刀語 10話『誠刀・銓』

とがめは嫌な夢を見て苦しむ……

とがめが不思議な現象で苦しんでいるのは、ここ奥州百刑場に来て誠刀・銓の所有者である彼我木輪廻に会ってからである。


三日前。
百刑場。そこは、反乱に関わった者が処刑された公開処刑場。七花ととがめにとって因縁の場所であった。

人がいるように思えないそこで、彼我木輪廻は突如姿を現す。
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七花にとって少女に見える輪廻。とがめには、また別の人物に見えていた。
それはとがめのトラウマとなっている姿か……



とがめ一人で穴を掘れば、その下に埋まっているという刀が手に入る今回。とがめは精神的に苦しんでいても、掘り続けようとする。

いつもならば奇策を使うとがめだが、輪廻にはもう会いたくないとことで純粋に穴掘りを続ける。
その間、七花は輪廻と話をする。

輪廻は300歳。人間だった頃を含めれば350歳だという。
七花は輪廻に見覚えがあった。それもそのはず、輪廻は七花の記憶の投影なのだという。

よくよく見てみれば、輪廻にはどこか面影がある。
凍空こなゆき。
鑢七実。
汽口慚愧。
敦賀迷彩。

苦戦した4人。それが合わさった姿が、輪廻となって目の前に現れていた。
七花の奥底に眠る苦手意識。輪廻の前では、それを押し隠すことはできないか。

それはとがめも同じ。彼女には忘れられぬ過去があった。今までそれを心の奥深くに封印していたが、輪廻と会うことにより、否応なしにその記憶と向き合わねばならなくなってしまっていた。



残り二人のまにわに。鳳凰と人鳥は、二人で奥州を目指していた。
鳳凰は、先日襲ってきた右衛門左衛門に心当たりがあった。しかし、その誇り高き忍者は死んだはず。気のせいかどうか……



穴掘りを続けるとがめに対して、七花は暇をこいていた。
そこで輪廻が現れ、慚愧と戦った時のことを思い出させられる。
さらには七実とのことも……

「刀が刀を使っちゃいけねぇ。それが、あんたの言う虚刀流の呪いなんだな」

七花は少し何かがわかったよう。

人を食った性格である輪廻。その性格は、とがめの記憶から形成されたものだという。
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とがめが苦手なそれは、飛弾鷹比等。父親に瓜二つだというその性格は、まさにその者のものだという。
とがめはこの地に来て、父が言い残したことを思い出すようになった。それが記憶と向き合うことに関係しているのだろう。



否定姫の悲願達成は近いという。
思惑通りに事が進んでいるが、否定姫には少し気になることがあった。
それは十日前、誠刀・銓の在り処を教えた時のこと。七花の様子は明らかにおかしかった。その理由は何なのか、興味本位であれば実に気になるところだろう。
それを調べるよう否定姫に命じられ、右衛門左衛門は出発する……



七花は輪廻に言われたことをとがめに伝える。とがめが忘れている大事なことは、自分の苦手意識と向き合わなければ思い出せないと。
七花も戦う目的の答えを見つけるために、輪廻と戦う覚悟でいた。
とことで、早速七花は輪廻と戦う。

輪廻は七花よりも弱い。そのはずであるのに、七花の攻撃はなかなか当たらなかった。
それもそのはず、輪廻は戦おうとしていなかった。そんな者を相手に、七花はどうするか……


ひたすら穴を掘るとがめは、自分の苦手意識を思い出そうとする。
その記憶の中で、とがめは父の死を目撃した。父を殺したのは鑢六枝。思い出したくもない過去だろうが、その苦手意識と向き合わなければとがめは本当に大事なことを思い出せぬか。
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七花は苦戦する。
それは、七花が己の能力を攻撃と防御半々に使っているため。
防御に専念する輪廻のそれを打破することはできない。輪廻のそれは、まさしく誠刀防衛なのだから。

輪廻は七花がこれまで人を殺したことに言及し、覚悟が足りないと言う。
自分がやっていることは何と釣り合うのか。それを考えねばならないか……


こなゆき、迷彩のことを思い出し、七花は戦う理由に答えを出す。

「決まってるだろ。とがめのためだ」

答えを出した七花はとがめのところへ行き、防衛に専念する相手を打破する術を求める。
とがめはそれを教えようとしたところで大事なことに気付き、誠刀・銓を見つける。

「僕は君のことが大好きだった」

とがめは大事なこと……父の最期の言葉を思い出した。
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輪廻は七花を通して謎かけを持ちかけていた。それで気付きがあったからこそ、とがめは誠刀・銓を見つけることができた。

「誠刀・銓とは、己自身を測る刀。人を斬る刀ではなく、己を切る刀、己を試す刀、己を知る刀。だから刃なき刀、無刀ということだ」

答えを出したとがめは、輪廻の性格のもとが誰なのかを言う。

「私の……父だ!」

とがめは、父のために刀集めをしていると言っても過言でないほど大切な存在。けど苦手である。それを認めたからこそ、今の結果となった。
七花を再びけしかけはせず、誠刀・銓の答えも出した。さすがはとがめといったところか。


正解の褒美として、とがめは気になっていることを訊く。四季崎記紀とはどのような男であったかと。
その答えは、否定的だというものだった。どこかで聞いたことがあるが……

それだけでなく、新しい事実が知らされる。
完成形変体刀十二本という秀作を経て、完了形変体刀虚刀「鑢」が作られたのだと。


輪廻から大きなことを学んだとがめと七花は、次なる刀へ向けて歩み始める。
この地で大事なことを思い出したとがめは、上を向いて歩く。
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涙をこばさぬよう、そして父に笑顔が届くように……


歩いていると、二人はあっという間に出羽までやってくる。
せっかくだから将棋村に寄っていくという案もあったが、とがめがそれを却下。嫉妬深いですな。
そんなとがめに、七花は断言。

「俺はとがめのために戦っている。それが俺の出した答えだ」

そう言う七花に、とがめはジャンピングチューを試みる。しかし、それは見事に失敗に終わってしまう。何故かと言うと、七花が傷つき倒れた人鳥を発見したため。
自分のことはどうでもいいと言う人鳥は、鳳凰を助けるよう願う。
何が起きているのか……


刀語 第十話 誠刀・銓 (講談社BOX)
講談社
西尾 維新

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