妹に起こされるとある兄であるが、彼はその妹のことを偽物だと指摘する。理由は簡単。
「俺の妹がこんなに可愛いわけが――!」
そんな夢から目覚めた高坂京介。
もちろん妹に起こされたというわけではなく、ベッドから落ちて目覚めただけ。
学校に登校した京介は、運動も勉強もできる妹の愚痴をこぼす。
「人間普通が一番だ。凡庸平凡その他大勢」
そういう意味では、彼が話している相手の田村麻奈実は理想の平凡さを持った人物か。
授業で妹に関することばかり出てきた一日を終え、京介は帰宅する。
リビングには、携帯で話しながらソファでくつろぐ妹・桐乃がいた。
ただいまと言っても一瞥するだけで返事をしない。実にかわいくない妹である。
京介は麦茶を一杯飲んで2階に向かおうとするが、麦茶を出しっぱなしにしてしまったことを思い出しリビングに引き返そうとする。その際、妹とぶつかってしまう。
落とした荷物を拾ってやろうとした京介だが、
「触んないで!」
と一蹴され、妹はさっさと出かけていってしまう。
そんなところで、京介はとあるDVDが落ちていたのを発見する。
何ぞこれw
てなところで母親が帰ってくるのでビックリ。
『危うく社会的に死ぬとこだった』
それはともかくとして、このDVDが誰のものなのかを考えてみることに。
堅苦しい父親はないだろう。母親だって考えられない。桐乃も……ピンとこない。とりあえずDVDを空けて中を見てみると、そこに入っていたディスクは表題の『星くずうぃっちメルル』とはまた別の『妹と恋しよっ♪』(R-18)という本当に危険なものであった。
「妹と? 恋しよっ。しねぇよ!」
一人でテンション高い京介は、家族から見下されることを想像しつつ、これをどうしたものかと考える。
死ねとは…父親過激だw
「こうなったら絶対突きとめてやる。真犯人を!」
夕方。
桐乃は玄関付近で立ちつくす。
夕食時にも、桐乃の心はここにあらずという感じであった。その様子を察したか、京介は家族に話を振ってみることに。
「そういやさ、友達が最近女の子向けのアニメにはまってるんだけど、えーと……星くずなんとかってやつ」
桐乃の手が止まる。
アニメを観るのはオタク。そういうのにはなるなという父母の反応はどう考えても白。
とことは……
桐乃を見ると、彼女は明らかに狼狽えていた。
まさかとは思いつつ、食後に京介はコンビニに出かける……フリをする。
すると部屋の電気が点く。とことで戻ってみると、やはりと言うべきか桐乃が京介の部屋を漁っていた。そんな桐乃にあのDVDを見せると、桐乃はそれを取り戻そうとする。
「あたしがそんなアニメ、観るわけないでしょ!」
だとしたらどう考えても行動がおかしいですけどねw
京介は代わりに捨てといてくれという体でDVDを桐乃に返す。あら優しいじゃない。
そんな京介に、仮にこんなDVDを持っていておかしくないかと問う桐乃。京介はおかしくないしバカにしないと言い、そのまま寝てしまう。
気付けば夜中。桐乃が夜這いにやってくる。
話があるとのことで、京介は桐乃の部屋にやってくる。
「人生相談があるの」
とことで桐乃に打ち明けられた事実。隠された押入れには、PCゲームやアニメDVDやらがたくさん詰まっていた。
何故か妹モノが多い気がするが、とりあえず落ち着かねばならない。価格を確認してみると、どう考えても中学生で買えるレベルではなかった。とことで新たに知った事実。
「お前、モデルだったんだ」
何気にすごかった桐乃は、趣味に関しての感想を求める。彼女にとっては不安いっぱいのところであっただろうが、京介は特に気にしていない。驚いただけとことで、桐乃も一安心。
しかし、京介にとって一つ気になることがある。
「何でお前妹モノのエロゲーばっか買ってんの?」
ちょっと危ない妹かもしれないと引き気味になる京介であったが、ただに妹萌えなだけだったようで京介も一安心。
桐乃がこういったものを好きになった理由はわからない。でも本当に好きなのは確か。桐乃もけっこう悩んでいたのだろう。
京介という味方を得た今、父母に話した方がいいのかと相談するが、京介はそれを強く否定。隠し通すことに協力することに。
京介は桐乃に、妹モノが好きであることに他意はないことを再確認する。それに対して、どういう意図でそれを訊いてきたのかを察した桐乃は引く。
「現実で兄のこと好きな妹なんているわけないでしょ!?」
そうだろう。兄妹にしろ姉弟にしろ、異性の兄弟なんてろくなものではないのだから。
京介は部屋に帰って寝るも……
「人生相談。続き」
とことでまた起こされてしまう。
『妹と恋しよっ♪』
すやすや眠るしおりを、俺は…
1.ぎゅっとやさしく抱きしめてあげた
2.起こしてしまわぬよう、そっと布団を抜け出した
3.問答無用で、布団から蹴り出した
3を選択するも、そんなヒドイことをする京介こそが、桐乃に蹴り飛ばされる。
『このクソアマどこの世界に妹と一緒に妹を攻略するゲームをする兄がいるんだっつーの!』
それはごもっともだけど桐乃の考えは違った。
最終的に、全年齢版をプレイ、或いはパソコンごと借りることで妥協した京介。それでいいのだろうか、この兄は……
俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫)
アスキーメディアワークス
伏見 つかさ
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ドM向け、性格最悪D ...
本当の意味での家族愛 ...
妹(桐乃)をかわいい ...

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