そんな中、町田は、便利屋であり製薬会社の担当である賢木に騙されていたことを重三に知らせる。
気付くのが遅かったか……
ダムへと急ぐ眠の耳に、銃声が聞こえる。
そして間もなく、ダムの放水が始まってしまう。
川は大量の水で溢れ、町にも被害を及ぼしていく。一刻も早く止めねばならぬとこ。
眠は駆け付け放水を停止させるが、もう起こってしまった被害を止めることはできぬか。
賢木はダム職員との戦闘で怪我をしていたため、五十鈴はその足跡を追う。
森の中で見失ったところで、五十鈴は賢木に足を撃たれることに。
そこに眠と博士も駆け付ける。
この中での賢木の狙いは、明らかに眠。しかし、直接痛めつけようとはせず、周りの者から破壊していく。
「私が許せないなら、私の命だけを奪えばいい」
それはごもっともだけど賢木の考えは違った。
眠のような化け物を許せない賢木は、この町自体も恨んでいる。全てを破壊するためなら、どんなことだってするだろうな。
博士は眠や五十鈴たちをかばう。
博士も最初は少しだとしても眠たちのことを化け物だと考えてたかもしれない。しかし、神人が神堕人と共生するために厳しい掟を強いられていると知ったならば、その考えは改まるだろう。
そのことを知らない賢木にとっては、博士の言うことは怒れることかもしれない。だけど、怒りが露わになるのは、それが真実だと信じたくないためか。真実であれば、三重子を殺された無念はどこで晴らせばいいのかわからないから。
眠は自らの命と引き換えに町と住人を守ってくれるよう、賢木に頼む。
しかし、賢木もここまで来て引くわけにはいかないだろう。
「お前は人間じゃない。お前に人の心などない!」
復讐をしようという賢木。その心は、人のものと言うべきかどうか……
そんなところで、
「もうやめてください」
眠を撃とうとした賢木の前に、香織が現れる。
「嫦娥の町を滅ぼすつもりなら……私の命を断たなければなりません」
そう言う香織の姿は、三重子の面影と重なる。
躊躇ったのち眠に銃口を向けた賢木だが、その引き金を引いた先にいたのは香織だった。
その香織に捕まった賢木は、たいして抵抗のできぬまま川へと落ちていく。
すっきりとはしないものの、これで事件は解決……というとこだろうか。
かなめは、地面に落ちていた八朔を手に取り、その包みを解く。
そこに記されていたものは、自分の願い。
神人と神堕人の共存は、きっと叶うだろうな。
八朔祭の日から時は流れ、日常が戻ってきた。
博士に対するマナの態度も相変わらずで、五十鈴も元通り。
重次が遺したカプセルの研究についても期待が持てるとのこと。
眠は、掟の件について再考するように進言。よりよく共存できればいいねぇ。
平和が訪れたかのように見えた嫦娥町だが、神人を恐れた人たちはこの町を出てしまい新市街の住人はほとんどいなくなった。
町を出た住人が、この町の秘密を守る保障はない。それが知れ渡ったらどうなってしまうか……
眠も博士たちに加わり良きことだが、その平和も続くかどうか。
博士は眠のことを名前で呼ぶように強いられる。
「眠さん」
これで本当に友達となれたか。
良かった良かった^^
……あ、まだ次あるんだw
"おおかみかくし 11話『終焉』"へのコメントを書く