それを止めることは真名にもできない。終わる事は許されないことを知り、今こうして振る舞っているのだろう。
「悲しいの? 涯」
いのりんがそう訊くのは、涯の心が自分に触れたと感じたから。でも涯はそれを否定する。ようやく自分の願いが叶うのだからと言って。
敵機は葬儀社残党他の近くに接近していた。
しかしそこまで来て撃ってこないということはつまり、256基のルーカサイトというのはハッタリ…ということらしい。
相手の時間稼ぎにまんまと乗せられた形になったのだが、
「でも間に合いました」
僅かな時間でもチャンスがある。集はその可能性を見ていた。
悲観すべき未来しか残されていないわけではない。勝つ余地も残っているから、それに向け改めて皆で準備を進める。
「ねぇ集。…撃てる?」
もし涯が目の前に現れたら撃てるか、その覚悟を綾瀬は問う。
「撃てるよ」
そう答えつつ、
「綾瀬は綺麗だよね」
ヲイ(´・ω・`)
「汚れるのは僕の役目なんだ。だから綾瀬は、綺麗なままでいてよ」
と言っても、戦いになったら集は綾瀬のヴォイドを使う予定。
結局は同罪にしちゃうのかもと心配するも、そのつもりで貸したのだから無問題。
でもあくまで貸したにすぎず、あげたわけではない。だから……
「借りっぱなしで、絶対勝手に死なないでよ」
もち(´・ω・`)
国連軍の攻撃隊は全機ポイントデルタに到達。全エンドレイヴは降下を開始する。
その数で涯がどれだけ憎まれているかがわかる。
涯は城戸や亞里沙から同時にヴォイドを取り出し、そこから圧倒的な力を周囲に降らせる。
それにより、87%は撃破され大勢は決する。
残りはダリルらエンドレイヴが片付けるとことで、ゴースト部隊が起動させられる。
その際、ダリルは何故ここにいるのかとローワンに問う。でもそれはローワンだって同じ。抵抗していたダリルがどうして自分からモルモットに志願するようなことをしたのかと訊く。
「だって悔しいじゃん。ヴォイドにやられっぱなしっての。 それに、死に方くらい……自分で選びたいしね」
役立たずな国連部隊はともかくとして、集ら葬儀社軍団も動き出すことに。
すぐさまそちらにゴースト部隊も回されその動きを止められることとなったが……それはヴォイドによるコピー。
あっさりとやられたが、それも想定済みのこと。これにより、ツグミのセキュリティの構造解析は完了。敵システムに侵入し動きをストップさせる。
この隙に集はさらに深部へと侵入。これも颯太のヴォイドあってこそのものだろう。
ここまで来たらば皆もそれぞれの仕事に分かれることに。
「いっぱい連中の邪魔して、みんなを安全に誘導するからね」
うむ(´・ω・`)
「ちゃんといのりん助けなよ。そんでみんなで、ハッピーエンドだかんね」
ハッピーエンドに憧れて。
この世界中に響けこの歌よ(`・ω・´)
いのりんを構成していた記憶と感情を消失すべく、涯は力を行使する。真名として生まれ変わらせるために。
「俺を恨め、いのり。俺があの時、お前を目覚めさせなければ、何も始まらず……。そして、終わることもなかった」
罪を背負おうとする涯だが、いのりんは涯に感謝していた。
「だって……あなたは私に人生をくれた。 集と出会わせてくれたんだもん」
集はいのりんにこの世界の悲しさ、美しさを見せてくれた。
苦しんで迷って間違って、自分の醜さを恥じて……そんなことばかりの集であったが、何よりも“人”であったからこそ、いのりんは集に魅せられたのだ。
でもその集のことさえも、もはやいのりんは忘れ……
いのりんは歌う。
それは普通ならば聴こえないものの、集の耳には確かに届いていた。
セキュリティは奪還されもうツグミと通じることができない以上、それを信じて進むしかない。皆は集の後へ続く。
辿り着いたのは中央作戦司令室。
最上階にも直接つながっているここであったが、集たちが来るのはどうやら想定内だったよう。少年ユウが待ち構えていた。
ユウは集と二人で話さなければいけないことがあるからと、皆と集を引き離して話をすることに。
ユウによると、自身はダートの総意を象徴する者とのこと。奪われた王の力を自ら回復してみせた集を評価し、集と涯…次なるアダムにどちらが相応しいか再度検討することになったと言う。
「人類が次のステージに進むために……全ての人類を滅ぼし……、未来永劫、真名と二人で生きることを……誓ってくださいますね?」
YESかNOかの二択。
後者が普通で、集もそれを選んだ。
しかし、涯は眉ひとつ動かさずに前者を選んだのだという。それが二人の違いか。
「では。ダートの名のもとに、君から継承者の資格を剥奪します」
ユウがヴォイドを使い戦いを挑んできた(`・ω・´)
たたかう←
集は谷尋のヴォイドを使用し応戦する。
力は互角くらいなのかもしれないが、ユウは使っているヴォイドの本体は気にもせず消費していく。
集と分断させられた綾瀬らの前にはダリルが。
「決着つけようぜ! 葬儀社らァ!」
いのりんのことを紛い物扱いするユウ。
それに反発する集は、アルゴの力を頼りにしてユウに一泡吹かせることに成功する。
「いのりは……自分の中の醜さと戦って……苦しんで……。 同じように間違えて傷ついている僕を、そっと支えてくれた」
誰も知らないいのりんのことを知っている。その思いを力にし、集は戦う。
「いのりだけが、ずっと傍にいて、僕を信じてくれたんだ」
信じ続けるのは大変なこと。手のひらは簡単に返すことができるから。
でもそれを、いのりんだけはしなかった。
「だから……、今度は僕が隣にいる。今度こそ離さない。いのりぃぃぃぃぃ!!」
集はユウを圧倒し勝負は決する。
「ならばやってみるがいい…。桜満集。絶望への…抵抗を……」
集が辿り着いた時には一足遅く、いのりんを糧にした真名が復活を果たそうとしていた。
失われたイブ。
黙示録の時が始まりまっする(´・ω・`)
この記事へのコメント
あるるかん
本隆侍照久
ナチュラルに忘れられていますねw(若干私も忘れていましたがw)
ここまできてなおも不遇を味わうとは、悲しすぎます……(´;ω;`)