全てを見透かしているようにも見える的場。彼に見つかるというのは実に気味の悪いもので、ニャンコ先生も心配なところだ。
夏目が消えたとカッパに聞かされるヒノエ。東方の猿面や祓い屋の別邸等の話から、それに関連しているであろうことを悟る。
そんなところで、つるつると牛が東方の猿面の人質とされてヒノエとカッパの前にやってくる。
彼らの要求は、夏目はどこにいるのか、仲間を返せというもの。しかし、ヒノエにしてみればそれは逆の要求に思えるもので……祓い屋と結託して仲間をさらっていったと主張する猿面の話から今の状況をなんとなく掴む。
「ま。そいつらを助けてやる義理はないけど、夏目が誤解されてるのは気に食わないね」
中級妖怪に人質としての価値はないようです(´・ω・`)
とにかく、夏目は祓い屋ごときと結託しないし、妖をさらったりなどしない。
それはヒノエだけでなく三篠も同意見のようで、彼が今腹が減っていると脅したらば猿面の者たちは慌てて去っていく。
東方の猿面の一団と言えば、六花という名のある妖が率いていたはず。それが人の子を連れ去るなんて思えず……それでも今後の判断は迷うものではあるまい。ヒノエは三篠に乗せてもらう。
本当に夏目のことを思うのなら、友人帳を取りあげて人の世だけに生きられるようにしてやればいいと三篠は言う。
それもごもっともな意見とも思えるのだが、
「夏目はそんなことは望まない」
人の心は難しいものさね(´・ω・`)
的場の向かいに座り、夏目は茶を勧められる。
茶柱が立っていても今は縁起の良さなんて微塵も感じられない。
「それより、要件は何ですか?」
以前も言った通り、的場は夏目に興味を抱いている。
「的場一門に入りませんか? 夏目貴志くん」
なんと!(´・ω・`)
前に夏目に会って以降、的場は夏目のことをいろいろと調べたのだという。
ご両親が亡くなってから親戚筋を転々とさせられたこと。一度は施設に預けられたが、夏目の言動に怖がった子供がいたせいですぐに出るようになったこと。
「さぞ大変だったでしょうね。自分は見えているのに他人には見えない。その中で生きていくのは」
的場のところに入ればそんな心配はなくなる。
皆理解者で、夏目はその中では普通の人間でいられるのだ。
そんな甘言に夏目は…
「お断りします」
乗るわけがない。
「辛い時があったのは事実です。でも、心優しい人にもたくさん出会いました」
「たとえば、今お世話になっている藤原夫妻ですか?」
ドキリンコ。
「しかし、本当に君のすべてを知り、受け入れてくれているのですか? 君が人に見えないものが見えることを、二人は…」
「あなたには関係のないことだ!」
アプローチの仕方が狡いものだ。
夏目自身が逃げるような形でこちらの世界に来させようというよりもむしろ、このままでは藤原夫妻のためにならないのではないか…そんなことを思わせるような気が感じられる。
夏目は話を切って帰ろうとするも、まだ話は終わっていないと的場。
「何故妖怪に肩入れするのです? 彼らは人を惑わし裏切る。あなたも経験あるでしょう。それも、一度や二度じゃないはずだ」
それもまた事実。
「でも、それだけじゃない…。そうじゃない妖にも…」
「たくさん出会えた、…ですか?」
それはさっき言っていた“人”への考えと同じ。
「もしかして、君は人と妖怪が同じとでも言うんですか?」
なんて、的場が夏目に迫っていると……
「夏目!」
ニャンコ先生こと斑が助けに来てくれました(´・ω・`)
ちょうどその頃、ヒノエと三篠も夏目たちがいる森へと迫っていた。
斑は殺気をむき出しにして的場と対峙する。
尻尾には夏目のバッグがかけられており、もうここに留まっている必要もない。夏目を促してこの場を去ろうとした斑であったが、一瞬の隙を突かれて札を投げられ、ニャンコ先生の姿へと戻されてしまう。
「君は危険ですね。すっかり妖怪に心を奪われてしまっている。目を覚ましなさい」
そう言って、的場はナイフを手にしてニャンコ先生に迫ろうとする。
この妖怪が傍にいるのは何らかの利益があるからであって、夏目のことが好きなわけでも愛情を感じているわけでもないと言い……
それでも夏目は譲らない。その意思を瞳に込めて真っすぐ的場を見る。
「…牢に放り込んでおけ」
七瀬が指揮する狩りも佳境に入っていた。
猿面もお頭様を守ろうと頑張るものの、お札効果もありあっという間に追い込まれてしまう。
「我らはお前らの主・六花を捕えるまで、この森から離れるつもりはない」
的場一門がこの森とお頭に拘る理由は簡単。この森が六花という妖怪により平和に治められているからで、当主がそれだけの力を持つ妖怪に興味があったから。
そんな説明をしていたところで、ヒノエと三篠が到着する。
「我が主・夏目殿はどこにいる?」
一戦交えてもいいのだよ、ムフフのフ(´・ω・`)
夜。
七瀬は肩を落としてトボトボ歩く的場の式とともに山を降りていく。
とりあえずは良い状況に転び、東方の猿面もこのことについてはヒノエたちに礼を言う。
「それで? 六花というのはどこにいるんだい?」
安全なところに隠れておられるとのことで、それに対しヒノエは薄情だと言う。
確かに、猿面に友人帳を取りに行かせて自身はひっそりと身を潜めているのであればそれも納得。だが、彼は眠っておられるとのことで……でもじゃあ友人帳奪取の判断はどういうものか、よくわからない。六花に会ってみるしかないか。
ニャンコ先生は腹が減ってかつ退屈でゴロゴロ転がる。
「的場のガキめ、返り討ちにしてやるつもりだったのに」
「のびていたくせに」
「なにーっ! だいたい用心棒を庇う奴があるか!」
「庇ったのは友人帳。先生はついでで…」
「なにーっ!」
二人のなごむやり取りに水を差すわけではないが、ツボに囚われた猿面も夏目が友人帳を所持することに疑問を投げかける。
「こんな小物にまでつっこまれるとはな。だから言ってるだろ。私に渡せと」
「白豚に渡して何になる。お頭に渡せぃ」
「何だとー! お前など手紙を詰めて大海原に放りだしてやる!」
そんなところで、外から猿面がアプローチ。
彼らはまだ夏目が仲間をツボに閉じ込めたと思っているようで、槍で夏目を牽制しつつその間にバッグを取って友人帳を奪おうとする。そこへ……
「待て! そこに友人帳はない。私が確かめた」
と、ツボの猿面。
間もなく見回りがやってきたために外の猿面らは一度去ることに。
「気になって来てみれば…、どうやら君は妖怪を手なずける力があるようだ」
まさか的場が自ら来るとは。
手引きをしたというわけではないのだが、的場はツボの猿面に罰を与え何かを唱える。
それを見せしめにする的場にやめるよう懇願する夏目だが聞いてもらえず、式に突き飛ばされてしまう。
「やれやれ」
とことで、ニャンコ先生が光を放ってその式を消す。
「そろそろ本気で黙らせてやってもいいんだぞ、夏目」
ふむ(´・ω・`)
今度は的場の札を食らわず、それを光で浄化する間に牢から逃げ出すことに成功する。
「助かったよ、先生」
「友人帳を守ったついでだ」
言い換えるならば、友人帳を守ったお礼といったところか。
「ありがとう。仲間に、友人帳のことを黙っていてくれて」
ツボの猿面は、それでも人にとっての妖の存在価値がわからないでいた。
人にとっては霞のような妖を守って何になると。
「仕方ないだろ。勝手に…体が動いてしまうんだ」
ふむ……(´・ω・`)
「本当に…大事なものなんだ」
簡単な封印であるため仲間に解いてもらうんだと言い、ツボの猿面を逃がしてやる。
別れ際、最後になってツボの猿面はようやくわかったことがあるようだった。
「お前の言うとおりかもしれん。友人帳を奪って持って帰れば、お頭は悲しい顔をなさるかもしれん」
もし本当にそんなお頭であるのならば、安心して今後を任せることができるだろう。
そんなところで、夏目は別の猿面に見つかってしまう。
彼らは夏目のことを未だ敵対視しており、友人帳を無理やりにも奪おうとする。その流れで夏目は小さな崖下に落ちてしまい、多くの猿面に追い詰められてしまう。
人間のことを忌むべき対象としか見ていない彼らに、それは違うということを伝えてやりたい。しかしそんな余裕もなく……
夏目は斑に助けられるから大丈夫なのだが、それは猿面の意識改革にはつながらない。
最悪な形、猿面と敵対関係になってしまうような緊迫した空気が流れる。
そんなところで三篠が現れ、その上にはお頭様が乗っていた。
「こ奴らの無礼を許していただきたい」
この東方の森を治める六花がそう言う。
六花は的場が森のあちこちを封印したことで力を奪われ、森の奥で猿面に守られながら眠りについていたという。
それで不安を感じた猿面の皆が、友人帳を求めたのであろう。
夏目達がここに来たお陰で僅かに結界が解け、六花はこうして目覚めることができた。そもそも思ってなどいなかったことだが、友人帳を奪おうことなどもはやあり得ない。
そんなこんなで話がまとまりかけたところで、中級妖怪やヒノエが喧嘩上等とばかりに現れ話をこじれさせようとする。
まったくもう(´・ω・`)
とにかく、問題解決。夏目たちは去っていく。
猿面たちは、友人帳ではないにしても森を戻すために力を貸してもらうよう進言するが、
「もう充分力は貸してもらっている。気付かぬか?」
と、六花。
森の中のお札が次々に散っていく……
「まったく、我が主はなかなか我が名を呼ばなくて困る」
と、三篠。
それならば友人帳をいい加減手放せばいいのにと言うが、夏目に代わって名を返してあげるような者でなければ。
「私が、もらう約束だぞ」
はいはい(´・ω・`)
七瀬は格が違うことを的場に報告。
的場は六花を確認したうえで、使える者はもうこの森にはいないかもしれないとしてこの地を放棄する選択肢を選ぶ。
でもまだこれから、彼は障害になることだろう……
「んじゃ8時に集合な。遅れるなよ」
放課後、夜の予定の確認をして西村たちと別れる。
貧血で学校を休むことに関して西村に注意され、
「鉄分鉄分、レバー、レバー」
なんて口ずさみながら一人帰路についていると、夏目の前に猿面が現れる。
一つ言い忘れたことがあったとのことで、それを言いに来たようだった。
「悪かったな。学校とかいうお前の仲間の前で、妙な行動を取らせた」
人と妖。種が違うものであるかもしれないが、彼らにとっての“仲間”という概念は例外なく同じであるはずだから…
夏目の場合は、種の隔たりもなくそう呼べる相手だっている。
「お前には、友人帳を使わなくても動いてくれる妖がいるのだな」
「ああ。友人なんだ」
『いつか、話せるだろうか。 この気持ちを』
夜。
夏目は星見に出かける。
「絶対約束よ。遅くなる時は、絶対連絡すること!」
うむ(´・ω・`)
「はい。指きり」
うむん(*´・ω・`*)
『この、もどかしい嬉しさを』
滋さんが昔使っていたというセーターも着させてもらい、夏目は肉体的にも精神的にも温かくしてもらい、いざ星見へ。
『眩暈がするほど 温かい日々。
目を逸らさず そろそろちゃんと知るべきなのかもしれない。
友人帳を守っていくと 決めたのだから。
聞こえるもの 目に映るものを受け止めて 生きていこうと決めたのだから』
この記事へのコメント
あるるかん
三篠は沼守らしいですが、もしかしたら土地神様として信仰を集めているかもしれません。信仰など人々の思いが妖怪を強くするらしいですから。ヒノエも上級の妖でかなりの妖術遣いなので、七瀬が撤退したのは正解です。従えていた式や七瀬ではヒノエと三篠には敵いませんから。
的場の眼帯は契約を守らなかった証で、そのせいでまともな妖や三篠のような大物と契約ができないんですよ。だから的場は呪術で作り出した式や弱味を握ったり呪術で無理矢理従わせるしかないし、恒久的に強い式不足に悩まされているわけです。
猿面を圧倒できたのは、的場の術の支援があるからでしょう。
的場の揺さぶるような言い回しは半ば強いられている部分もあると思います。
最近では、的場静司が赤いの弓兵と重なって見えることがあります、シビアな現実主義だったり中の人が同じな辺りが(笑)。
「鉄分♪鉄分♪レバー♪」の鼻唄は、アドリブらしいですね。
本隆侍照久
原作はわかりませんが今回も無事に済み最後も綺麗な形でまとめていたので私も満足です。
ヒノエと三篠は違うタイプの強さがありそうでいいコンビっぽそうですね。今回は牽制する形でその強さを発揮したわけですが、いつかは直接的な強さも見てみたいものです(´・ω・`)
的場さんの使う式が地味なのはそんなわけがあったんですね。彼自身は底が見えない不気味さを感じるものですが、式がうまいこと和ませてくれていますね。前回牢屋に閉じ込められたのとかがまさにそれで、それはそれでいいのですが(´・ω・`)
(あるとしたら)的場がどんな最期を迎えるか、それ次第で彼の印象は変わりそうですね。それこそ実は隠された記憶を持っていたりとか……は、まあないでしょうけど(´・ω・`)
鉄分&レバーは聴いていてアドリブだろうなーと感じました。昔の夏目であったらあんなことを口ずさまなかった…今だからこそあんな振る舞いをできるのだと感じられ、そこから今の彼の幸せを実感できますね。実にいい鼻歌だったと思います!(`・ω・´)