Angel Beats! EPISODE.13『Graduation』前半-1

-あれから3日後-

チャイムが鳴り響く校内。その一室で、ゆりっぺは目を覚ます。
「ぁ……」

その傍らには、奏ちゃん、音無、日向、文人がいる。

「ここは…………どこ?」

医局(閉鎖中)保健室
「保健室だ」
「保健室?」

ゆりっぺはゆっくりとベッドから起き上がる。

「あなたたち、どうしてまだいるの?」
「無理しちゃダメ」
奏ちゃんはゆりっぺを心配してそう言う。

「大丈夫よ、かなでちゃん」
「まあ、ゆりっぺにしちゃ大変だったようだしな」
「よくそんなのでリーダーが務まっていたものだなぁ」
「あなたたちまで……いったい何してるのよ? 影はもういないんじゃないの? なら邪魔するものは何もないはず」
「ああ。わかってる」
「だったら……」
「まだ、お前が残ってるじゃないか」
「ぇ!」

音無は改めて言う。
「お前が残ってる」

「あ、あたし!? あっはは、そっか……何て言うんだろ……」
「……何だよ?」
「多分だけど……もうゆりの抱えてた葛藤は解けてる」
「えっ!?」

あら恥ずかしい。
ゆりっぺは布団で顔を隠す。

「そうなのか? …ゆり」
「えっ!? えと……! それは……その……」

ゆりっぺは何ともはっきりしない。
とことで、文人が動き出す。

「よし。僕が催眠術で吐かせて――」
「やめろコラァァーーーー!!」

ゆりっぺは手にしていた布団を文人に覆い被せる。
「と嫌がるということは……的中」
「えっ? あ、いや、そんなこと…ないわ。ほら、ぁあたしリーダーなのに、そんな簡単に解けちゃってたらいい笑い草じゃない。ね、ハハハ、ハハハハ――」
「じゃあ催眠術でぶっ――!」
文人の顔面に枕が直撃する。

「そうよ解けたわよ! 悪いかぁぁーーーー!!」
「あ。認めた」

とことで、ゆりっぺは観念する。
「かなでちゃん、イジワルなんだ」
「ゆりがあまのじゃくなだけ」
奏ちゃんが可愛すぎるだけ(*´Д`)

「あなた、言うのね。……でも、なんとなく嬉しいな」
「何が?」
「ゆりって呼んでくれて」
「どうして?」
「だって……友達みたいじゃない?」
「友達……そうね」
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友達。
それはとっても素敵なもの^^

「じゃあ準備は無駄にならなかったわけだな」
「ああ」
「準備って……何か始まるの?」
「最後にしたいことがあるんだ。かなで、やったことないんだってさ」
「え? 何を……?」
ゆりっぺには詳細を告げぬまま、五人は最後にするのに相応しい場所へと向かう。



「ふんふんふんふふ~ん♪」
奏ちゃん……(*´Д`)

「他のみんなは?」
「全員いったよ」
「そっか。良かった」
「みんなが手伝ってくれたおかげだ」
「苦労はしたけどな」
「ふん。神のなせる技だ」

音無たちは話をしながら歩く。
その前では、奏ちゃんが素敵に鼻歌を奏でる。

「でも、何だかんだ言って、みんなけっこう楽しんでたんだよなここの暮らし。それがわかったぜ。 それも、ゆりっぺのおかげだと思う」
「そう」
「あ、高松もいけたんだぜ。NPCになった後でも正気に戻れたんだ」
「へー。そうなんだ」
「あんま驚かないんだな。NPCになったら戻れねぇって言ってなかったっけ?」
「想いの強さで、いつか人に戻れるようにしてあったのね」
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「あん?」

ゆりっぺがこう言えるのは、謎の青年に会ってプログラマーの“想い”を知ったため。
プログラマーがこの世界で“愛”を芽生えさせまいとしたのは、自分のような者をこれ以上出さないため。しかし、だからといってその“想い”自体を否定はしない。だからこそ、“想い”の強い者に対するプログラムも組んであったというわけ。それもまた、自分のようにNPCになるという悲しい結末を繰り返さないために……
全ては憶測にすぎない。でも、確かにそうであると信じたいところ。
高松にとっての“想い”とは何だったのか。それは、機会があればまた改めて語ることになるだろう。

「ふんふんふふ~~ん♪ ふんふんふふ~~~~ん♪」
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奏ちゃんは華麗にスキップをしながら、素敵に鼻歌を奏でる。

「その歌なんだっけ。さっき、作業してる時も口ずさんでたよな?」
「何だっけ……?」
「それあれよ。岩沢さんが最期に歌った歌。“My Song”」

ゆりっぺはあの時、岩沢さんの想いよりも陽動としての役割を優先するような態度を見せていた。しかし、何だかんだ言って一番にメンバーのことを想っていたのはやはりゆりっぺなのだろう。
ゆりっぺは、岩沢さんの“想い”を確かに感じていた。

「ああ。あの曲か」
「全校放送で流れたやつだな。まったく」
「いい曲よね」
「うん!」
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五人が辿り着いたのは体育館だった。

「体育館?」
「ああ」

『死んだ世界戦線 卒業式』

そこには五つのイスが並び、卒業式開式の準備が万端に整っていた。

「あぁーー……」
ゆりっぺは感嘆の声を漏らす。

「俺達で作ったんだ。文字はかなで」
想いが詰まった手作りの卒業式。それは何て素敵なものだろう。

「そうなんだ。かなでちゃん、卒業式したことなかったんだ」
「おもしろいのかなって」
「おもしろかねぇよぉ」
「でも、字を書いてる時は、楽しそうだったけどな」
「女子はたいてい泣くんだぜぃ」
「ふん。これだから女は」
文人、お前が言うと何か重みが違うぞw

「ふ~ん……」
「じゃあ、始めよっか」
「ぇ! 今から!?」
「何のために着替えたんだよ」
「ぁいや、その、ホントに消えるのかなって…心の準備が……」
「何だ。それでも元リーダか」
「な、何よ!」
しかし、文人の指摘もごもっとも。

「お前、みんなが消えたら、リーダーっぽくなくなったよな。なんか」
「えっ、そ、そう?」
「確かに何か変わったな」
「えっ! どう?」
「そうだなぁ。何か、女の子っぽくなった」

今までは戦線を率いるリーダー。言わば保護者のような気があった。
しかし、その役目を全うした今は、ゆりっぺも一人の女の子。野田はきっと、ゆりっぺのこういった女の子らしさに気付いていたからこそ心酔していたのだろう……多分。

「ぇっ! それ…喜べばいいの? 怒ればいいの?」
素直な気持ちを表せばいいんだよ^^

「戦い終えたらそんなこともわからない無垢な女の子に戻っちまったんだなぁ」
そう。あくまで戻っただけのこと。

「ゆりっぺも可愛いとこあんじゃん」
「な!? く!?」
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ゆりっぺは赤面。

「あぶ…あぶ、あぶ、あぶ、あぶあばばばばば!!」
「なが!った! ったい! ったい!」
慌て惑ったゆりっぺは日向のことをぺしぺしして誤魔化す。
そんな様子を見て、奏ちゃんは素敵な笑みをこぼす。

「うっふふ。ゆり面白いの」
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うっふふ。奏ちゃん可愛いの(*´Д`)

「ふん」
「よし。始めるぞ!」


前半-2へ続く……


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