サマンサさんを殺した容疑として追われている虎徹。どういうことかと電話をかけてみようとするも繋がらず。
皆が大画面の前にいる彼の姿を見れば、すぐに殺人犯だと気付く。彼らは皆慌てて逃げ去っていき、パトカーの音が近付いてきていることに気付いた虎徹も、一先ずその場から逃げる……
アルバートのもとには、鏑木虎徹とヒーローTV関係者を結び付けるパーソナルデータをネットワーク上から全てデリートしたという報せが入る。
「御苦労さま」
メガネが不気味に光る……
携帯ではダメだった。
とことで、虎徹は公衆電話からアニエスに電話をかけ、どういった状況かを訊く。
「俺だよ俺! 虎徹だよ!」
『虎徹? 鏑木虎徹!?』
そう、その虎徹。
「今局の近くにいんだけど、どうしたらいいんだよ俺」
『鏑木虎徹がOBC付近にいるわ。みんなすぐ現場へゴー!』
向こうは虎徹がわざわざ宣戦布告してきたのだと思っていた。
冗談ではなく、間もなく一陣の風が虎徹を吹き付ける。
「サマンサ・テイラー殺しの犯人、鏑木虎徹! 君は既に包囲されている。おとなしく、投降したまえ!」
「何かっこつけてんだよ! 俺は何にもやってねぇって!」
「それは私の知るところではない。身の潔白は司法の手に……委ねるといい。確保~!」
相変わらず人の話を聞かないスカイハイ。虎徹はワイヤーを巧みに使い、ビルからビルへと跳び移っていく。
「スカーイ……ハイハハーイ!」
それにより吹っ飛ばされた虎徹。それが連鎖して割と大きな物的被害を周りに出してはいるものも、それはいつものことなので気にしない(´・ω・`)
ワイヤーでなんとか身の安全は確保している虎徹は、いったいどうなっているのかとリングを見やる。
NO COMMUNICATION。
それは機能していない……
母ちゃん……安寿は電話をかけてみるも、虎徹には繋がらなかった。
安寿自身も不安を抱いているだろう。けど、楓を不安にさせてはいけない。楓に優しく話しかける。
「きっと、あの事件は何かの間違いだから、その……」
「わかってるよ、おばあちゃん」
楓……(´・ω・`)
彼女はママンの遺影を胸に抱き言う。
「だってお父さんはそんな悪いことするなんて思えないよ。嘘つきでカッコ悪いけど、お父さんは絶対人殺しなんかしない! 絶対!!」
そうなのだ。母娘が信じなくてどうする。
安寿も優しく笑みを浮かべ、そっと頷く。
そんな彼女の胸の中に、楓は飛びこむ。
涙が出ちゃうから……(´;ω;`)
ここで安寿は打ち明ける。
「実はね、楓。お父さんの本当の仕事はね、ヒーローなの」
「えっ!?」
「楓の傍にいてやれなかったのはね、ヒーローとしてずっと街の人たちの平和を守っていたからなの。ごめんね、ずっと黙ってて」
「うそ……」
「嘘なんかじゃないわ。楓、ワイルドタイガーって知ってるでしょ。あの人があなたのお父さんなの」
「……あっ…!」
STERN BILD Judicial Bureau-シュテルンビルト司法局-
その前でも、鏑木虎徹に関する情報で揺れていた。
皆は彼がヒーローであることを知らないのだから、単純な殺人犯として見ている。
しかし、ユーリは違う。
だから彼はAPOLLON MEDIA SOCIAL SYSTEMを開き、調べてみることに。
HERO BUSINESS DIVISIONのPHONEを選択。そのデータベースに“KOTETSU T. KABURAGI”というENTER NAMEでSERCHをかけるも、RESULTにはNO MATCHES FOUNDと表示される。
次にHERO LISTからWILD TIGERを選択。しかし、ACCESS DENIED。
彼はこの事件が真実のものではないことに気付いたか……
虎徹は指名手配の貼り紙を忌々しく感じつつ、路地陰から辺りを窺う。
そこにはドラゴンキッドが待機しており、気合十分であった。
では戻ろうかと思ったところで、貼り紙サイクロン……じゃなくて、折紙サイクロンとバッタリ。
やあ(´・ω・`)ノ
「もう逃げ場はないでござる!」
「やっと現れたね。さー!」
折紙サイクロンとドラゴンキッドに挟まれた虎徹は、身の潔白を主張する。
「ヒーローの俺が殺しなんてするわけないだろ! これは何かの間違いなんだって!」
「自分をヒーローだなんて随分図々しいこと言うね、この犯人」
「はぁ!?」
「はぁ!?」
顔で対抗しなくてもいいのよさ(´・ω・`)
虎徹は自分の顔をよくみるように言うも、確かに鏑木虎徹。それは認識されているのだが……
「よし逮捕!」
ということになるのよさ(´・ω・`)
「どうもこうも、ねぇだろぉ!」
さらにはロックバイソンがやってくる。
「てめぇみたいな悪党を捕まえ、ポイントを稼ぐのが、俺らの仕事なんだよ!」
ロックバイソンは虎徹にアタック!。
物凄く重い一撃だったろうが、虎徹はそれを生身で受ける。
「お前、親友の俺に…」
「親友だと? 何舐めたこと言ってんだ。外道の分際で!」
ロックバイソンマジ外道(´・ω・`)
さすがの虎徹もいい加減にしろよと能力を発動。
そのまま逃げる。
パワー系のネクストであることを知られたが、まあそんなもの。
テレビを観ていたバーナビーはそれを消したところで、
「気分はどうかね?」
マーベリックさんがやってくる。
「ご心配をおかけしてすみませんでした。僕はもう大丈夫です。すぐに奴の逮捕に向かいます」
それに、ちょうど良かったとマーベリックさんは言う。
バーナビーとタイガーのニューバージョンのスーツが完成したのだという。
「これでようやく、役者が揃った」
地下用水路に逃げ込んでいた虎徹のもとに、新たな刺客が迫る。
周りのものが凍ってとっても冷たい……
「来たか、めんどくさいのが」
そう言わんといて(´・ω・`)
「ドブネズミじゃねぇんだ俺は。ワイルドタイガーだぞ!」
「お父さんが……ワイルドタイガー……」
楓は本を取り出し、ワイルドタイガーの特集を読んでいた。
それを先日の大雨の日の虎徹の姿と照らし合わせる。
“Our NEXT power exists to protect the ones we love.”
NEXT能力は大切な人を守るためにある
それは確かに父の言葉だと感じられ、楓は本を強く握りしめる……!
村正もこの家にやってくる。
彼だって虎徹の兄だ。虎徹がまさか人殺しをやっただなんて、そんなことは微塵も信じてはいなかった。
それよりも今心配なのは楓の様子であったが……
「意外と落ち着いてるわ。あの子、私たちが思っている以上に大人だったみたい」
そう。彼女は大人なのだ。
だから……部屋にはもう彼女の姿はなかった。
残されていたのは砕け散ったブタの貯金箱。ブタちゃんはその身を挺して楓を虎徹のもとへ送り届ける……
虎徹はブルーローズに追われていた。
その先は行き止まりで追い詰められてしまう。
「もう逃げられないわよ。殺人犯」
虎徹はブルーローズにも身の潔白を主張する。
と言っても、殺人犯の話をまともには聞かない。それが普通なのだ。
しかし、今回の問題はその殺人犯として扱われているのが虎徹だということ。いくら仕事を全うするといえども、何も反応を示さないのは不自然なのだ。だから虎徹はどうして自分のことがわからないのかと、ブルーローズにも言う。
「お前が悩んでる時なんか、バーでチップやったじゃねぇか。歌う前になってさ」
しかし、それにブルーローズは呆れる。
「あれはワイルドタイガーに貰ったのよ。何であんたがそんなプライベート知ってるのよ」
「だから俺がそのワイルドタイガーだからだろうが!」
「冗談言わないでよ」
と、ブルーローズ。
「確かにワイルドタイガーの正体は誰にも明かされてない。顔も名前もわからないからって、よくもそんな図々しいこと言えるわね」
それはヒーロー達にも明かされていないということだろうか。まあ明かされていれば虎徹の言っていることなどすぐに嘘だとわかるのだからそういうことなのだろう。ならば、彼らと接する時もそのワイルドタイガーは常にスーツなのだろうか。その姿でバーに……シュールだぜ(´・ω・`)
「動かないで! それ以上わけのわからないこと言うと容赦しないわよ」
「わけわかんないこと言ってんのはどっちだよ!」
その言葉に、ブルーローズはちょっとだけハッとする。
「お前……俺がタオルあげたことも忘れちまったのか? 思い出せよ、ほら。俺がコーヒーこぼしてお前のタオルダメにしちまって、その代わりに素敵なタオルあげただろ」
そう。
ブルーローズに……カリーナにとって、とっても素敵なタオルを。
「本当に俺がワイルドタイガーなんだって! 信じてくれよ!」
その言葉に、ブルーローズの心の中に確かに迷いが生じる。あともうひと押しというところ……そこで虎徹のうしろの壁がぶっ壊れる。
そこからゆっくりと姿を現したのは……
「ワイルド……タイガー……?」
ニュースーツに包まれたワイルドな男がそこにいた。
そいつはすぐに虎徹と交戦に入る。
一手一手がやや重い動きのそれ。歳くってる虎徹とはちょいと違った重さが感じられる。
虎徹はそれを投げ飛ばして一度間合いを取る。
とは言え、素の投げ飛ばしではまったく効かない。
ならば次にとる手は……
「さいなら!」
ワイルドエスケープ(´・ω・`)
しかし、その足をワイヤーでとられてしまう。
必死に抵抗しながらも、確実にニュースーツの彼に吸い寄せられてしまう。
「ああん。もう見つけちゃってたの~」
と、今度はファイヤーエンブレムが登場。
そして……
「自分がワイルドタイガーだなんて嘘じゃない」
ブルーローズの冷たい一言が、虎徹の心に痛く突き刺さる。
「なぁ……どうしたんだよお前ら…。 俺たち……ずっと一緒に戦ってきた……仲間じゃねぇか!」
その二人が、今は得体の知れないワイルドタイガーの側にいて、虎徹を冷たく見下す。
「本当に俺のこと……忘れちまったのか……」
もう捕まるのも時間の問題。
そんなところで……
「これが貴様の最期なのか」
ルナティックが登場。
クロスボウを手に、狙いを定めていた。
「だぁっ! ちょっと待て! 俺は犯人じゃ…」
「刮目して己の全てを顧みろ」
ルナティックが放った炎は、ニュースーツに身を包んだワイルドタイガーのワイヤーを焼き切る。
「どうしてお前……」
「真の罪人を裁きの標に導くことこそ私の正義。翻って、今貴様が偽りの正義の手に委ねられること、それを看過するのは私の信条に反する」
なんかよくわからんが、そういうことだ。
虎徹は自分の正義がこんなところで潰えるものではないことを証明するために、今はルナティックのおこないに正直に甘え、この場を後にする。
「ちょっとどういうつもりよ。あんた殺人犯を庇うつもり!?」
「否。私はタナトスの声に……従うまで」
ルナティックはクロスボウをニューワイルドタイガーに向ける……
虎徹は路地裏に身を潜めていた。
ここはおっちゃんの縄張りのようだが……ちょっとごめんね(´・ω・`)
ちょっぴり日の当たる方へと向かった虎徹はそこで街頭ビジョンが報道するスクープを聞く。
そこでは、バーナビーが映し出され、虎徹は彼が無事だったことにほっと胸をなでおろす。
その直後、報道の内容により、アルバート・マーベリック氏の別荘に身を寄せていたことを知る。
これは他の人達にとってはなんともないことなのかもしれないが、虎徹にとっては違う。自分という者がありながらバーナビーは他の男と……じゃなくて(´・ω・`)
アルバートもバーナビーの行方を知らぬはずだったというのに、これではおかしい。
彼はサマンサさんとの電話のことも聞いていた。そしてあの市長室にあったバーナビーのピンズ……
ルナティックが言っていた“己の全てを顧みろ”というのはこのことだったのだろう。
虎徹がするのは省みることではなく、顧みることだったのだ。自分の行為を反省するのではなく、過去を振り返れと彼は言っていたのだ……
「そういうことか」
全てが繋がった。
虎徹は意を決して、再び日の光のもとにでる。
そこでタイミング良く、自分のことをよく知るはずのタクシーを見かける。
「ベンさん、俺だ!」
そう言う虎徹に対し、彼は……
「乗れ」
それだけを言い、虎徹を乗せたタクシーは走っていく。
ベンさんは覚えていてくれたか。
虎徹にとって数少ない頼れる人物。他のヒーローがあんなだからと、虎徹は半ば最後の望みとしてあの場所に潜伏していて、ベンさんがやってくるのを待っていたのだった。
そんな彼とうまいこと遭遇し、一先ずは運が良かったというところだが……
「どこ行くんすか?」
ベンさんの運転に迷いはない。
彼は虎徹の行こうとしている先を訊かず、どこかへと向かう。
「まさかあんたまで俺を忘れちまったのか?」
「黙って乗ってろ」
「ぉおい! 警察は勘弁してくれよ! 本当に俺は何にもしてねぇんだ! 頼む! 止めてくれって! 信じてくれよベンさん!」
そう言って虎徹が運転の邪魔をしようとしたところで、車は止まる。
「落ち着け虎徹。お前それでもヒーローか?」
……!
「何があったか知らねぇけど、俺たちゃずっと一緒に戦ってきた仲間じゃねぇか」
ベンさん……(´;ω;`)
ベンさんはアメリカンドッグをくれる。
「ったく、腹空かせてんじゃねぇかと思って探してみりゃあよぉ。俺がお前のこと忘れるわけねぇじゃねぇか」
「……すんません」
「何があったって忘れねぇ。俺はお前のファンだからな」
そう言い、ベンさんはとあるケースを虎徹に渡す。
「これって……!」
「ああ。懐かしいだろ。俺とお前の思い出が詰まったスーツだ。いつも肌身離さず持ってんだぞ」
ベンさん……(*´・ω・`*)
スーツはちょっぴりしわくちゃだけど、こまけぇこたぁ気にしなくていいよね(*^ω^*)
二人は笑い合う……
そののち、今の状況になっていることについての話をする。
「嵌められたんスよ、俺」
“あな”じゃなくて“わな”に…ね(´・ω・`)
楓はシュテルンビルトへとやってきていた。
安寿や村正からの着信が何件もあったが、ごめんねと心の内で謝りつつ、彼女は決意を固めてここへとやってきていた。
「お嬢ちゃん、迷子にでもなったのかい?」
あの男が話しかけてくる。
楓はどう話すべきか迷った挙句……
「私、バーナビーに会いたいんです!」
嘘ではない。バーナビーならばきっと自分の力になってくれると思ったから。
しかし、男は……アルバートは、楓がバーナビーのファンであると判断し、その頭をなでなでしてやる。
確かにそれも間違いではないが……
バーナビーは今忙しくてお願いを聞いてやることができないと言い、彼は去っていく。バーナビーも共に乗る車で……
ベンさんは事情を聞き、全てがマーベリックの仕業であろうことを知る。
「だけどそうなると気がかりなのは、バーナビーだな」
きっと彼も虎徹のことを忘れているだろうな……
アルバート本人か他の者かはわからないが、何らかのNEXT能力による記憶操作だと考えて間違いないだろう。
「どうすんだ、これから」
「とりあえず、俺が本物のワイルドタイガーだってことを思い出させてやりますよ」
「どうやって?」
「秘策があるんですよ」
「秘策?」
「あなたのお蔭です、ベンさん」
む?(´・ω・`)
アポロンメディアの屋上に鏑木虎徹らしき男が現れた。
彼は、自分が本物のワイルドタイガーだからと、ヒーロー全員を呼ぶように主張していた。
そして……その屋上に、ヒーロー達が颯爽と降り立つ。
ファイヤーエンブレム。
ロックバイソン。
ドラゴンキッド。
ブルーローズ。
スカイハイ。
折紙サイクロン。
彼らが見つめる先に、その男はいた。
「だいぶ揃ったみたいだな」
それならば、ワイルドに……
「吼えるか」
楓はテレビを観て、父がアポロンメディアの屋上にいることを知る。
バーナビーはニュースーツに身を包む。
怒りの炎に燃えたその瞳が、赤く妖しく光る……
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