしてこう熱く語れるのだろうか』
それはもう、純一だからとしか言いようがない。

「よし、それじゃあ始めるぞ！ まずは体操服だ！」
『何故体操服なのだ？ そして、まずということは次があるのか？』
なんてこったですよ。

設定は、美也と話し込んで学校を出るのが遅くなったというもの。制服に着替えてタイムカードを押すまであと３分。とことで早着替えを開始する。

「２分経過。あと残り１分。どこまで着替えられてるかな？」
変態そのものですね。

なにはともあれ、３分以内に着替え終えた紗江。そんな彼女に純一は言う。

「ジャージの下を脱いで！」

『何故脱がせる？』
「はい！」
『そして何故脱ぐ？』
もうツッコミいれたら負けな気がする。

次は水着に着替えるという。脱がせた意味がホントわからんw
ともかく、次は水着へ。着替え終えた紗江が教官のもとに駆け寄るが、慌てすぎたために純一もろとも倒れてしまう。

すると、純一の手は紗江の胸に。
さすがは純一。一瞬の隙も逃さず、あろうことかモミモミまでしやがるとはw

そんなところで美也がやってくる。
『妹の目に飛び込んできたのは、水着姿の親友の胸を鷲掴みにしている、兄の姿だった』

「にぃに……何やってんのぉぉぉー！！」



美也、紗江、逢の３人での下校。
紗江はバイトの面接の練習を、逢は部活を頑張ってるとことで、美也も何か頑張ろうかと考える。

「美也は二人の応援頑張っちゃう！ 二人の応援隊長になろーっと！」

実に可愛らしい考え。
そんな美也を放っておけないのは森島先輩も同じだったようで、どこからやってきたのか可愛らしい美也を抱きしめる。

「私はそんな応援隊長を応援してあげるわ」

どちらも実にキュート＾＾


「特別特訓の場所が決まったな」
純一は未だ懲りてない様子。



小江戸温泉物語。
そこで待っていた紗江のもとに、純一と美也がやってくる。
遅れたことはともかくとして、特訓場所はこの温泉なのだという。
水着に着替えたら足湯コーナーに集合という約束をし、男女の更衣室で別れる。


足湯コーナー。
そこへ集まった３人だが、純一は水着ではなかった。

「誰も嬉しくないからだよ」

そのよくわかっているところが実に紳士だ。ただし変態だけど。


ドクターフィッシュコーナー。
リラックス効果やマッサージ効果があるというドクターフィッシュ。それがいる足湯につかってみることに。
すると魚が集まってきて三者それぞれの反応を見せるが、その中でも紗江は異質な反応を見せていた。

「許して下さいっ！ ああっ！」
なんて反応だw

この状況下で、純一はバイトの模擬面接試験を開始する。
模擬面接中も悶える紗江を前にし、純一の意識は朦朧としていき……――――


目覚めると、純一は寝かされていた。

「先輩、足湯でのぼせちゃって……」
『少年がのぼせたのは、足湯のせいではない』
どちらにしろすごいやw



帰り。
バスの中、美也はぐっすり。

紗江は純一から合格点を貰う。
しかし、それで満足しない紗江は、もっと鍛えるよう純一に頼む。

「じゃあ、うちでもう一揉みしてあげよう」
純一が言うとそれだけでry

『少年はまだ知らなかった。少女が何故少年にもっと鍛えてもらいたかったのかを』



橘家。

そこでぬくぬく長者ゲームをおこなう。
人生の縮図とも言えるそれ。紗江は成功したものの、純一は失敗。

『やはりこの手のボードゲームは、現実とリンクしているもののようだ』

ゲームに夢中になっていて遅い時間に。
特訓もしていないし土曜とことで、紗江はここに泊まっていくとことに。

美也と紗江は一緒に風呂に入る。
美也によると、紗江の胸は美也の４倍ほどで、まんま肉まんの２倍ほどだという。
凄い……


美也に借りたパジャマに身を包んだ紗江。とっても素敵なものだ。

「中多さんみたいな妹が、もう一人欲しいなって思うよ」

そう言う純一であったが……

「私は嫌です」

紗江は否定する。
それは、何も変態紳士が兄であってほしくないというわけではない。

「私は妹じゃ……妹じゃ嫌です！」

別の関係を望む紗江。

『二人の運命の歯車は、今、大きく動き出そうとしているのだった』

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Comments

[影]

どうやら・・・中多さんから好きになっていくんですね～＾＾変態紳士さんが告白するのかと・・・w
これからが凄く楽しみになってきました(`･ω･´)！

[本隆侍照久]

＞影さん

変態紳士さんの恋もですが、その変態さに大いに期待です。いつも言っているような気がしますがw
ともかく、常に次が楽しみですね＾＾