伝説の勇者の伝説 #010『夕暮れ』後半

ローランド城
シオンはライナから送られてきた報告書を読む。
そこには、勇者の遺物を所有する正体不明の男女に襲撃され二人は遁走したことなどが書き綴られていた。
それを読んでいたところで、部屋にエスリナがやってくる。

「アスタール様。何時間お仕事し続けるつもりですか? 食事もまた手をつけてらっしゃらないし」

エスリナのその忠告は、フィオルの面影が重なるもの。
エスリナだけでなく、カルネとクラウもシオンの様子を気にする。
こういう時のシオンは実力行使で止めねばならない。カルネからそういったことを学び、エスリナはフィオルがそうであったようにシオンのために尽くしていく。

「主君思いの部下に恵まれて、ローランド王は幸せ者ですね」

そう言いノアがやってくる。
何気ない一言だが、彼女が言うとまた重みが違う。サラウェルという部下がいただけに。

ノアはローランドの生活に慣れてきたよう。

「クロム少将も、良くしてくださりますし」
その言葉に、クラウは赤面する。
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あら可愛い^^

「シオンに何か用か?」
話を変え誤魔化そうとするクラウだが、そううまくはいかないもの。

「用って……お忘れなんですか? 今晩、私と食事の約束は……」
「あれ? 今晩は晩餐会があるって……」

それに対し、明日に延期になったと慌てて言うクラウ。いろいろ立てこんでて大変そうね^^
ともかく、ノアはクラウをお借りしていくことに。

「どうぞどうぞ」
譲る者はいれど、立候補する者はおらず。
だってダチョウ倶楽部じゃないのだから。

「ノア嬢は、エスタブールのために、自ら人質になったようなものだ。クラウが傍にいてやることで、少しでも支えになってくれるといいが」
「きっと、大丈夫ですよ」
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エスリナがそう言うんならそうなんだろう。エスリナん中でry

ともかく、フィオルを失いシオンの傍にいることになった彼女は、確かにそれが心の支えになっている。さきほどの言葉は、エスリナ自身が大丈夫だと答えたのと同義でもあるだろう。
そんなところで、ミランがやってくる。

「私の意見書には、目を通していただけたでしょうか」

いい声だ。
それはともかく、ミランが言うのは大陸北方の情勢。
「大陸北方に強大な勢力を誇る大国・ストオル。そこに現在、猛烈な速度で侵略を進めているのが、大陸最北端の新興国家・ガスターク」

周辺の小国を次々と併合しているというガスターク。それにより、メノリス大陸の均衡も崩れ始めてるとことで、いずれ大きな戦乱が始まるのは避けられないという。

「我々の急務は、早急なローランド帝国の統一。貴族どもの力を一掃し、国内が一丸となって当たらねば、この国は戦禍の渦に飲み込まれて消えるでしょう」
そのためにすべきことは一つしかない。

「粛清……か」

それはシオンもわかっている。
しかし、それをおこなうことに抵抗がないわけではない。だから迷っているし、厳しい表情にもなってしまう。
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ミランはシオンが優れた良き王であることを認めている。このまま時間をかけてこの国を変えていけば、全ての民がシオンに従うようになることも予想している。
「しかし、その頃にはローランドはとっくに、他の国に滅ぼされていることでしょうが」
なんか七花の決め台詞っぽい。

それもともかく、シオンは決断せねばならないか。

「どんな決断を下されようと、私はあなたに従うのみです」
ミランに信頼されたシオンの下す決断はどのようなものか……



ローランド城内 庭園
ミランはステアリード公爵と話す。

ステアリード公爵としては、頭が切れるミランを欲している様子。
シオン相手では自分の意見が通らないと言うミランを、望むままの報酬を出すと言い勧誘する。
貴族かシオンか。どちらにつくべきかなど、とうに答えは出ているというのに。

「あなたはどうも、他の貴族の方々同様、頭の巡りの悪い方のようですね」

望むままの報酬は、シオンこそが実現できる。
ミランはシオンの優しい側面をカバーし、周りに蠢く虫けらどもを潰す役割を担っている
そんなミランは、逆にステアリード公爵に訊く。

「あなたはどちらにつきますか?」

この国に巣食う古い勢力どもか、ローランド王のシオン・アスタールか……



ローランド帝国 迎賓館
「少し遅くなってしまいましたね」
「それってもしかして、俺が約束すっぽかしたことへの嫌みだったりするか?」
「いいえ。私は、そんな小さなことを、いつまでも怒っているような女に見えますか?」
割と見えなくはない。なんて言ったら怒られるだろうか、ハハハ。

それはともかくとして、クラウは女は難しいと考えているようだった。

「あら。クロム少将は、随分と女性についてお詳しそうですね」
こういうところが何か怖いのだよ、ハハハ。

それもともかくとして、ノアはこんな夜遅くに外出したことがないと言う。
綺麗な夜空……と言うほど綺麗ではないかもしれないが、クラウと一緒にいることで、ノアに見える空はとても綺麗なものになっているだろう。

「あなたのような人がローランドにいてくれて、本当に良かった」
ノアのそのつぶやきはクラウには聞こえなかったものの、ノアに改めてお礼を言われたクラウはまたも赤面する。
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紅頬のクラウ、ここに生まれり。



「遅くなってごめんなさい」

クラウと別れた後ノアが部屋を訪れると、そこでは幾人かが殺されており、また生き残ってるメイドたちも人質になっていた。
ノアも刃を突きつけられるが、聡明な姫だけに落ち着いている。

「叫べば、皆を殺す。そういうことでしょう?」

理解していて叫ばないとことは、犯人たちの命令にも従うとこと。
とことで、犯人はまず服を脱ぐよう命令する。



馬車に揺られてどこに行く~……
クラウが帰路についていると、

「クラウ!」

ノアの声が聞こえてくる。
助けを求めるノアの心を感じたクラウは、すぐさま迎賓館へと引き返す。


部屋に駆けつけたクラウの目に飛び込んできたのは、怪しき犯人たちと、そいつらにより裸にされたノアだった。
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「彼女に何をした」
「まだ何も」
「何も? なら何でそいつは泣いてるんだ」

そう。ノアは泣いている。
だから何かされたのではないかと考えてもおかしくはないところであろう。

「いずれにせよあなたは何もできない。その傷では」
「んなことは訊いてねぇ。何でノアが泣いてんのか、訊いてんだよォ!!
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この部屋に入ってくる際、右肩に傷を負わされたクラウ。
しかし、そんなことは構わず、紅指と呼ばれる所以であるその右腕を振るう。

「求めるは雷鳴――」
相手はローランドの魔法を使い……



ルーナ帝国 国境付近
目的のレジット村の近くに来ていたライナとフェリス。

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「レジット村は、悪魔に呪われているのだという噂だったな。いかにも遺物の手がかりがありそうではないか。なぁ、ライナ」

フェリスのその問いかけに答えず、ライナは考え込む。
そんなライナの頭をぶっ叩き、フェリスは先を急ぐ。

フェリスとライナには大事な任務が課せられている。
「全ての団子の自由を、あの傍若無人な王から守り抜くという任務が!」
「何の話だよそれは……」

ライナがフェリスの意見に反論する権限はない。いつものごとく剣を突き付けられるのみ。

「団子のために、しっかり頑張らせていただきます」
本当に素敵なコンビだ。

とことで気を改めて進んでいると、少女の悲鳴とそれを追う男どもの下賤な声が聞こえてくる。
ライナ達の前で堂々と少女を殴る二人の男ども。その二人をフェリスが気絶させたところで、少女はライナ達に助けを求める。

「アルアを…アルアを助けて!」
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涙ながらにそう懇願する少女。

「アルアは化け物なんかじゃないのに……!」
その言葉から、アルアがどんな運命を背負った者であるか、ライナとフェリスはすぐに気付くことができたであろう。



王宮 執務室
ノアが襲われたという報告がシオンにはいる。
クロウの活躍で事なきを得たものの、危ないところであったのは確か。

「ローランドとエスタブールは、ノア嬢の存在によって、融和の道を進みつつあります」

今ノアが死ぬようなことがあれば、再び反乱が起こるのは避けられない。そしてその怒りが、ノアを庇護していたシオンに向くのは自然なこと。本当に危ないところであった。
しかし、シオンが気にしてるのはそのようなことではない。ノア自身が危険な目に遭ったことに、シオンは怒りを感じているであろう。

国の利益を考えない貴族らしいやり口。それを目の当たりにしたシオンは、貴族に下す決断がミランの示すものへと傾き始める。

ミランの示す道は先に述べた通り。
「まずは貴族への迎合。たとえノア嬢の命を狙われても、陛下は彼らを追及しない。あくまで彼らを受け入れ、甘い汁を吸わせ、存分に油断させるのです。そして――」
「皆殺しにするのか?」
「必要とあらば」

シオンが今気にするのは民のこと。
「その僅かな間にも、多くの民が虐げられ、飢えて死ぬことになる」
「それが何か?」

ミランにとっては何でもないことなのだろう。

「ノア嬢を襲わせたのはお前じゃないだろうな?」

前科があるだけに、シオンはミランに疑いを持つ。しかし、今回は無関係なよう。
そんなミランを下がらせ、シオンは窓の外を見つめる……



アルアは幼馴染なのだと少女・ククは言う。
平和な日々を送っていたのだが、ある日村に兵士がやってきて父も母も殺された。
そして少女も殺されそうであったが、そんなところでアルアが突然魔法を使ったのだという。
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目の中に浮かんでいたものを目撃したことからも、アルアがアルファ・スティグマ保持者と考えて間違いないだろう。

アルアは化け物だと言われ連れて行かれた。それは誰かと同じような運命を辿っている。

「よし。では行こうか」

だからこそ、フェリスはアルアを助けに行こうとする。

「アルファ・スティグマを放っておくわけにはいかないだろう。いつ暴走が起きてもおかしくない」

つい最近、それを目の当たりにしているのだから。
とことで、アルアが連れて行かれた先へと向かうことに……


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