狙いは供奉院の孫・亞里沙を助け出すこと。上海最大の財閥が彼女を見初め、引き換えにアジア連合諸国に渡りをつけてくれるとのこと。要は政略結婚に使える、とのことで供奉院の依頼である。
脱出ルートは大雲が確保するということで、36時間後にまた会うことを約束し、アルゴは降下していく……
短い間に随分と変わってしまった東京。
その街の光景を横目にアルゴが歩いていると、何やら騒ぎの音が聞こえそちらに向かうことに。
そこでは、学生らによるワクチンの奪い合いがおこなわれていた。
ただの争いだったらまだ良かったのかもしれないが、その奪い合いにはヴォイドが使用されていた。
“桜満会長”というワードが出てきたことで僅かながらに状況を把握するアルゴ。弱き者がやられようとしたところで、
「そこまでだぜ。坊ちゃんたち」
彼は姿を現す。
アルゴが葬儀社のメンバーであることはエンブレムからすぐに察しがつき、彼は学園に案内されることに。
そして、そこで頭を張っているのが集であることを知る。
親衛隊に案内され、そこで姿を現した集は以前アルゴが見た彼とはまったく違っていた。
「おい。集!」
アルゴが声をかけたらば、緩やかに反応する集。
アルゴは物々しいことをやっていることに言及するが……これまでの事情を知らぬ以上あまり突っ込むわけにもいかないか。だから彼は任務だけを着実にこなそうと考えてか、亞里沙はどこにいるのかと訊く。
だが、集の予定がおしているとのことで、そのことについては移動しながら話をすることに。
東京封鎖の混乱により放棄された軍の輸送船にワクチンや武器弾薬が眠っているため、それを漁る作業がおこなわれていた。
その作業員として使わされるのは低ランクの者達であり、アルゴはその者達が既にウイルス感染の症状を発症していることに気付き驚く。親衛隊は特に大きなリアクションをとらず、ちゃんと働けばステージ2にいく前にワクチンを投与してもらえると言うのみ。
そんな中、ポンプの一つが異常を発する。それに繋がっているのは颯太で、皆は予備のポンプを緊急的に使おうとする。
しかし、集はそれに待ったをかけ、潜水服に付いている緊急用小型ボンベを使えば脱出できるはずだと言う。
それはヘルメットにスイッチがあるのだが、自分で気付かなければダメだとも言って。
「Fランクの人間に、おいそれと資源は浪費できない」
そんな集に皆からは非難の声があがるものの、集さえいなければ全て終わるという谷尋の言葉により、皆は何も出来ず。しかしアルゴはその限りではない。集のくせに偉そうに命令するなとはごもっとも。彼の判断でポンプが操作される。
集はアルゴにヴォイドを突きつけ、東京脱出のため命令を聞くようにと言う。
皆にやっているのは差別ではなく区別だと言い、優秀なヴォイドを持っている亞里沙も渡せないと。
「僕に服従を誓ってください。さもなくば……」
アルゴは集に従うつもりはない。前の彼ならばまだ良かったかもしれないが、今の彼ならばなおさら。とことで、拘束されることに。
「いのり。お前、今度はすっかり集の言いなりなのか?」
「違う。私が選んだの」
それは全てのことで言えよう。否応なしにしても、抵抗するよりはマシということで選択肢を選んでいるとも言えるのだから。
集のくせに調子こいているとあって、牢屋に閉じ込められたアルゴは怒りを露わにする。
そんなところへふゅーねるがやってきて、
『女の子が一人亡くなったの』
ツグミが事情を説明する。
アルゴが捕まったことを聞いた綾瀬についても説明。
誰もいなかったところで集にビンタをしたため何も処分はなかったが、誰かがいればSランクの綾瀬でも処分しなければならなかったと集は言っていたという。
端的に言えば恐怖で従っている皆。ヴォイドによるヴォイドのための王国はうまくいくのだろうか……。
集はヴォイドを集めている。
そんな彼に対して厳しい母親の愛を見せるのは春夏。クロスの意思を継ぐものとして必要なことをしているだけと言うが……ふむ……(´・ω・`)
亞里沙は葬儀社メンバーが囚われたと聞き、話をしに出ようとする。
しかし彼女の動向は今制限されており、見張りがついているのだが……彼女はその者にナイフを突きつける。
「供奉院を見くびらないで」
花音は谷尋に訊く。祭が死んだのは本当に新型の兵器によるものなのかと。
そう聞かされていたのだが、彼女の死にはヴォイドが関連しているのではないかという噂が流れていて、花音はそのことについて訊こうとしていた。
谷尋にしてみればそんなことを流されては統制できないとあって、迂闊なことは言わないようにと、そんなデマを言う奴がいたら知らせろといい去っていく。
皆変わっていき、どうしていいかわからない花音は涙を流す……
集はいのりんと共に。
皆を無事に東京から脱出させるために覇道を歩んでいた。
「いのりがいればいい。いのりさえいてくれれば…」
「いいの? 私で」
もちろん(*´・ω・`*)
そんなところで、アルゴが脱出したという報告が入る。
ふゅーねる経由でそれを手引きしたのはツグミ。亞里沙は寮にいるという情報を伝えるのだが、イレギュラーが起こってそうもいかなくなっていた。
でも集たちにとってもこれは二重の問題。脱出したアルゴと亞里沙の捜索に尽力すべく、彼らは一丸となって動き出す。
まず見つかったのはアルゴ。
親衛隊の悲鳴を聞きつけた集は、ヴォイドの保証付きでアルゴの前に出る。
「そんなもん着て涯ぶってるつもりかもしれねぇけど、やっぱ全然及んでねぇんだよ、この偽物が!」
ごもっとも(´・ω・`)
アルゴはタイマンを仕掛け、気付いたら集を押し倒していた。
ですよねー(´・ω・`)
必死でもがいていた頃の集とは変わってしまい、アルゴはそれを責めようとするが……
「じゃああなたがやってみてくださいよ」
集も望んでこの地位になったわけでもない。
そりゃあどこか調子に乗ってしまいその報いを受けたと判断せざるを得ない要素があるとしても、それでも彼の立場は酷なものなのだ。
仮に今のようなランク制を導入していなかったとして、それで皆が納得するような最後が迎えられるかどうか。たとえば祭のような優しい者であったらばそれを受け入れられるであろうが、そんな者はほとんどいないのだ。だから……
「集から離れろ!」
谷尋がやってくる。
何だかんだで甘い集とは違い、彼は降伏しなければ間違いなく撃つであろう。それを悟ったアルゴは抵抗をやめる。
そんなところで、先に集が投げたヴォイドにより鉄骨が落下。その先にいた親衛隊を集はなんとか助ける。
代わりに犠牲になったのはヴォイド……だが、それでもダメなのだ。
親衛隊の女性は結晶化。そのまま砕け消え去っていく……
谷尋はすぐに全親衛隊員に体育館を包囲するよう告げる。
この様子を密かに見ていた亞里沙は、先に見た光景に驚きながらこの場を去る。
集は知らなかった。祭がこうなってしまったのに気付いた時、彼女はもうほとんど結晶化が進んでいたから。
でも谷尋はその一部始終を見て知っていたはず。なのに、彼はそれをひた隠しにし、ゲノム兵器によるものだと嘘をついていたのだ。
集は谷尋が嘘をついていたことを知った。そしてこのやり方では、死の危険と隣り合わせであることにも気付くが……
「もう後戻りはできない」
谷尋は集にさらに酷なことを要求する。
引き返すとしたら最後のチャンスか。アルゴの方はもうヴォイドを使わないよう集に言う。
その結果集が下した判断は……
アルゴからヴォイドを取り出し、それを壊せばアルゴが死ぬということに不気味な笑いを見せる……
亞里沙は先に知ったことを皆に知らせようと、放送の準備をしていた。
そんなところへ……
「見ぃつけた」
いのりんがやってきて……――!
任務失敗。
約束は果たされず、供奉院は渡りがつけられることはなくなった。
最後に友人の好として忠告を貰い、太平洋が騒がしくなっていることを知る。
何が起きようとしているか……
この記事へのコメント
あるるかん
アルゴの言い分わかりますが、あの状況下では集の方針を一概に否定できないような気がします。今回のアルゴと集のやり取りは、1クールで葬儀社と集のやり取りを逆転させた印象でした。
今の集からは狂気も感じられますが、絶望してからシビアで冷酷さを持つようになったことは、赤い弓兵さんっぽいですね。
最後のいのりの黒化とヤンデレっぷりは、見ていてゾクゾクしましたよ(笑)。(口元だけだけど)表情の変化もありましたし、やっぱり原型が真名であれば、ああいう集への偏執的な執着や集以外に見せる残忍さを持っても、ある意味当然なのかも知れませんね。
本隆侍照久
前回の集はその場の感情のみで大事なことを決定しているように感じられあまりよく感じられませんでしたが、今回を見たらまずまず納得できましたね。それよりも谷尋が……(´・ω・`)
アルゴも正しいことを言っているだけに、集が谷尋の言い分に従う形になったのにはしょんぼりです(´・ω・`)
いのりんへのゾクゾクは理解できます。恐怖とはちょっと違う形で……ね(*´・ω・`*)
ただ単に今の集に従っているのであれば(状況的に仕方ないとはいえ)残念なところではあるのですが、何か裏があるということを示されたらば印象は大きく変わりますね。
最後にチラリと見れた上裸……な男の正体等、今後も目が離せません(`・ω・´)
あるるかん
あと集のお母様のあのバイザーは何でしょうね?もしかしたら、彼女を精神支配するための機器かとも考えてしまいました。
颯太については、個人的には同情できませんでした。たしかに彼のランクではワクチンを投与してもらえない可能性もありました。それで反発するのも仕方ないでしょう。
しかしながら祭を失うことになったとは、大きな痛手でしたね。生物・非生物問わず直す彼女は、あの状況下では集に次ぐ重要人物でした、冷たい言い方ですが、颯太たちの命を何人も会わせても及ばないかもしれません。招いた結果が最悪でしたね。
あと、綾瀬よりお気に入りだった祭を死なせたことは、万死に値します!!
本隆侍照久
集も今は谷尋に操られている形にはなっていますが、いつかはきっとそれからも離れる時がくるでしょうね。その時に谷尋はどういう扱いになるか注目です。
集のママンはどういう考えで行動しているのか、正直全然見えませんね。支配されてるというよりも一応は何か考えがあるようなので、我が子を想うその部分を信じたいところです……(´・ω・`)
颯太たちの勝手な行動がきっかけで悲劇を生んだという意味で、祭を死に追いやった面では彼に同情の余地はないかもしれませんね。
しかしそれを抜きにした場合、ヴォイドのランクは努力に依るものではないので、颯太らがああいった扱いを受けなければならないのは見ていて辛いとこです。単純に働く人と働かない人とで区別できれば問題なく感じるのですが、そういうわけにはいかないだけに苦しくもあります。それを実行せざるを得ない集についても。
ですから、悪いのは全てGHQ……そういった考えを強く持って臨むべきかもですね(´・ω・`)
黒辻さんは俺の御主人様
前回八尋がヴォイドランク制を提案したとき集は「そんなの良くないよ」と言ったのに対して綾瀬は「レッドライン迫ってるし悠長なこと言ってられない」、つぐみも「同情は毒にしかならない。君、人に嫌われたくないだけなんじゃないの」とか言ってたのに
いざ導入してみたら
「どういうつもりよ」だの「これがこの学園の現状だよ…」だの何というひどい掌返しなことか(´・ω・)
ええっ、キミらもやれって言ってたじゃん!て集はもっと怒っていいんじゃないかなさすがに。
ブレてないのは憎まれ役・側近ポジを一貫して買って出てる八尋だけですね(;・ω・)
本隆侍照久
集がダメなお人だった……というのがだいたいの残念な流れでしたが、それに周りの者たちのぶれが加わったようですね。でもそれが集に同情を向けられる唯一の逃げ道でもあり、皆が最終的な選択を集に押し付けて全てを背負わせようとすることで、集が可哀相に思えたのは良かったのかもしれません。実際、王の器でもないのに彼のような立場であったらやってられませんから、集をダメだと責めるようなことはあまりしたくありませんもの(´・ω・`)
作品的に観ればまともな人物は谷尋でしょうか。他人物の集への押し付けと比べればマシな彼ですが、私個人的にはあまり好きではないのが残念なところです(´・ω・`)