電話やメールが届いた時には当たり前のそれ。潤は携帯を手にとり普通に操作するが、八千代は驚いたようで潤のことを文明人と評する。
八千代は機械に弱くて携帯を持っていないという。仕事で使う機械も覚えるのに苦労したとのことで、敢えて無理に携帯を使う必要もないだろう。でもあれば便利なもの。八千代も興味がないことはないようだが……
とことで、博臣が潤に一緒に買いに行ってあげなよと提案する。そんな博臣に紙コップを投げつつ、潤は休憩時間に近くのショップに連れてく旨を伝える。
「でもあの、携帯って……」
今では様々な機能がついてはいるものの、電話なのだから最低限の機能は家の電話が使えるのであれば問題ないだろう。だから心配することなんて何も……
「襲って来ない?」
「……そこまで科学は進歩してねーよ」
とことで、二人は近くのショップへとやってくる。
店員も苦手だという八千代に代わって、潤が店員に用件を伝える。
八千代は落ち着きなく、潤の服をきゅっと摘む。
「……チッ」
店員さんの気持ちはわからなくない(´・ω・`)
ともかく、椅子に座って詳しい話をする。
八千代のため、選ぶ携帯のタイプは操作が容易なもの。その条件のもとに提案された機種に即決し、次は料金プランの話となる。
「……ラブいプラン入られます?」
「いらん。安いやつ」
とことで、お得なサービスプランも決まる。
『やっぱり店員さん苦手。なんだか、じーっと見られてる気がするのよね…』
主に、きびだんごではないお腰に付けたものが原因ですけどね(´・ω・`)
「彼女さん、居合の達人とかですか?」
「彼女じゃねぇっつってんだろ」
無事携帯の契約も完了し、二人は店を去っていく。
店では二人を担当していた店員とその後輩が残される。
後輩の方はかわいいカップルでしたねと言うが、それに対して先輩店員は……
「滅びろ」
同意(´・ω・`)
車内。
八千代の使う番号を入れてやろうと、店長の番号を訊く潤であったが、
「佐藤くんの……入れて?」
……数刻停止(´・ω・`)
「ああ。店長の番号は暗記してるというわけか。畜生…」
ともかく、最低限のことはおこなった。潤はメールについてはぽぷらに訊くようにと言うも、八千代はそのメールについても知らない。だから、携帯で出せる手紙みたいなやつだと説明すると、
「佐藤くんにしてもいい?」
……数刻停止(´・ω・`)
どうせいつも話しているように杏子の話題ばかりになるんだろうなーと思いながらも、
「勝手にしろ」
さて、店に戻ろうさね(´・ω・`)
ワグナリアには梢がやってきていて、また振られたということをまひるに愚痴っていた。
「凶暴な女は嫌だって。悔しいからジャーマン・スープレックスかましてきたよ!」
『凶暴です、梢さん…』
まひるも認定(´・ω・`)
梢はまひるに抱きつき彼女の胸で泣く。
「……寂しい」
「どうせ私の胸は寂しいもん!」
違う違う(´・ω・`)
二人が騒がしくしているところを宗太が注意したところで、陽平が店にやってくる。
お手伝いにやってきたようだが、今は暇。客でもない客が一人いるだけだから。
そんな彼女のことを、陽平は美人だと言う。すると……
「呼んだー!?」
呼んでません(´・ω・`)
梢がやってきて陽平を脱がせ自分も脱ぎ……
「交際を前提に結婚して下さい!」
せめて逆にして下さい(´・ω・`)
「あの…………結納はいつごろ?」
ヲイ(´・ω・`)
改め、陽平は無職だから結婚は無理だと言う。梢は自分が養うと言うものの、陽平は好きな女は自分で守りたいから無理だと頑として主張。
宗太は陽平が技をかけられる前に逃がしてやる。
が、梢は自分のことをちゃんと考えて振ってくれたとのことで喜んでいるようだった。
「宗太ぁ。姉さん頑張るから」
「頑張るな!」
裏の方に行くと、そこには美月も来ていた。
博臣に頼まれてたものがあったからとのことで、その写真を見せてもらう。そこに写っていたのはちっちゃい八千代。
「何に使うんですか?」
「いやぁ。これがあれば安心だ」
「…何に使うんですか?」
ちゃんと訊いておかないとね(´・ω・`)
それにしても八千代は可愛いと、美月はこれまでのことを思い出す。
ヤンキーである自分たちにも分け隔てなく優しく気が利いて、いつも笑顔で人懐っこい。
「そんなお嬢なのに……なんで同世代の友達がいなかったんだ!」
「ヤンキー連れて刀持ってたら、できるもんもできませんよ」
でもいいと美月は言う。
「むしろ他の一般人とつるむなんてとんでもないです! 高嶺の花ですから、姐さん以外の人間が呼び捨てなんてしようものなら、殺s…!」
「そうだ、八千代」
「なぁに、佐藤くん」
二人帰ってきましたー(´・ω・`)
美月の邪悪オーラを察した潤は、
「ところで轟さん。今日は天気がいいですね」
賢明だ(´・ω・`)
美月はこんな金髪に名前を呼ばせるなんてダメだと言う。
「ただのヤンキーじゃないですか!」
「元ヤンがそれを言うか」
潤のことを悪く言う美月に、八千代は反論する。
「確かに佐藤くんは、ヤンキーっぽくて変わった髪型だけど」
「髪型のことは言ってなくね?」
「私の初めてできたお友達なの。大事な大事なお友達なのよ」
お友達……(´・ω・`)
潤の頭にグサリと刺さる。
美月は男女の友情は成立しないものだと八千代に言い聞かせようとする。どうせ男は女を食っちまおうと思っているのだと。
……八千代が想像する意味とは違うよ、もちろん(´・ω・`)
まあそんなこんなで美月は八千代を連れてこの場を離脱。杏子のところへ相談に行く。
潤が八千代のことを呼び捨てにしていたことについて、杏子は別にいいのではないかと言う。しかし、潤が八千代を食べちゃうと美月が言っていたから……って、杏子の想像も八千代のと同じようで(´・ω・`)
八千代はぽぷらが登録してくれている間にちょこっと説明書を読むが、やはりまだまだ大変なよう。でも使えるようになったらいつでも潤に杏子の話をできるようになるのだから、頑張らなくては。
そう意気込む八千代を、まひるは羨ましく思う。自分も宗太とメールできたら……と。
テーブルの灰皿取り換えを忘れていたと、宗太は山田に注意する。
これは前に注意したことでもあったため、何度も言わすな、注意されたことはメモしておけと釘を刺す。それに対して山田は、宗太が同じことを注意していることを指摘し、注意したことはメモしておくべきなんて言ってくる。
ぽぷらがなんとかストップに入ったものの、宗太の怒りもごもっとも(´・ω・`)
アレで同じ給料貰ってるかと思うと腹が立つものの、辛うじての救いは山田が研修中であること。それにより若干の時給差はあるのだ。
「30円くらい」
たったそれだけの差……(´・ω・`)
山田も宗太に対して憤っていた。
「山田ばっかり叱って、テキパキ働いて、メガネで、細かいとこまで気を配って、仕事が速くて、もーう結婚してほしいですよ!」
褒めてます(´・ω・`)
宗太はどうして自分に厳しいのか、山田は訊いてみる。が、宗太は厳しくしているつもりはない。ちゃんと自立できるようにならないとと考えているのだ。
そんな彼に、山田は頑張ることを宣言する。
「明日から頑張る!」
「そういう奴はずっと頑張らない」
ですよねー(´・ω・`)
怒りすぎて疲れた宗太は、ワンこの本で癒されることに。
そんな休憩室の外。美月と陽平が、八千代が安全に働ける職場か調べようと密かに覗いていた。その傍らには梢も付随(´・ω・`)
陽平は姐さんが雇った人達なのだから心配いらないだろうと皆を信頼しているようであったが、妹分を想う姉心はわからなくもないと梢が美月をフォローする。
とことで、とりあえず覗くことに。
「ちなみに、今あそこにいるうちの弟は安心。12歳以下と小動物にしか興味のない変態よ。まったく心配いらないわ!」
それを安心と言っていいものか。かなり心配なのだが……(´・ω・`)
宗太を安心と言う一方、梢はキッチンの二人が危ないと言う。
博臣は一見好青年だがドSだろう。潤は女慣れしてそうだけど、ああいうのに限って純情で同僚の子を一途に想ってたりする。
さすが、梢は鋭いッス(´・ω・`)
そんなところで、問題の八千代が現れ注目なところ。続いて博臣が現れる。
今日はずっと一緒の休憩時間が待ち遠しかったと言う八千代に、美月は動揺が隠せず、梢は目を輝かせる……が。
「約束してた杏子さんの写真ちょうだい」
あらん(´・ω・`)
写真をあげた代わりとして、博臣は八千代の写真を撮らせてもらう。なるほど、うまく回ってますな(´・ω・`)
ぼーっとしている山田に、気付いたらコーヒーとお冷を注いでくるように言う宗太。しかし彼女はなかなか動かず、その頭をぐりぐり。
でも今、山田はメモ帳に一生懸命……
「一生懸命落書きか!」
宗太は山田の話を聞かず、仕事に戻ってしまう。
その対応を受け、
「山田、家出する!」
と、山田はメモ帳を放って走り去ってしまう。
休憩室に潤がやってくる。
八千代はすやすやとお休み中……であることを察した彼は、八千代が風邪をひかないようそっとタオルをかけてやる。
「佐藤くん……」
そんな八千代の寝言にむせたり。
だけど……
「杏子さんが……杏子さんで……杏子さんの杏子さんに、杏子さんは杏子さんは杏子さんは――」
『頑張れ。夢の中の俺』
しばらく様子を見たところで、美月は今のところ問題なしと判断する。
梢は潤が間違いなく八千代に惚れていることを察しているのだが、言わない。
ともかく、これだけ見たのだからもういいだろうと……そんなところで、杏子に見つかってしまう。
山田が一時間も帰って来ない。
それを心配するまひるやぽぷらだが、宗太は気にしない。仕事中に落書きをしていたからと、そのメモ帳を手にとってみると……
そこには、宗太に注意されたことがメモ書きされてあった。
それに気付いた宗太はすぐに走りだす。
「山田!」
裏口を開けたところ、そこで山田はすんすんと泣いていた。
「遅いじゃないですか!」
もう追いかけてこないと思ったと……山田は宗太の胸で泣く。
「悪かったよ。山田」
「たかなしさんのカバー!」
今だけは好きに言わせてあげてもいいだろう。
「バカー! アホー! 間抜けー! オカマ、女装、変態、ロリコン、小鳥ちゃん…」
「それ以上言うとさすがに怒るぞ」
まあともかく、山田は復帰した。
ちょいと横の方に目を向けてみると、梢達3人が正座させられていた。
「ずっと休憩室を覗いていたんだよ」
どうしてそんなことをしていたのか、知らない人にとっては気になるところだろうが、
「まあいいじゃない。やましいことは何もしてないんだし。ね、佐藤くん」
潤は頭を抱える……(´・ω・`)
山田のことを頭ごなしに怒りすぎたことを反省する宗太。
もっと長い目で見てやろうと考えつつ、彼女のメモ帳を改めてチェックすると……
『たかなしさんの アホ メガネ ことり――』
山田を見かけた宗太は、無言で彼女を追う……
自宅での風呂上がり。
潤の携帯にメールが届いていた。
『きょーこさん きょうも かっこよかった』
慣れてないから助かった(´・ω・`)
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