穂乃果は寝てしまい、目覚めたらば既に紅白は終わっており、間もなく海未ちゃんとことりチュンがやってくる。
「あけましておめでとー!」
まだです。
初詣に出かけるため、慌てて着替えに行く穂乃果。
すると、そのうちに年が明けてしまう。
予想通りです。
男坂前。
穂乃果らはそこで花陽&凛ちゃんと遭遇する。
ちなみに真姫ちゃんもいる。恥ずかしいからと物陰に隠れる彼女は……
「む」
びゅーちほーで可愛い振り袖姿。超かわいい!
そんなところで声をかけられる。そちらを向くと、A-RISEの3人が。
初詣を終えた彼女らとしばらく対峙したのち、3人は帰路へ。
でも言わねばならぬことがあるから。ツバサは振り返って……
「優勝しなさいよ、ラブライブ!」
そう。最終予選で勝ったのはμ’sの方だったのだ。
みんなでお願い。
恐らく共通する願いを持っているだろう。
詣でた後はバイトの希のもとへ。今年はお手伝いさんもいるとのことで……にこちゃんも巫女姿でがんばっていた。みこちゃん?
「なんか真姫ちゃんと和風ユニットが作れそうにゃー!」
にこまき推しの凛ちゃんでした。
エリーチカもお手伝い。こちらはまたお美しい。
仲良し三人組。っていうのはいいが、受験はどうなんだろうか。まあ気にしないでおこう。
エリーチカのもとに亜里沙がやってくる。
彼女が願ったこと。それは……
「音ノ木坂に合格して、μ’sに入れますようにって!」
それはエリーチカにとって複雑なところ。これからのことをちゃんと皆と話し合わねば、素直に喜べぬことだった。
朝。
冬休み中であろうと、μ’sの練習はある。
本大会は選曲だけでなく衣装や曲の長さもとにかく自由だという。とにかく一曲だけ歌って会場とネット投票で優勝を決めるシンプルな方法。
全部で50近くのグループが出場するため、お目当てのグループだけを視るというパターンもある。だから事前に印象付ける必要があり、それで大切だと言われてるのがキャッチフレーズ。既に何チームかがそれを公表していた。
『恋の小悪魔』であったり『はんなりアイドル』、『With 優♡』などだ。
μ’sを一言で表すとどうか。……石鹸じゃない。9人。
当たり前でよくわからないものばかりが浮かぶ。皆の共通の想いを考慮して考えてみると……『ラブライブ!優勝!』。
何様ですか。
穂乃果ら二年勢が考えに詰まっていたところへ、ツバサがやってくる。
リーダー同士二人で話があると言う彼女に乗り、穂乃果は話を聞くことに。
敗退したA-RISEだが、ちゃんと練習を続けているという。やっぱり歌うのが好きだから。でも、ちゃんと訊いておきたいことがあるからここに来たのだ。
A-RISEは最終予選ですべてをぶつけて歌い、そして潔く負けた。そのことに何のわだかまりもない……つもりであったが、なんで負けたのだろうと引っ掛かりがあったという。
結果が出る前にμ’sに負けたことを確信していた彼女たち。だがしかしどうしてμ’sがそれを出せたのかがわからないのだ。
練習量やチームワークの良さ。それはA-RISEも同じものを持っていた。なのに負けたのだから、μ’sを突き動かす原動力を、ツバサは知りたいのだ。
しかし、穂乃果にもそれはよくわからず、そのことを正直に打ち明ける。
実に穂乃果らしい。
夜。
穂乃果はツバサに訊かれたことを海未ちゃんに訊いてみる。
海未ちゃんも答えられない難しい問い。しかし、彼女はそれこそがキャッチフレーズなのではないかと感じていた。
穂乃果は雪穂にもμ’sのことを訊いてみる。
μ’sのことをどう思うか、雪穂は一言で表す。
「心配」
あとは、危なっかしい、頼りない、ハラハラする。
だいたい穂乃果のことなのだが……
「ただ、応援しなきゃって気持ちには不思議となるんだよね。どんなグループよりも」
それは穂乃果にのみ当てはまるものではない。
そんなところで穂乃果の携帯に通知が。そして彼女は何かを思い出し、慌てて母親のもとへ……
朝。
穂むら前にて、μ’sメンバーが集まって餅つき。
花陽は準備万端。でもこれは花陽のためにおこなわれているものではない。穂乃果は学校のみんなにお礼をするつもりでこれを始めたのだった。最終予選を突破できたのはみんなのお蔭だからと。
だからと言って正月だからと餅つきにすることはなかったというところだが、思いつかなかったのだからしょうがない。でも学校のみんなに会えばキャッチフレーズの方は何か思いつきそうだと穂乃果は言う。
「思いつく?」
「お餅つきだけに!」
花陽らが凄まじい速度でにこちゃんから距離をとり、かわいそうなものを見るような目でにこちゃんのことを見つめる。
「悪かったわよ! ついよつい!」
ともかく、凛ちゃんがお餅つきを再開しようとしたところ、亜里沙が駆けつけ海未ちゃんを庇おうとする。彼女はお餅を知らないのだ。
ちなみにお餅はスライムじゃないよ。
間もなく学校の皆がやってくる。
花陽は太っちゃうからと規制されながらも、大繁盛でお餅は全てなくなる。
それはお餅が好きだから……というだけではないはず。
「きっと、みんな一緒だからだよ。 みんながいて、私たちがいて。だからだと思う」
わかるようなわからないような。キャッチフレーズとしては今一つ足りない。
トレーニング。
真姫ちゃんかわいい。
トレーニング後。
穂乃果は神田明神の絵馬に、音ノ木坂の生徒からμ’sへのエールがたくさんあるのを見つける。
その中には雪穂と亜里沙のものもあった。
『μ’sが本大会で遅刻しませんように!! 雪穂』
『大会の日、晴れますように!! 亜里沙。』
みんなの想い。
文字として書かれたそれを見て、穂乃果は常日頃の光景を思い出す。そして……
「わかった! そうだ、これだよ!!」
μ’sの原動力。それがこれなのだ。
「一生懸命がんばって、それをみんなが応援してくれて、一緒に成長していける。それが全てなんだよ! みんなが同じ気持ちでがんばって、前に進んで、少しずつ夢を叶えていく。それがスクールアイドル! それが、μ’sなんだよ!」
みんなの力。異議などあるはずもない。
後日。
全出場グループのキャッチフレーズが発表される。
雪兎娘『ぴかぴか Eye』
いばねばっ娘『Song and Dance Dream』
れもんみるく『甘さとすっぱさの化学反応』
9RANE『色の架け橋』
そしてμ’sは――――
『みんなで叶える物語』
ツバサもどうやら悟ったようだ。
これがμ’sの強さだと。
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