買い物から帰宅した夏目をパシャリと撮るのは滋さん。
掃除してたら古いカメラが出てきて、その試し撮りの被写体として夏目が選ばれたというわけ。塔子さんと二人で旅行に行った時くらいにしか使わなかったため、変な音が聞こえてくる。だから修理に出し、直ったら三人で撮ることを約束する。
『写真……か』
夏目はそれにどんな思いを持っているか……
おつかいを終えた夏目は、塔子さんに作ってもらったアイスティーを飲みつつ自室へ……そして噴く。だって中級妖怪らがいたんだもの(´・ω・`)
ちなみにニャンコ先生は酒瓶を抱きながら幸せそうに寝ている。ツンツンしても起きる様子はない。
……大丈夫か、こいつ(´・ω・`)
ちょびによると、知り合いの者が友人帳に名があるから連れてきたとのことで、夏目は中級らがじーっと見る前でいつものアレを実行。疲れて倒れてしまう。
レイコの孫としては情けない。とことで、あのレイコも家族を持てたのだろうかという話に及ぶ。夏目はうっすらとした意識の中で、それはどうだろうかと考える。
ようやく目覚めたニャンコ先生は、また夏目が名を返したことを知り夏目の背中で暴れる。そんな心地よい状況の中、夏目はレイコに思いを馳せる。
『夏目の姓のままだった祖母のことを、ただでさえ厄介者だった俺が親戚に聞けるはずもなく…、祖母であった人を悪く言われたり、寂しい日々であったろうことを聞くのも怖かった……』
翌朝。
夏目の頭の上で器用に歯を磨くニャンコ先生。
元気な彼とは裏腹に、夏目は顔がもやし色。それも仕方あるまい。先生たちが朝まで騒いでいたのだから。
だからこの歯磨きも本来ならば夜にすべきものだったのだろう。間もなく夏目は朝食に呼ばれる。
『ああでも…もうそんなことで心を痛めない。この人たちに出会えたなら、俺の心はもうきっと痛まない。痛かったことはもう…忘れてしまえばいいんだから』
こうして今日も、藤原夫妻と平和な朝食を迎える。
夏目は押入れから段ボールを漁る。
そして目的の物を見つける。
「これは、俺の両親の写真だよ」
そろそろ見ても大丈夫だろうと、それを出したのだ。
そんなところでお友達の田沼と北本がやってきたため、写真をもとの本に挟んで二人を迎える。
ラムネ水が自然に湧いてる場所を北本たちが知っているとのことで、そこに行こうという話のようだった。田舎っていいね(´・ω・`)
酒の湧く場所なら二か所くらい知っている夏目ならなんら疑問はないか。
とにかく、その話には夏目も田沼も興味があり、さらにニャンコ先生は目がハートマークになるほどで当然のように挙手。明日その場所に行くことに決まる。
塾に行っているという西村もそろそろ遅れて来るという。
あの西村が塾っていうのはなんとも違和を感じるところだが……。ともかく、隠れて脅かしてやるというのも面白いかもしれない。
夏目らはそんな話で盛り上がり、玄関の靴を揃えながらその楽しげな声を聞く塔子さんはとても嬉しそうに笑みを漏らす。
そんなところで電話がかかってきて、塔子さんは夏目を呼ぶことに。
「館花さんからお電話なの」
まさか変態紳士か(`・ω・´)
嘘です、なんでもありません(´・ω・`)
橘ではなく館花さん。その名は夏目も心当たりがあり、真剣な面持ちで電話へと向かう……
その様子を察してか、田沼は館花さんとは誰ぞやということを塔子さんに問う。
「貴志くんが小さい頃お世話になってたお家で、貴志くんの亡くなったご両親の家や、いろいろ管理されてる親戚なの」
田沼はニャンコ先生を抱きつつ、電話をする夏目を様子見する。
電話によると、夏目が住んでいた家にやっと買い手がつきそうとのことで、こっちでうまくやっている夏目にそれを手放す選択を確認したというわけだった。
夏目自身も前の家のことはあまり覚えていない。それに今は藤原夫妻と暮らす幸せな日々がある。過去との決別……とまでは言わないにしても、敢えて断ることはないお話だろう。夏目はこの話を進めることに許可を出す。
二週間くらいはまだ入れるから、気になるなら手放す前に一度見に行くといいと言われ、電話を終える。
電話の内容が気になった塔子さんは、話を終えた夏目にどんな内容だったかを訊く。
夏目が住んでいた家に買い手がついたというその話は、簡単に良かったなんて言えるものではない。だから塔子さんがかけるべき言葉を探していると…
「大丈夫ですよ」
逞しくなってまあ……(´・ω・`)
そんなところで西村がやってきて、夏目とともに部屋へと戻ることに。
部屋には田沼しかいない。
西村が座ったところで、北本が内側から押入れを開けてニャンコ先生突撃!
西村の顔面直撃でドッキリ成功。にゃはははは(*^ω^*)
それはそれとして、あれは何だと北本は押入れの戸の裏を示す。
それに興味を抱いた西村と田沼を止めようとする照れ夏目だが、もやし一人の力では止め切ることができず。戸の裏の秘密を見られてしまう。
「……何だこれ?」
そこにはいくつもの写真が貼られていた。
西村北本田沼ら友人との思い出の写真。それがどうしてこんな場所に貼られているのか……
「そこいらに貼っておいて人に見られたら……なんか恥ずかしいだろ」
見つかった以上、こっちの方が恥ずかしいけどね(*^ω^*)
いい感じで盛り上がったところで、ラムネ水の話。
西村は自信ありげに話すため、さらに期待が膨らむ。
明日一時にここに集合することを約束して、夕方になって西村らは帰っていく。
目がハートになったニャンコ先生はともかくとして……
「しかしいいのか? その実家とやらのことは」
……うむ(´・ω・`)
「俺にとっては、今一番大事な場所はここだし」
持っていれば負担もかかるのだから、手放すという選択肢を選ぶのが最も賢明か。
でも、夏目だってあそこで過ごした日々を全て忘れたわけではない。
「母が亡くなったのは、俺が生まれてすぐだから覚えてないけど……、父のことは、少し覚えてる。男手一つで育ててくれた……ほんの数年間だったけどね」
頭を撫でてくれたり、膝上に乗せてもらい縁側で二人ひなたぼっこしたり……
そういうのを思い出すと辛くなるから、小さい頃は必死に忘れようとして……いつの間にか本当に忘れてしまった。
見ると胸が痛んで辛くて見れなかった写真だって、今はもう平気だと夏目は言うが……そんな彼を、ニャンコ先生はじーっと見つめる。
『どんなに思っても、手が届かないものがある。 ならば、忘れてしまえばいいんだよ、先生。 ……そうだろ?』
自分の家を探す幼き夏目。でも見つけることができない……
忘れなきゃって思っていたら、自分の家を忘れてしまった――
そんな夢からハッと覚める夏目。
傍らでニャンコ先生が気持ちよさそうに寝ているのを確認し、安心して改めて眠りにつく……
翌日。
約束の時間に西村らが来たとことで出かける夏目。
「いってきます」
他意のない、出かける際には当たり前の言葉。
なのだが、塔子さんはどこか不安げに彼を見送る……
この日は暑いくらいの快晴。
昔西村が描いた地図を頼りにラムネ水が湧くという場所に向かっているのだが……
不安で仕方ないじぇ(´・ω・`)
「細かいこと言うなよ。地図通りに着いちゃったら冒険になんないだろ」
まあ確かに、冒険を楽しむことも一つの目的であるのだからそれも悪くはないだろう。
実際は公道からチャリですぐ行けたのだというが。
「なに、チャリで行けたのか!?」
「うるさい。夏目はもっとスタミナつけろ!」
そう言われた夏目を笑う田沼であったが……
「田沼、お前もだ!」
田沼はえらく凹んでまっせ(´・ω・`)
とにかくこのまま先を進む。
どこか上の空系の夏目を気にして昨日のことに触れようとした田沼は、軌道修正して押入れの話へ。自分も大事なものを押し入れに入れてたなって、過去を振り返る。
そんな思いを共有してくれる存在がいるだけでどんなに心強いか……
ラムネ水が湧くという場所まで辿りつけるかはわからないが、あれやこれやと行き先について揉めている西村と北本のもとへ。
そこで一陣の風が吹く――――
縁側で父と過ごした思い出が脳裏をよぎる。
母が夏目らを喜ばそうと花の苗を植えていた場所を示す、父との思い出……
『――ダメだ。 思い出してはいけない。あそこはもう、帰れない。ただのからっぽの場所だ』
痛くない。忘れるんだ。
そう自分に言い聞かせて三人の後について行こうとする夏目であったが、その足を妖怪に引っ張られる。
人の子食うたろかノリのその妖怪であったが、ニャンコ先生の去れーであっさり去っていきました(´・ω・`)
この程度の妖怪であれば、夏目のえのきパンチでも黙らすことができたのだが、夏目は少しぼーっとしていた。
「こんな写真見るから…」
と、夏目が懐に手を入れるも、そこにあるべきはずのものがなかった。
いつ落としたのかもわからず、ここは森の中。がっくしトホホ…だべさ(´・ω・`)
間もなく西村らがやってきて、道がわかったから行こうと言われる。夏目は逡巡したのちすぐにそれに乗るが、その一瞬の躊躇いに田沼は気付いていた。でも具体的なことはわからなかったため、妖怪絡みかニャンコ先生に訊いてみると……
「いや。写真を落としたらしい。……両親が写っている」
それを聞いたらば、田沼はすぐに夏目のもとに。
西村と北本にも夏目が落し物をしたことを伝え、彼らもすぐにそれを探すモードに入る。
「でも……、本当にいいんだ。後でまた捜しに…」
「夏目! そんなこと言われても、今の顔を見れば、嘘をつかれてるくらいわかるんだ!」
つかなくてもいい嘘はつくな。
そう言ってくれる田沼のなんと優しきことか……
「ごめん…。捜してくれないか? 大事な……写真なんだ」
本当は、大事な。
それを四人+一匹で探す。
「あっこれ……。なんだ、エロ本か」
「「何っ!?」」
ヲイ(´・ω・`)
ちょうちょと戯れるポン太が邪魔であったり……それでも苦労して捜しまわった挙句。
「あった! あったぞ! これじゃないか、夏目!」
西村が見つけたそれこそ、夏目が捜していたもの。夏目に似た、優しそうな夫婦が写っている写真。
「ありがとう。みんな」
えへへ、よせやい、照れるだろー(*´・ω・`*)
『この写真は…俺が生まれる少し前、二人で撮ってもらったものらしい。
優しく笑う両親の、二人の間で…自分も笑う日がくるはずだったのかと思うと、どうしても涙が出て止まらなかった。
痛くて痛くて、忘れてしまいたかったんだ』
もう夕方。
夏目らは帰路につく。
するとその道中、笹田と多軌を見つけたとことで、西村は喜び、ニャンコ先生は田沼の背中に隠れる。
珍しい組み合わせの二人は、同じCDが欲しかったため二人でかわりばんこで聴くことにしたのだという。仲良きかな(´・ω・`)
一方、泥んこの夏目らもまた仲良き男の友情があると断言できよう。
結局目的のラムネ水の湧く場所は見つけることができなかったものの……
そこで田沼の背後からぬーっと出てきたもふもふニャンコ先生を見つけた多軌は、逃げるニャンコ先生を追う……。
楽しく素敵な光景さね(*^ω^*)
帰宅したらば晩御飯前。
つかなくてもいい嘘はつくなと言ってくれた田沼の言葉を思い出し、夏目は滋さんと塔子さんに意を決して話をする。
「なくなる前に、もう一度だけ…父さんたちの家を見たいんです」
それが正直な思い。
「行ってきても、いいですか?」
いいも悪いもないだろう。
何より、それを打ち明けてくれたことが嬉しいさね。
「ええ。もちろん。 行ってらっしゃい。貴志くん」
……(´;ω;`)
この記事へのコメント
あるるかん
夏目も辛い境遇でしたが、今みたいな日々を得ることが出来てよかったですよ。ニャンコ先生も夏目の友人たちとはうまくやっているようですね。
名取が然り気無く登場しますよね。ユリコの部屋にも飾られたりしてるし。多軌や笹田が買ったCDももしかして名取が歌ってたり、朗読してたりして(笑)
多軌が久々に登場して嬉しかったです!!個人的にはアニメオリジナルで笹田を登場させるより、その役回りを多軌にあてがって欲しいんですよ。彼女は原作でも出番は少な目ですし、尚更思ってしまいます。サトリナさんの声も合間って凄くいいです。
ひとつ気になるのは、笹田は夏目(偽)に「お前、美味しそうだな」と言われた後だったのに普通に接していたのは、何かフォローが入ったからでしょうかね?夏目にはそれは苦手そうですが。
本隆侍照久
夏目の過去は辛いことが前提だと思うからこそ、その中にも幸せな日々があったんだと気付かされてぐっときますね……(´;ω;`)
レイコは母方の祖母……だとすると確かに隔世遺伝っぽいですね。どちらかと言うと小西さんな父寄りな気がしましたもの。と言っても、どちらも似てはいるんですけど(´・ω・`)
幸せな過去の一片と、今の幸せな日々。良い意味での迷いだっただけに、こちらとしても嬉しいところですね。
触れはしませんでしたが、名取ポスターの存在感はさすがでしたw
名取の朗読CDなんてありそうだから困りますw 二人が買ったものがそれではないことを願いますよw
とことで、久々に多軌が登場しましたね。笹田とのペア登場ということもあって、もはや彼女と同じく一般人レベルな気がしないでもない気配(´・ω・`)
でも西村や北本だって頑張っているのですから、もっと関わってきてほしいものですね。
笹田とペアで関われば無問題。どちらか一方とも言わず、両者が出てくれれば幸いに思います(´・ω・`)
そういえば、偽夏目の件を経てからも笹田は割と普通ですね。もしかしたら田沼あたりがフォローを入れてくれたのやもしれぬ……。
そうでなくとも、今回のこともそうですが田沼は夏目にとって本当に大きな存在だとしみじみ思います……(´-ω-`)