もう既にかなりの数がやられてしまっている2年だが、雄二曰くこちらには秘密兵器があるとのことだった。
「……で、結局僕らなんだ」
とことで、今度は明久&美波ペアの番だった。
明らかに怯えていることが見え見えの美波であったが、強がろうとして……でもやっぱり怖い(´;ω;`)
「帰ろう…。アキ…」
いつもの美波も今回の肝試しとは違う意味で怖いのだが、今の彼女はそれと違っていた。明久はちょっとドキドキしてしまう……というところで、彼のすぐ横にペンが突き刺さる。
ずいぶんと直接的な仕掛けだこと……
「お姉さまを誑かすブタ野郎は排除しまーす……」
怖い……((((´;ω;`))))
「清水さん。今の君はどの妖怪よりも妖怪じみているよ」
明久と美波は逃げ、その後を美春と利光が追う。が、曲がり角を曲がった先には壁しかなかった。
ここではないのならばと他を探しに行く美春と利光。彼らが去ったところで、壁が……美波の召喚獣であるぬりかべが動く。
とりあえずは一安心。
「美波もそろそろ、日本のおばけに慣れないとね」
「いい。だったらウチはドイツで暮らすから」
「けど、そんなの寂しいよ」
「全然寂しくないわ。ドイツにだって友達はいるんだから」
いや、そういうことではない。
「美波がいなくて寂しいのは、僕達の方なんだけど」
あらやだ(*´・ω・`*)
これは調子のいい言葉というわけではなく、本当の気持なのだ。
「いつも一緒なのに、急に離れるなんて考えられないし」
いつも一緒……(*´・ω・`*)
美波は顔を真っ赤にして指をつんつん。
「じゃあ……ウチがずっと隣にいてあげるって言ったら?」
「ん? 僕の席はすきま風が吹いていつも寒いよ?」
「そうじゃなくてウチが訊きたいのは、」
「訊きたいのは?」
「つまり、す、す、す……!」
というところで、美波は気絶してしまう。
それもそのはず、明久の背後にはおばけだらけ。仕方あるまい(´-ω-`)
特に何をすることもなくリターンすることになった明久&美波ペア。しかし雄二は言う。
「よくやったな明久。作戦は成功だ」
スクリーンには、先ほど明久達が接触した美春&利光ペアが映し出されていた。
化物と化した美春は強く、利光とともに次なるチェックポイントを通過する。
化物には化物を。これが秘密兵器ということか(´・ω・`)
「あれ? でも清水さんが美波を探してるのはわかるけど、久保君はいったい……? あっ。久保君ってまさか、清水さんのことが……」
「明久よ。おぬしはなんと残酷な」
「久保が泣くぞ」
「ひどすぎる」
うむ(´・ω・`)
続いてが最終チェックポイント。そこで待っていたのは常夏コンビだった。
「今朝は油断しちまったが、ここから3年の実力をじっくり見せて……」
「すいません。ここに吉井君と島田さんは来ませんでしたか?」
来ませんでした(´・ω・`)
ともかく、バトルへ。互いに召喚獣をサモンする。
科目は物理。互いに400点越えの点数を誇る常夏コンビは、典型的な理系タイプであったか。
さすがの久保もそれには勝てず、常夏コンビWIN。
「そろそろ、私たちの番」
そう。まだ翔子と雄二のペアが残っている。
「しかし、翔子はともかく、俺の物理の点数はせいぜい150点だ。かなり厳しい勝負だな…」
せめてもう一組残っていれば……というところ、ムッツリーニはまだ残っていると言い、明久を指さす。
「僕!? 確かに僕は引き返しちゃったから失格じゃないけど、でも美波が……」
いんや、違う。
「そうか。明久よ、もう一人おるではないか。この場にいて失格になっていない者が」
「もう一人……?」
「あの…。私のことでしょうか?」
そうです。ようやくの出番です(´・ω・`)
しかし瑞希はおばけが苦手でもあり、無理をさせるわけにはいかないところだが…
「私、参加します!」
ふむ(´・ω・`)
「美波ちゃんを見て思ったんです。私も、頑張らなきゃって。 私、明久くんと一緒に、おばけ屋敷に入ります」
とことで入ったはいいが、やはり明久にしがみついてギリギリの様子な瑞希。
そんな彼女に、明久はまず言う。
「参加してくれて、ありがとう」
(*´・ω・`*)
明久は頼ってもらえるのが嬉しいことだと思っていた。
「かわいくて、頭が良くて、その上優しくて。まるでお姫様を守ってるみたいで」
それを聞いた瑞希は立ち止まってしまう。
「私、お姫様なんかじゃありません」
どんくさいし、やきもち焼きだし、すぐ倒れちゃうし。欠点ばかりだと言う瑞希は、それを気付いていない明久との距離を感じてしまう。
「明久くんは、私のこと……」
そこで急に真っ暗になり、明久は瑞希を見失う。
【第13問】
以下の状況を想像して質問に答えて下さい。
『あなたは大好きな彼と二人きりで旅行に行くことになりました。ところが、飛行機に乗っていざ出発、というところで忘れ物に気が付きます。さて、あなたは一体何を忘れてきたのでしょう?』
姫路瑞希の答え
『頭痛薬や胃薬などの医療品』
教師のコメント
これは『あなたが好きな人に何を求めているか』についてわかる心理テストです。忘れ物はあなたに欠けているものを表し、忘れても気が付かずに出発してしまったということは、一緒にいる彼がそれを補ってくれるとあなたが考えているからなのです。どうやら姫路さんは好きな人に安らぎを求めているようですね。
霧島翔子の答え
『手錠』
教師のコメント
忘れ物の前に、持って行こうとする時点で間違っています。
工藤愛子の答え
『下着を穿いていくこと』
教師のコメント
あなたは好きな人に何を求めているのですか。
ボクの場合はお金(´・ω・`)
当たりすぎワロタ(´・ω・`)
なるべく大声を出さないようにして瑞希を探す明久。立て続けに壁にぶつかっていたところでようやく手が差し伸べられ、
「良かった。大丈……ブサイク?」
「黙れ。そして手を離せ」
目の前には雄二がおり、彼らのペアは近くにはいなかった。
「今頃姫路は、翔子と合流してるだろうなぁ」
これは常夏コンビの策略だという。雄二も翔子もめったなことでは悲鳴をあげないため、ペアを入れ替えたのだろう。
しかし、翔子と瑞希であれば間違いなく最強ペア。悲鳴さえあげなければ結果オーライと言えよう。
「で、本音は?」
「翔子と二人でおばけ屋敷にいると、何故か釘バットで襲われた恐怖が甦るんだ…」
「あ。向こうの角に霧島さんが」
「明久バリア!!」
雄二の本音がよーくわかりましたね(´・ω・`)
間もなく、翔子と瑞希のペアを発見する。大声を出してはならないため、明久は慎重に瑞希のことを呼ぶが……怯える瑞希にはそれがホラーな声に聞こえてしまう。
迂闊に近付いては逆効果だと気付いた明久たちは、二人の後をついていくことに。
落武者が現れるも、瑞希は大声を出すのを我慢。
「瑞希。怖くない。怖くない」
立て続けにおばけが出てくるも、瑞希はやはり我慢。
「瑞希。いい子いい子」
うむ(´・ω・`)
「ま、お前は心配かもしれないが、姫路なりに努力してるんだろ」
雄二は言う。
「俺たちと距離が近い、助けあえる仲間になるためにな」
雄二はさっきの話を……
「姫路がよくこぼしていたからなぁ。自分は、みんなに助けられてばかりだって」
瑞希……(´・ω・`)
彼女はなおも我慢する。
「大丈夫。瑞希。怖くない」
だからそれを明久は陰で応援する。
「頑張れ。頑張れ姫路さん……」
翔子と瑞希は最終チェックポイントの常夏コンビのもとへと到達する。
クズの明久達の方が来ると考えていた彼らだが、そんな彼らの言葉に翔子はイラッ。
「雄二たちはクズじゃない。 クズじゃない……!」
それに対し、なおも明久と雄二のことをバカにする常夏コンビに……
「どうしてそんなひどいことを言うんですか!!」
その言葉で、既定の声量をオーバーしてしまう。
しかしもうそんなことはどうでもいい。瑞希は続ける。
「確かに、明久くんと坂本くんは、成績も良くないかもしれません。いろいろと問題を起こしちゃったかもしれません。でも、どうしてそれだけでそんなひどいことを言うんですか? 知らないくせに! 明久くんたちが、どれだけ優しいのかも知らないくせに!」
成績だけで人を見るべきではないのだから。
「明久くんたちは……クズでもカスでも……ありません!」
失格した二人は、悔しさを抱きながらも、その場を去っていく。
「だってさ雄二。僕らって優しいらしいよ」
「初耳だな。明久ほどじゃないにしろ、自分は立派なクズだと思ったんだが」
「僕も雄二ほどじゃないけど、ちょっとはダメ人間の自覚あったんだけど」
「ったく。姫路たちももったいないことするよな。せっかくの苦労が台無しじゃねぇか」
「だよね。こんな遊びでムキになることなんかないのに」
「じゃ、行くか明久」
「そうだね、雄二」
「「ここからは本気だクソヤロー」」
規定量を超えない程度での、ギリギリの本気(`・ω・´)
二人は常夏の前に現れる。
勝負の前に、罰ゲームを定める。勝った側の言うことを何でもきくというそれを。
そしてサモン。
400点越えの常夏コンビに対し、明久は73点、雄二は186点。
それを笑う常夏だが、ほざいてろ(´・ω・`)
明久と雄二はまずダッシュで後退。常夏はその後を追う。
しかしながら彼らは思いのほか足が遅く、明久と雄二の言葉に翻弄される。
それでも墓の背後に二人の影を見つけた常夏。声もそこから聞こえているため、常夏は狙いを定める……。しかし、そこで彼らの召喚獣は消える。それは物理のフィールドを超えたためであり、しかもそれだけではない。墓の背後には囮の制服とビデオカメラが仕掛けてあった。
「残念だったな。これは囮じゃ」
そこで長谷川先生から召喚許可が下り、新たなフィールドが生まれる。
「ここはもう数学のフィールドだ! あんたらの得意な物理では戦えないぜ!」
それでも常夏の得意科目は理数系。自信を持って召喚獣を召喚したのだが……
夏川52点、常村48点。
そう。今朝、美春と利光に削られたためである。
今更足掻いても遅いさね(´・ω・`)
「バカってのは面白いよな先輩。一つのことに夢中になると、とんでもない集中力を発揮しやがる。 空手バカとか柔道バカなんて言われる連中もいるが、それは物事に集中する奴っていう褒め言葉だ!」
要するに……
「このバカのスイッチが入ったってことだ!」
明久&雄二ペアが、常夏コンビを下す。
戦前の約束は守ってもらおう。勝った側の言うことを何でもきくというそれの願い。
「そんなの……決まってる」
夕方。
瑞希を探す明久は、翔子と遭遇する。
「瑞希なら屋上にいる。 早く行って」
うむ(´・ω・`)
「随分と気が利くな」
「別に。私は怖くても、一生懸命頑張る人が好きなだけ」
うむ(´・ω・`)
だから雄二のことだって……
「すごく……好き」
むふふ(*´ω`*)
屋上にて、明久は瑞希と会う。
「さっき、あの先輩達がここに来て、私に謝ってくれました。あれって、明久くんのお蔭…ですよね」
だからまた迷惑をかけてしまったと、瑞希は頭を下げる。そんな必要なんてないのに。
「確かに、姫路さんはお姫様じゃないね」
うむ(´・ω・`)
「先輩相手に、啖呵を切るような強いお姫様なんていないもん」
瑞希のその行為のお蔭で、明久も雄二も本気で頑張れたのだ。瑞希は自分の行為に胸を張るべきだろう。
ではそろそろ皆のところに行こうかというところ、瑞希は訊きたいことがあると言う。
「いつになったら、私のこと、瑞希って呼んでくれるんですか?」
「えー!?」
ボクはもう呼んでいます(´・ω・`)
誤魔化しはきかない。だから明久は正直に理由を述べる。
「前にうちで……、 その……、名前を呼ぶ練習を……」
やん(*´・ω・`*)
代わりに、瑞希も一つ秘密を打ち明ける。
「私の初恋って、まだ続いてるんです」
そしてほっぺにチュッ(*´・ω・`*)
間もなく、美波がやってきて勝手にいなくなった明久のことを責める。
「ウチの隣にずっといるって約束したでしょ?」
いやいや(´・ω・`)
さらに、雄二も逃げ駆けてくる。
「おばけ屋敷、一緒にゴールしなかったから、即結婚」
そっちのゴールインを目指すか(´・ω・`)
明久も雄二と同じようにして、瑞希と美波から逃げる。
そんな楽しそうな彼らの後に、皆もついていく。
利光の見切れっぷりが怖いぜ(´・ω・`)
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