そんな中、菜子ちはふと目覚める。夢見心地が悪く苦しい……
そりゃそうよ、妹たちが密着しているのだから(´・ω・`)
緒花はアラームで目覚める。
その時にはもう民ちの姿はなく……その頃彼女は食料を調達していた。
蓮さんは雑誌を眺めていた。
個性派ダンディでキメたいのだろう。レザージャケットのページに釘付け。
緒花は着替えて板場を訪れる。
「みんちいますか?」
「ああ、もう出かけたぞ」
ふむ……(´・ω・`)
緒花は準備段階のことが気になっていた。クラスメイトとうまくいっていなかった彼女のことを。
だからちょいと訊いてみる。
「ここってその…オムライスってメニューに入ってたことあります?」
徹がここに来てから、メニューに入ったことはないという。
ガキの頃からずっと和食だという徹は作ったこともないとな。
なるほど……(´・ω・`)
「失礼します」
緒花は去っていく。
民ちは大量に食材を買いこんで教室へとやってくる。
まだ誰も来ていない。そんな時間。
緒花と菜子ちはいつものように電車で学校へと向かう。
「「あの、オムライス」」
タイミング良く、二人は同じ切り出しで話そうとする。
どっちも譲り合い、それでも二人は心中もシンクロする。
『『なんでオムライスなの?』』
ね(´・ω・`)
喜翆荘では、ヘルプの方たちは無難すぎるほどに仕事をこなしていた。さすがだじぇ(´・ω・`)
民ちが準備を進めている中……
「おはよう」
緒花がやってくる。
この時間でも充分に早い。それでも彼女が来たのは、民ちを手伝おうとするため。
接客チームは午後から集合とのことだが、緒花は民ちを手伝いたいと思って来た。だけど民ちはいらないと言う。
「みんちは素直じゃないなぁ」
「ホンットにいらないっての!」
(´・ω・`)
喜翆荘では今日のお客様は皆お帰りになられていた。
手伝いの二人はともにとてもいい。次郎丸の話はどうでもいいが、二人とも手慣れていてとても助かるところだ。
でも常連の方は菜子ちと緒花がいなくて残念がられていたという。
「ああ…。そう言ってくださるお客様がいらっしゃるんだねぇ」
スイは心底嬉しそうに感嘆の言葉を漏らす。
緒花が来てそろそろ半年。
ついこの前来たばかりの気もするのだが、時の経過は早いものだ。
菜子ちは水野さんとともに絵の設置仕上げに取り掛かっていた。
そんな中、廊下の話声が聞こえてくる。それによると、とある子が、自分が鶴来さん…つまり民ちに謝った方がいいんじゃないかなと呟いていた。周りの子達はそんなことないよ、反省するのは鶴来さんの方だと言うが……互いに謝る気持ちを持ってうまくいけばいいが……
菜子ちはそちらの方の話が気になってしまう。それで朝から落ち着かない様子。それは水野さんも感じていた。
「行ってきてあげて」
水野さん……(*´・ω・`*)
「友達なんでしょ」
今はその好意に甘えよう。
だけど、これだけは忘れないでほしい。確かに文化祭委員であるものの、それだけの理由で手伝っていたのではないということを。
結名ちゃんがゴキゲンで登校してくる。
教室に向かう途中で菜子ちを発見。
「教室こっちじゃなかったよね~。もしかして民子姫のこと心配で来たってわけ?」
結名ちゃんは割と鋭い。だからいい(*´・ω・`*)
「喜翆荘ってすごいねー。チームワーク抜群っていうか」
それほどでも……(*´・ω・`*)
菜子ちみたいな可愛い子なら接客チームに欲しいなと言う結名ちゃんは、うちのアレとのトレードを持ちかける。
ダメですよ、そんなの(´・ω・`)
教室に到着すると、そこは物凄い状況だった。
泣いているのだ。緒花と民ちが。
……玉ねぎを切っているからだけどね(´・ω・`)
「何個切ればいいの?」
「手伝えなんて言ってない」
「強情っ張り!」
「ホビロン!」
何やってんだか(´・ω・`)
結名ちゃんは、緒花はうちのチームでしょと言い、手伝いをやめさせようとする。
緒花が民ちのことを気になるとか、そんなことは関係ない。
「民子姫のお手伝いをしなくちゃいけないのは別の子でしょ?」
うむ(´・ω・`)
昨日民ちと喧嘩をした子が一歩踏み出して昨日のことを謝ろうとする。
しかし……
「あたし、一人で全部やるって言ったから」
民ちは頑な。
あとは彼女さえ柔らかくなればなんとかなるのだが……というところ。
「みんな、ご飯にしない?」
と、菜子ちはお昼に誘う。
もう12:38頃。民ちのお腹も鳴ったことだし、みんなでお昼ご飯にしようぞ(´・ω・`)
炊けたご飯もあることだし、何かを食べよう。明日のメニューでも試食するか何か食べたいものがあれば……というところ。
「私、オムライス」
え……?(´・ω・`)
なんだか微妙な雰囲気になって、
「あれ……?」
菜子ち……(´・ω・`)
一同は調理実習室へ。
午後から下ごしらえで使うつもりだったからちゃんと許可はとってありますよ。
民ちは菜子ちがリクエストしたからと、オムライスを作ろうとしていた。
昨日喧嘩をした子は民ちがオムライスが嫌いなのだと思っており、
「てっきり民ちは、オムライスを作れないのかと」
それが緒花の予想。
しかし、予想とは裏腹に、民ちは手慣れた手つきでそれを作っていく。
「子供の頃、月に一回お母さんと街に買い物に行った時は、いつもオムライスを食べてた」
デパートの6階にある有名な洋食屋。
民ちはいつもカウンターの中が見える席に座るのが好きだった。
「オムライスが出来るのを見て、できたのを食べて、食べ終わっても…ずっと見てた」
カウンターの中の厨房は、子民ちにとってまるで魔法の世界だった。
それが今は手慣れた手つきでそれを作ることができる。
「どうぞ」
まずは一人分。
昨日喧嘩した子はそれを食す。
「うわぁ、美味しい~」
そりゃ何より(´・ω・`)
「もしかして民ちが板前を目指したのって…、そのお店のオムライスが好きだったから?」
「…そ、そんなわけない」
「それじゃあ、何がきっかけだったの?」
「…うるさい」
それ以上は訊かんといてあげて(´・ω・`)
作っているのを見ていればわかる。教室のホットプレートでは火力が弱く、確かに作ることができないということを。
民ち以外全員分のオムライスが出来上がったというところ。
「民ちの分のオムライスは、私たちが作ってもいい?」
いい提案だ(´・ω・`)
民ちのオムライスは教室では作れないが……たとえばケチャップライスとか。それだってちゃんとチキンライスに見える。
それで物足りないのであれば、チキンピラフにする手もある。炊飯器で炊いちゃえばいいのだ。
あとは卵。そちらは緒花が用意する。
チキンピラフもさっと炊き、うまく卵でとじて、はい完成。
みんな風オムライス。
それに仕上げをするのはあの子。仲直りの印として……LOVE♡
その愛情は味にも確かに感じられ、これも確かにオムライスだと頷ける。
「じゃあ、明日のメニューに、みんな風オムライス追加。どうでしょう、料理班リーダー」
民ちは考え直すことにし、とりあえずは素敵な方向へと向かう。
しかし、実際ホットプレートで作ってみるとなると、勝手が違い大苦戦。何度も挑戦してみることに。
失敗作は緒花へ。
さっき食べた? 知らないよ、そんなの(´・ω・`)
民ちはコツを掴み始めた。これを忘れぬためにも、何度もそれをやって体で覚えなければ。
もちろん、オムライスは緒花へ。
お手伝い助かってますよー(´・ω・`)
さあ、民ちだけでなく皆で練習しよう!ヽ(´・ω・`)ノ
民ちは毎月お給料から普段作れない食材を買ってきて練習している。
「たいした子だよ」
と、スイは感心する。
中学の時から真っ直ぐやりたいことを持っているのはとても素敵なこと。
「でもね、誰もが皆、あの子と同じわけじゃない」
目標ややりたいことを見つける過程は人それぞれなのだ。
「回り道をしてもいい。間違った道で迷ってもいいんだよ。それがあの子たちの特権なんだからね」
女将さん……(*´・ω・`*)
準備は順調に進み、あとは明日を迎えるばかりというところ。
そこでようやく菜子ちは思い出す。そして慌てて自クラスへと向かう。
するとそこの準備はだいたい整っていて、教室の片隅では水野さんが絵を描いていた。
一か所飾る絵がないからと描いている。その対象は……
「押水さん」
あらやだ私?(*´・ω・`*)
「見てもいい?」
菜子ちは嬉々としてそれを見ようとする……
駅。
緒花らが電車を待つそこに、なんとか菜子ちも間に合う。
嬉しそうな表情を浮かべる菜子ち。それに緒花も気付く。
うふふのふ(*^ω^*)
翌日。
学園祭は大いに賑わう。
菜子ちと水野さんが待機するクラスは……まあ……ね(´・ω・`)
古式ゆかしいメイドがご案内する姫カフェは大盛況。
すごく……いいものね……(*´・ω・`*)
あの子が気になる男の子もご来店。
L♡VE
まったくもう……(*´・ω・`*)
「メニューに入れようって言った自分が憎い……」
でも恋のキューピッドになれるのはとっても素敵なことだよね(*^ω^*)
「ここか?」
徹がやってくる。
おしながきを見て民ちらしさを感じる彼だが……そんな中、意外な一品を発見する。
「俺、オムライスにするわ」
ドキリンコ(*´・ω・`*)
「みんな風オムライス、一つ入りましたー↑」
民ち動揺。
出来上がったそれは緒花に渡された頃にはもうケチャップもかかっていて……
「み、民ち……?」
「ぃ言うな……」
それを出され、徹は驚き。
でも隣の男の子のオムライスを見て納得する。
大きな♡で囲まれたLOVEなオムライスを、徹は食す。
それを民ちが緊張の面持ちで見守る。
これぞまさに青春……だね(´・ω・`)
夕方。
キャンプファイヤーが間もなく始まるという頃。
いろいろと忙しかった緒花たちは間に合わず、今になって菜子ちの教室へとやってくる。
そんなところで、キャンプファイヤー!
火が灯る。
マイムマイムを踊ろうぞ。
とことで、緒花や民ち、菜子ちや水野さんもそちらへと向かう。
ワンテンポ遅れて結名ちゃんも……というところで、一つの絵を発見する。
「私が貰ったの。いい絵でしょ?」
タイトルは友達。
輝かしいサン。
人によって異なるカタチ。
でも確かに言える。
青春やねー、と。
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