『しかしスゲー太ってんなー!』
とことで、掃除当番を押し付けられたちょっぴりぽっちゃりな乙姫。
そんな彼女に、女の子はもっと大事にするべきだと言い、優しく声をかけてきたのが浦島だった。
男はともかく、女の子には分け隔てなく優しく接する彼。
「今もかわいいけど、痩せたらもっとかわいくなるよ。うん、俺が保証する」
その結果が今の乙姫。
『乙姫さん変わりすぎです』
いつものようにヘタレな亮士。
それはともかく、勇ましく美しい涼子の足元に、浦島が助けを求めてやってくる。
どさくさに紛れて触ってることもともかくとして、浦島が指さす先にはなにやらもめごとの様子。
そこで対峙していたのは竜宮乙姫と宇佐見美々だった。
御伽銀行にて。
林檎によると、美々はロリ属性とのこと。
『林檎さんとキャラかぶってますよね?』
そうですね。
乙姫と美々が険悪になっているのは小学校の時の同級生であることが理由にあるという。
浦島と乙姫は留年しているため、美々がこの学校にいることを知らなかった。そんなある日、乙姫から逃げる浦島がとある女生徒とぶつかる。
それが美々。偶然の再会を果たしたところで、乙姫が追いつく。
美々が知っている乙姫は、太っていて亀子と呼ばれていた小学生時代の彼女。その頃の因縁あってか、二人の雰囲気は険悪なものに。そして二人は一週間後におこなわれるミス御伽学園コンテストで勝負をすることに。美々が勝てば乙姫の呼び名は亀子のまま、乙姫が勝てばその呼び名で呼ばないとことに。
『かくしてうさぎとかめの戦いが勃発!』
浦島としてみれば乙姫の味方。しかし、それだけでは彼女は満足できないのだという。
浦島が御伽銀行でそんな話をしていたところで、今度は乙姫が依頼に来る。とことで浦島は慌てて隠れる。
乙姫が今回の勝負に拘るのは、過去の自分と決別するため。とことで自分が1位になるための依頼をする。
翌日。
林檎情報の、ミス御伽学園コンテスト概要。
・エントリー制
・自薦他薦問わず
・男子生徒のみ投票
コンテストには強敵も多いのだという。
「風紀委員の桃ちゃん先輩や、白雪先輩。そして、前回1位の謎の美少女」
その謎の美少女が現れる。
その正体は頭取。彼の女装芸はお見事で、これで情報収集をしているのだという。
とことでリストの集めた情報によると、美々はファンが多くも、ぶりっ子な態度が嫌いなアンチも多く、好き嫌いが分かれるとのこと。
「当然ですの!」
『林檎さん。あなたもですよね?』
そこは触れてやらないでおこう。
乙姫も浦島を追いかけることで目立っているものの、彼氏持ちとことであまり期待はできぬとこ。それでも頑張ろうという乙姫だが、今回は依頼とことで、御伽銀行に任せてくれとことに。
情報を制するものはコンテストを制する。とことで、『宇佐見はエンコーしている!!』という見出しの嘘情報を流すなど、あらゆる汚い手を使って美々を貶める。いや、乙姫を上げていこうや……
それらはあまりにヒドイ。
これじゃあ美々がかわいそうだよ……って……
『お前もかーー!!』
ヒドイ人ばっかねw
美々のエンコー疑惑、乙姫のヤリヤリ疑惑で互いの認知率はアップ。それにしてもこれは醜い争いだ。
こういうのが苦手だという涼子がふとコンテスト出場候補者一覧を見てみると、そこには涼子の名も連ねてあった。
御伽銀行全員エントリー。いいじゃないですか。
そんなこんなで三日が過ぎて。
うさぎとかめ。二人の知名度は上がっているものの、高感度は落ちている。それでもリストは大丈夫だと言い、文化系の部からも美々の票を奪うことに。
リストの考えによると、林檎が行けば美々の票も奪えるという。どっちもロリだものね。
しかし、美々ももちろん活動している。とことで、写真部で美々と遭遇することに。そこで美々と乙姫だけでなく、林檎も含めた口論が勃発する。放送禁止用語の部分はナレーションがカバー。お疲れ様です!
この醜い口論の結果、美々は親衛隊すら失うことに。
もちろん、この部の皆が乙姫たちにも怯えたのは言うまでもない。
コンテスト前日。
乙姫と美々の知名度は上がり、好感度は下がる。それでもリストによれば順調とのこと。
そして明日の投票には乙姫に入れてはダメだと亮士たちに言う。何を企んでいるか……
明日は水着審査があるとことで、乙姫は着る水着を選ぶ。そんな中で、小学校の頃を思い出す。
美々が謀ったことにより乙姫が掃除当番を任されたところで声をかけてきたのが浦島。彼がいたからこそ今の自分がいる。そう思うからこそ、乙姫は綺麗になることを望む。
「太郎様が、私のことを――誇れるように」
眠ってしまっていた乙姫。
その傍らには浦島がいた。
「あんまり……無理するなよ」
うんうん。
当日。
下桐すずめのMCにより、コンテストは開催される。
エントリーした女性たちが水着姿で現れる。
それに亮士は興奮。ここからが本番だというのに。
とことで涼子登場……も、いつも通りの姿に亮士がっかり。
『ヒロインはそんな簡単に水着になりません』
残念。
アピールタイム。
見た目は白うさ、中身は黒うさ、宇佐見美々。
心は真っ黒毒林檎、赤井林檎。
ヤンキー系ツンデレ未満、大神涼子。
昼は淑女で夜は娼婦、竜宮乙姫。
それにしても紹介がヒドイwww
アピールタイムを終えたら投票。
そして投票を終え、即日開票で結果が発表される。
まずは10位~4位。
御伽銀行からはおつうが10位にランクイン。
そしてこれからが本番というベスト3の発表。
3位。魚住メイ。
2位。吉備津桃子。
1位。白雪姫乃。
乙姫も美々もランク外とことに。
美々は悔しがるが自業自得。そんな彼女に嫌味を言う林檎と美々とのバトルが勃発する。
そんな中、乙姫は静かに立ち尽くしていた……
コンテストが終わり。
一人になった乙姫の目からは涙が溢れてくる。
「落ち込むにはまだ早いよ」
落ち込む乙姫に声をかけたリストは、彼女に最終結果を示す。
宇佐見美々 0票
竜宮乙姫 1票
大事なのは美々に勝ったことではない。乙姫の一票というのが、誰が入れたのかということ。
それは、乙姫が本当に欲しかった、本当に大好きだった浦島の一票なのだから。
御伽銀行が乙姫の好感度を落とさせたのは、にくい演出だったとこと。
大事な一票の重みを知らしめるための……。
浦島は、乙姫が気にしていた過去のことを気にしない。
「他の人間の評価なんてどうでもいい。この俺がかわいいと思ってるんだから、それで充分だろ」
その通り。
自分が一番に想う者に想われていれば、それで充分すぎるもの。
そのことに気付けたのは、乙姫にとって非常に大きなものであっただろう。
『かくして、うさぎとかめの戦いを制し、乙姫さんは、今の乙姫さんになったのでした』
過去があったからこそ今がある。
素敵な今の礎となった過去のことを、誇りに思ってもらいたいね^^
今回の件で、今までの借りを惜しみなく使うこととなった御伽銀行。それでも乙姫たちがうまくいったのだから安いものだろう。
コンテストの結果、涼子にも一票入っていた。
「俺にとっては、涼子さんが一番ッスから」
愛し愛されて、素敵だね^^
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