部室も売店も学食も、全て豪華なものへと変わり、それでいてお値段据え置き。理事長が変わっただけでこうも変わるかと、生徒たちは歓喜に包まれていた。
学園改革はこれで一段落。本筋は悪石を倒すことなのだから。
理事長室に呼び出されたアルマはそこを訪れるも、誰もおらず。
机に置かれた写真を見て、アルマは何を思うか……というところ。
「おい」
む……?(´・ω・`)
「おめぇ、こないだはずいぶんと派手にやらかしたオニ」
アルマは鬼瓦が喋っているのを初めて目撃する。
それにガンつけていると、ルリが戻ってきたのでこれが何かを訊くことに。
「こいつがガンつけっから、メンチ切ってただけオニ」
そう言う鬼瓦は悪石の仲間だという。しかしそれほど力はないとのこと。
「こいつ図体の割に金玉ちっちゃいオニ」
壊そうか(´・ω・`)
17年前、世界各地に隕石が降った。特別なパワーを持つ7種類の鉱物からなるその石はセイクリッドセブンと呼ばれる。それには人間のDNAを変化させる性質があり、アルマはその力を宿している。つまりアルマの母親は、セイクリッドセブンに触れた可能性があるということである。
ルリも恐らくそう。
鬼瓦はセイクリッドセブンに当たったという。
「ワシの年齢は800歳。鎌倉大仏殿の鬼瓦だったオニ!」
は?(´・ω・`)
セイクリッドの力は、接触対象によってそれぞれ違うという。
力を発揮するものを悪石、コントロールするものを善石と呼ぶ。
アルマは悪石なんかではなく、自分がずっといれば大丈夫だとルリは言う。
ずっとなんて……(*´・ω・`*)
ともかく、悪石は今後次々と出現する可能性があると予想され、その際アルマの力は貴重なものとなる。そのため、ルリは協力を求める。
「協力していただけるのなら、私はアルマさんのためにどんなことも厭いません」
どんなことも……(*´・ω・`*)
アルマは考えさせてと言い、席をはずそうとする。その前に一つ。
「そこの写真のペンダント、この前してたよね?」
確かに。
しかしそれは過去形。
「お嬢様は、お前を救うためにあの石を使ったんだ」
ふむ……(´・ω・`)
夕方。
今日もアルマは川で石を拾う。
そこで思い出すのは鏡の言葉。ルリに救ってもらって得たあの力。
『でも……重いな』
夜。
何か邪悪な者が動き出す――
石部の部活は地味。
腰を痛めながらもそれをおこなう山口揚羽と、赤崎七海、そして伊藤若菜と丹童子アルマ。
アルマは川底の石を拾い上げては捨てていた。
それはかつてのことが絡んでいる。自分にとって大切な石を不良どもに捨てられ……そのせいでアルマは暴力事件を起こしたということになってしまった。
アルマと若菜が初めて会ったのはこの場所だった。
暴力事件を起こした橋の近く。アルマが大切な石を探しているところに話しかけてきたのが若菜だった。
若菜は前日にこの町に引っ越してきたばかり。石を拾い上げ、この“人”は凄い時間をかけて冒険してきた記憶があると言う。それに比べれば、一人一人の人間の人生なんて本当にちっぽけなものだ。
ここにあるどんな小石にだって同じことが言える。石の場合は小さい方が凄いのだ。削られて耐え忍んで小さくなっているのだから。
お近づきの印ということか、若菜は拾った石をあげると言って差し出す。
『そうか……。俺は石になればいいのか……』
その小石はポケットの中に。
不吉な風が吹き荒ぶ。
飛行機や鉄道のダイヤにも影響をきたすほどの砂嵐は、黄砂ではない。この風は太平洋側のものなのだから。
気象衛星のデータすら乱すそれの正体はいったい何か。
不吉が近づいていた。
雲も変化を見せていた。
速度は変わらないものの、自然現象ではあり得ないスピードで勢力が拡大していた。
自然現象でできたものは自然現象で散る。しかし、そうでないものはどうか。それを考えるに、放っておくことはできない。
恐らく悪石によるものであるだろう。そう判断した鏡は、メイド隊とともに現地へと向かう。
センサーには何も反応ないが、それは恐らく電波障害のため。雲海に何かがあるのは間違いないだろう。
と考えていたところで悪石を発見する。
ルリのお食事中に失礼して、その映像を見せる。
何故空にいるのかは、悪石が米軍基地から飛び立った輸送機に寄生していたため。深刻な問題は龍に見える足にある。
「強力な爆発物質で構成されています」
米軍は隠蔽しているが、行方不明になった輸送機には塩化窒素コルバイトが搭載されていたという。
そこに悪石がとりついた。なんてこったですよ(´・ω・`)
こんなものが上陸してしまえばひとたまりもない。時は一刻を争うか。
鏡はアルマのもとを訪れ、会わせたい人がいると言い彼を車に乗せる。それで戦う理由もわかるからと。
とことで、アルマは驚くべき豪邸へとやってくる。
そしてそこで、石の中に囚われた少女を目撃する。
「このお方は、お嬢様の唯一の肉親、姉のアオイ様だ」
彼女はルリが飾っていた写真を撮った日に石にされ、そして両親は悪石に殺されたのだという。
この子もしていたペンダントは母親からのプレゼント。形見だったのだ。
ルリは悪石を倒し続ければ姉が元に戻るかもしれないと信じ、戦っている。形見まで使って……
これらは鏡の勝手な行動によるもの。アルマに姉を見せたと知ったルリは、鏡の頬を引っ叩く。
けど……
「役に立つのか?」
アルマは自分が役に立てるのか、そのことを気にしていた。
そして役に立つのならば、
「戦うよ」
そう決断した。
ならば……
「ちょっと! 待って!」
アルマ困惑。
それもそのはずで、いきなりスカイダイビングをさせられることになったのだから。
「大丈夫だ。誰にだって初めてはある」
その覚悟の猶予はまったくありませんけどね(´・ω・`)
アルマは抵抗して逃げようとする。
「フン。やっぱり金玉がちっちゃいオニ」
ほっとけ(´・ω・`)
鬼瓦は自分を持って悪石の中に飛び込むようにとアルマに言う。そうすれば奴のでっかい急所を教えてくれると。
そんなところで機体が大きく揺れる。悪石の攻撃を受けているからで、至急着座をとアナウンスが入るものの、そんな余裕のないアルマと鬼瓦は否応なしに外に放り出されることに。
ルリは今行かねば間に合わないと、その後に続く。
で、空中にてアルマと合流。アルマの力を信じているからと、その力を発動させようとする。
「私はどんな時でも、アルマさんの傍にいます」
そして以前と同様のやり取り。
アルマはセイクリッドアルマ・リベレイターへと姿を変える。
あらイケメン(*´・ω・`*)
空を自由に移動する力を得た彼は、それで体勢を立て直す。
ちなみに、鬼瓦は単独で悪石の体内。
急所発見でゴキゲン( ̄ー ̄)♪
アルマは悪石の攻撃を華麗にかわしながら、こいつの弱点はどこかと考える。そんな中……
ピンッと、鬼瓦がでっかい急所を示す。鬼瓦のフルパワー凄し(´・ω・`)
アルマはそこを狙って攻撃。
悪石はでっかい石となり、海に落ちていく。
アルマはルリをお姫様だっこして空中散歩。
……鬼瓦は?
……ま、いっか(´・ω・`)
今回のルリの行動は危険なものだった。
彼女の身を案ずるならば、あまりやっては欲しくなかったことだろう。
しかし、ルリはアルマが自分のことを守ってくれると信じていた。その根拠もあった。
ロリロリしい自分が救われたのも彼のお陰だったのだから……
そんな過去の思い出に浸っている中、ルリはふと別のことを思い出す。
「そういえば、鬼瓦は?」
「あ」
海の底。
そこに彼はいた。
「誰か助けてくれオニー!」
Σ(゚Д゚;
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