Angel Beats! EPISODE.13『Graduation』後半-1

僅かな余韻を残した後、最初に動き出したのは文人だった。

「ふっ。女の泣き顔なんて見たくない。先に行く」

そして文人は音無の前に立つ。
そんな文人の目からは、溢れんばかりの涙が流れていた。
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「おめぇが泣いてんじゃねぇかよ」
文人……

「音無さん……。音無さんに出逢えてなかったら……、僕は………ずっと報われなくて……っ、でもっ、僕は……」
文人は涙を拭う。

「もう迷いませんっ……。 ありがとうございました!

音無は、頭を下げる文人の肩を二度叩いてやり、その頭を撫でてやる。
「ああ。……もういけ」

「ありがとう……ございます」

そして文人は、この世界から卒業した。

「……いったか」

直井文人。卒業おめでとう。


「さて、次は誰が泣く番だ?」
しんみりとした雰囲気を出さぬよう、日向は明るい調子で振る舞う。

「泣きなんてしないわよ!」
次はゆりっぺ。

「かなでちゃん」
「うん?」
「争ってばっかりで、ごめんね。どうしてもっと早く友達になれなかったのかな。…本当にごめんね」
「ううん」
奏ちゃんは優しく首を振る。

「あたしね、長女でね、やんちゃな妹や弟を、親代わりに面倒見てきたから、かなでちゃんにいろんなこと、教えてあげられたんだよ。かなでちゃん世間知らずっぽいから、余計に心配なんだよ? いろんなこと…できたのにね。いろんなことして、遊べたのにね。もっと…もっと……時間があったらいいのにね。もう……お別れだね」
ゆりっぺは瞳にいっぱいの涙を浮かべる。

「うん……」
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奏ちゃんもそんなゆりっぺとの別れを悲しむ。

ゆりっぺは奏ちゃんを抱きしめる。
「さようなら。……かなでちゃん」
「……うん」

奏ちゃんと別れの言葉を交わしたゆりっぺは、日向と音無の方を振り返る。

「じゃあね!」
「ああ。ありがとな、ゆり。いろいろ世話になりまくった」
「リーダー。お疲れさん」
「うん。じゃあ、またどこかで!」
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そしてゆりっぺは、この世界から卒業した。
仲村ゆり。卒業おめでとう。


「……ふぅ。ま俺だわな。順番的に言って」
日向は柔軟を始める。

「いや。俺でもいいぜ」
音無はそう言うが、そうするわけにもいかない。

「何言ってんだよ。かなでちゃん残して先にいくなよ。俺がいくって」
「……そうか」
「ああ。俺がいくよ」
日向はとってもいいやつ。

「いろいろありがとな。お前がいなけりゃ何も始まらなかったし、こんな終わりも迎えられなかった。感謝してる」
「たまたまだよ。よく考えたら俺、ここにくることはなかったんだよな」
音無は気付いていた。

「どういうことだ?」
「俺はちゃんと最後には、報われた人生を送っていたんだ。その記憶が閉ざされていたから、この世界に迷い込んできた。それを思い出したから、報われた人生の気持ちを、この世界で知ることができた」
そして、それを皆にも知ってもらおうと思った。

「そうだったのか……。ホントに特別な存在だったんだな、お前」
「だからみんなの力になれたのも、そういう…たまたまのおかげなんだよ」
「そっか。……まあ長話もなんだ。……じゃ、いくわ」
日向も旅立ちの時を迎える。

「ああ。会えたら、ユイにもよろしく」
「おう。運は残しまくってあるはずだからな。使いまくってくるぜ!」
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ユイにゃんと再び出逢うことを祈って……

「おぅし!」

日向は音無との別れを決意する。
下に、上に、音無と二度のタッチをして……
「じゃあな、親友!」

最後にハイタッチをして、日向は卒業した。
日向ひでき。卒業おめでとう。


残ったのは音無と奏ちゃん、二人きりとなった。

「えーと……どうだった、卒業式? 楽しかったか?」
「うん。すごく。でも最後は淋しいのね」
やっぱり……ね。

「でも、旅立ちだぜ? みんな……新しい人生に向かって行ったんだ。いいことだろ?」
「そうね」

卒業式はまだ完全には終わっていない。そんな中、音無は提案する。
「あのさ、外に出ねぇ? ちょっと……風に当たりたいかなって」
「ぁ……うん」
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奏ちゃんは優しく頷く。


後半-2へ続く……


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