TIGER & BUNNY #17『血は水よりも濃い』

『Blood is thicker than water.(血は水よりも濃い)』

虎徹は有給休暇をとっての里帰りを計画していた。
この前の出動要請すっぽかしもそうだが、里帰りというのは虎徹らしくないとアレキサンダーは言う。

「別に無理だったらいいんスよ。何より市民の安全が最優先なんで」
そうは言うものの、無理というわけではない。

「いいんじゃないですか。少しくらいなら、僕一人でも大丈夫ですよ」

そうバーナビーが言ってくれるからなおさら。
虎徹に有給休暇が与えられる流れとなる。

「たまにはゆっくり娘さんに会ってあげてください。彼女は、大切な僕のファンでもあるんですから」

とことで、虎徹はバーナビーのサインも持って実家へと向かっていた。

「何て言って渡しゃいいんだ、これ……」

何と言えばいいのか。それは何もこのサイン本に限った話ではない。
能力が減退し、身の振り方を考えねばなら今の状況。これを何と言うべきか……



虎徹は田舎へと帰ってくる。
シュテルンビルトと違って静かでのどかな風景。ちょっぴり安心感も抱いてしまいそうだ。

虎徹はすぐに鏑木酒店の車を見つける。

「何か、お困りのようで?」
「いや、ヒーローさんの出る幕じゃない。ちょっとラジエーターの調子が悪いだけだ」
「そんなポンコツ、いつまで乗ってんだよ兄貴」
「ポンコツじゃない。これはビンテージだ、虎徹」
物は言いよう。
でも、ふむ……(´・ω・`)

しっかり走れているのだからそれで問題はない。虎徹は村正兄貴の車に乗り、実家へと向かう。

「わざわざ迎えに来てくれるなんて、らしくねぇな。歳か?」
「母さんに頼まれただけだ」

あくまで義務だと言いたげな兄貴。
彼とは特に多くを語ることなく、家へと到着する。
しかし、ここで降りるのは虎徹だけ。兄貴は配達の途中だとのことで、実は忙しいご様子。

「話があるなら店に来い。兄弟のよしみだ。夜でも空けてやる」

固いようだが、だからこそ情には厚い。そんな感じ。
兄貴の乗った車はブルルル…と去っていく。

「相っ変わらず堅物だなぁ」

家の方に向き直り、
「こっちも相変わらずだ」

虎徹、久しぶりの帰宅。

「ただいまー!」

そう声をかけてみるも、中からは何も返事はない。
少なくとも鍵はかかっていなくて……そんなところにも田舎ならではの雰囲気が感じられるところ。
水音が聞こえてくるため、虎徹はそちらの方へと向かう。

「母ちゃん」

彼女は庭の植物たちに水をあげていた。
虎徹に呼ばれ、ようやく彼が来ていたことに気付く。

「あら虎徹。意外と早かったのね」
意外と素っ気ないのね(´・ω・`)

安寿母ちゃんは元気そう。それに対し、虎徹は……ぼちぼちというところ。
母ちゃんはその様子にどこか疑いを持ちつつも、水やりを継続する。

「なあ。楓ってまだ学校?」
「そうね。もう帰ってくると思うけど」

そっか……とどこか元気なく返事をしたところ。

「やっぱり、ちょっと元気がないわね」
「いや、あああ、あのな母ちゃん!」
「元気ないわ……」

そう言い、母ちゃんは植物を心配する。
そっちね……(´・ω・`)



虎徹は楓の部屋にお邪魔する。
久しぶりの部屋と机。その引き出しの中を見てみると……
そこにはバーナビーの写真で溢れていた。
雑誌から切り抜いたと思しきそれらの写真。タイガーがいるべきところはもちろん不要で、残念ながら切り取られていた。

「お父さん!?」
画像

楓が帰ってくる。
虎徹は慌てて引き出しを閉じ、愛娘のもとへ。

「驚いたか? 久しぶりだな~。パパ帰って来たぞー」
「なんで私の部屋に入ってんの?」
「え?」
「勝手に入らないで!」
しゅん……(´・ω・`)

楓は虎徹が引き出しを開けたことに気付く。
虎徹の冗談に反応せず、真っ直ぐに厳しい視線を浴びせ……

「よーし。今日はパパと久しぶりにお風呂にでも入る」
「変態!」
(´・ω・`)

とにかく変態。楓はそんなパパを部屋から追いだす。



夕食。
楓と虎徹は相変わらず微妙な雰囲気。
楓はさっさと食べ終え、部屋へと戻っていく。

「勝手に娘の引き出しなんか開けて。あの子ももう10歳なのよ」

母ちゃんにも言われ、虎徹は勝手な行動を楓に謝ることに。
しかし、その際に発する声がやはり気持ち悪く、楓の不機嫌は直らず。
そこで虎徹は方向性を変える。

「あっ! そうだ! パパバーナビーのサイン貰って来たんだ。もし楓がパパを許してぶっ!」
「それホント!?」
急に開いた扉で顔面打ちました(´・ω・`)

楓のために徹夜で写真集の発売日に並んでゲットしたという体のそれを貰い、楓は大満足。
画像

「やったー! ありがとー!」
「じゃあそうだ! 楓。今日はパパと一緒に寝るか?」
「それとこれとは別!」
ハードルが下がってもダメでした(´・ω・`)



虎徹は鏑木酒店にいた。

「あのチビがもう10歳かぁ…。 ちょっと会わない内に、どんどん変わっていくなぁ…」

そう言い酒を飲む虎徹に、何があったのかと兄貴は問う。
何かあったからここに来たのだろうから…な。
そもそも帰ってきたのも何故かと感じられるところ。別に話すことがないのならそれでいいが、この歳になって親に心配をかけるようなマネは感心できない。

「何だよ。理由がないと帰ってきちゃいけないってのか?」

そういうわけではない。が、ピリピリとしている様子から何か事情があるのだと感じられる。
ほっといてくれと言うくらいなら帰って来なければいいのだが、虎徹には彼なりの事情があるのだとしてもそれを理解することはできない。

「言ってくれなきゃ俺だってわからん!」

兄貴は言う。

「ここでのお前はワイルドタイガーじゃない。鏑木虎徹。俺の弟なんだ」
兄貴……(´・ω・`)

虎徹は兄貴に、能力減退のことを正直に打ち明ける。
その悩みはどうしようもないもの。でも、虎徹は悔しかった。

「俺はいろんなものを犠牲にしながら、ここまでずっとやってきたんだ。なのに、こんなことで終わっちまうのかって思うと……」

それを話さなかったのは自分で全てを抱え込もうとする悪い癖があるため。能力に目覚めた時もそうだった。
悩んだところで答えの出る話じゃないから、今はゆっくり休むべきか。

店を去ろうとする虎徹に、兄貴は声をかける。

「2ドルだ」
兄貴さすがでさぁ(´・ω・`)

兄貴はもう一度虎徹を呼び止め……

「たとえ能力がなくなったとしても、別にお前の全てが終わるわけじゃないぞ」

そう言ってくれる人がいるだけでどんなに救われ、どんなに幸せを実感できるか……



虎徹はヒーローTVを観る。
そこでは変わらずバーナビーが活躍を見せていた。

「ランキングはただの結果です。いつでも市民を守る。それがヒーローの使命ですから」

『どんな時でも、市民を守るのがヒーローでしょ?』

その声……
虎徹は過去のことを思い出す。

それは入院していた美人さん…虎徹のワイフが言っていた言葉。
彼女の言っていることは理解できる。しかし今は彼女自身が心配で……
それでも、彼女が決して意見を曲げないであろうことは虎徹もよく理解していたのだろう。最終的には現場に向かおうとすることに。

「それでいいの。 あなたは、どんな時でもヒーローでいて」
画像

それが彼女と交わした約束。
ワイルドタイガーは壊し屋の名の通り、ビルを壊して人命救助をおこなう。
そんなところで連絡が入り……悲報を聞く。
虎徹が駆け付けたところで、もう何もかも手遅れだった――



「もう潮時なのかもな…」

虎徹は死別したワイフの写真の方に目を向ける。

「ごめんな友恵。このままじゃ、お前との約束、まもていけそうにねぇや…」

涙が流れる……




早朝。
虎徹は楓に起こされ目を覚ます。

おばあちゃんが……
そう慌てる楓により、虎徹は倒れてる母ちゃんを発見。すぐに彼女に触れるが……

「動かさないで!」
え?

「腰を痛めただけだから」
え?(´・ω・`)

兄貴も慌ててやってくるものの、腰を痛めただけだと知り、ほっと一安心なところ。
まあ心配し過ぎなことは悪くない。母ちゃんとしても楓に心配してもらえて嬉しいところだろう。

ともかく、大事でなくて良かった。楓は学校にいなければ。
しかし、彼女はどこか心配げになり、なかなかすんなりと学校に行こうとはしない。

「だから、おばあちゃんなら大丈夫だって言ってんだろ。わからねぇ奴だなぁ。それに今日はパパだって有」
「わかってないのはお父さんでしょ!」
…………

「大っ嫌い! お父さんなんか!」
楓……(´・ω・`)



虎徹はお墓参りをする。

いったい自分はどうしたらいいのだろうか。
そう疑問を投げかけるところで、兄貴もやってくる。

「なあ。今朝楓がどうしてあんなに取り乱したかわかるか?」
いや……

「あの子にはな、もう母さんしかいないんだ」

虎徹が傍にいれない今、母ちゃんにもしものことがあれば楓は独りぼっちになってしまう。
それがどうしようもないほどに怖く、そういった不安を抱えて暮らしている。

「言いたかないが、友恵さんが亡くなった時のことだってあるしな」
「そういうことか……」

虎徹も責められはしない。
「ただ、楓はいつも心細い思いをしている。そこはわかってやれ」



夕方。
ぼんやりと外を眺めていた虎徹の前に何かが横切る。
ふと見てみると、母ちゃんが早速庭の手入れに復活していた。寝てなきゃダメだろうに。

「キャベツなんてどうでもいいじゃねぇか」

そう言う虎徹だが、せっかく手塩にかけて育てたのに元気がないのをほっとくわけにはいかないと母ちゃんは言う。

「あんたもキャベツも」
野菜と同列(´・ω・`)


天候が悪化している……
そんな中、学校終わりの楓は神社へと来ていた。

「どうかおばあちゃんを助けてあげてください」

そう神様にお願いをして間もなく、雨が降り出してくる。
そのまま雨宿りをすることになった楓だが、雨はあっという間に激しくなり雷の音まで聞こえてきてそれに怯える。
それだけならばまだ良かったものの、雷がすぐ近くの木に落ちて倒れてしまい、楓はそこから出られなくなってしまう。
地盤の影響で建物も不安定になり、そこから脱出しなければ万が一の時にマズイかもしれないと考えられるところ。楓は携帯を開くが、不運なことに圏外。外に助けを求めてみるものの、その声は激しい雨によりかき消されてしまう。


心配をする虎徹たちは学校や友達に電話してみるものの楓の行方を掴めないでいた。

虎徹は楓を捜しに外に出て、兄貴もともに彼女を捜す。
しかしながらやはり楓はなかなか見つからず……ワイフの姿が脳裏によぎり、虎徹は一か八か能力を使用することに。
力を使って闇雲に捜すわけではない。兄貴を静かにさせ、虎徹は集中力を高める。
微かな声でも聞き逃すまいと、力を全て聴力に集中させる。

『お父さん、助けて…… お父さん……』

聞こえた。

「楓!」
「お父さん!」

虎徹は楓がいる建物前の木を排除していく。
しかし、その途中でハンドレッドパワーが切れてしまう。それでも……

「心配するな楓! お前のパパはな……、鏑木虎徹は…そう簡単には終わらねぇからよぉ!」

その言葉に楓は嬉しげな表情を見せる。

「娘一人助けられねぇで……何がヒーローだ!!

巨木を投げ飛ばし、楓のもとへ。

「もう大丈夫だ」
「ごめんなさいお父さん…! ごめんなさい、私……!」
いいんだよ、楓……(´・ω・`)

父娘は再会を果たし、沈みゆく神社を背後に二人は家へと戻っていく……




あっという間に、虎徹がここを去る時がやってきた。
本当はもう少し長居する予定であったが……

「会社に辞表を出したら、すぐこっちに帰ってくる」

別に何もなかった……なんてこともなかったが、今はただ楓の傍にいたいと、そう思っただけのこと。

「それに、約束したんだよ。なっ、楓」
ふむ(´・ω・`)

「俺はビンテージなんだよ、母ちゃん」
物は言いよう、だね。


虎徹は電車に乗る。
走り出すそれに並走し、楓は虎徹がした約束が本当であることを何度も確認する。
このまま走っていてはホームが途切れ危ないというところ……!
楓はそれを跳び、電車と並走していた。

「早く帰ってきてね! これ、約束の印!」

そう言い紙筒を渡してくる彼女の体は薄青い光に包まれていた。

「あいつ、もしかしてNEXTの……」

さすがは虎徹の子、だ。
楓が最後に渡してくれたもの。
そこには素敵な絵が描かれてあった。
画像

『なあ友恵。俺は楓のヒーローでい続ければいいんだろ? お前との約束……破ってねぇよな?』

ワイルドタイガーは単なる象徴。
いつでも娘を守る……それが虎徹の使命か。


TIGER&BUNNY ワイルドタイガー ラバーキーホルダー
コスパ
2011-09-25

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by TIGER&BUNNY ワイルドタイガー ラバーキーホルダー の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック

TIGER & BUNNY #17「Blood is thicker than water.(血は水よりも濃い)」
Excerpt: 娘一人助けられないで何がヒーローだ!
Weblog: LIV-徒然なるままに
Tracked: 2011-07-27 20:39

娘一人助けられないで、何がヒーローだ!『TIGER & BUNNY』17話。
Excerpt: 楓ちゃんのヒロイン回。そして、彼女のNEXT能力発動!回。同時に、虎徹は家族を振り返り、自分の身の振り方に結論を出す・・・てな、『TIGER & BUNNY』。17話で ...
Weblog: あんりみてっど・くっきんぐ・わーくす
Tracked: 2011-07-28 19:44

TIGER&BUNNY第17話(7.26)
Excerpt: 能力減退に悩む虎徹が実家に帰省、 娘の楓のためにも、ヒーローを辞めて実家に戻る決意をしたという話 楓の机の引き出しに バーナビーの水着のグラビア写真があったのに笑った。楓ちゃんもお年頃だ この回だけ観..
Weblog: まっつーのTV観覧日誌(*´д`*)
Tracked: 2011-07-30 02:16

◎TIGER&BUNNY#17Bloodisthickerthanwater.(血は水より...
Excerpt: タイガーさんは休暇をとることに。酒屋の兄の車で実家へ帰る。カエデさんの部屋はバーニーグッズでいっぱいだった。なんで私の部屋にはいってるのといわれる。今日はパパとお風呂に...
Weblog: ぺろぺろキャンディー
Tracked: 2011-11-17 17:58