とことで、初佳に携帯を渡してもらうように頼み、悠は掃除へと戻る。
帰り。
悠は、瑛が一葉のお姉ちゃんであることを想像する。
もしやそういうプレイではあるまいかという妄想までしてしまうが、まさかそんなわけ……というところで、一葉がものっそい勢いで悠に駆け寄ってくる。
「盗み聞き、していましたね。私たちの会話」
悠はその事実を否定せず、誰にも言わないと約束しようとする。
「女の子同士っていうのも、本人たちが幸せなら、うん」
えらい勘違いをしている。
一葉も悠がどんな誤解しているか気付き、
「変な誤解しないでください!」
このような誤解をされるのなら事実を語るべきか。
「本当に私の姉なんです」
一葉はそう打ち明ける。
瑛と一葉は異母兄弟。しかし、父は瑛のことを認知も援助もせず放りだした。
「だから私が、その分瑛のために何でもする。そう決めたんです」
実にええ子や……
春日野家。
悠は何気なく穹に訊く。
「実はもう一人兄弟がいたとしたら、どう思う?」
穹は無言で手にしていた人形をポトリと落とす。
唐突な質問だものね。仕方ない。
あくまで喩え話だと知った上で、穹は答える。
「ハルだけで充分。他には何もいらない」
それはそれで、悠にとって嬉しい言葉だろう。
翌日。
悠はいつもと変わらず瑛&一葉と挨拶をする。
一葉はヴィオラを持ってきていた。コンクールに向けた練習というわけではなく、聴いてもらいたい人に聴いてもらえればそれでいいという一葉のそれ。
もったいないとも感じられるが、それはそれでとっても素敵なものだろう。
「優しい音色だろうな」
悠はこうやってフラグを乱立してるのだろうな……
そんなところで、一葉にカバンがクリティカルヒットする。犯人はヤス……ではなく亮平。乙女に思いっきりカバンをぶつけたのに、あんまり悪びれた様子が感じられないのがすごいw
その亮平の誘いにより、悠たちは休日に海へとやってくることになった。
海水浴場で写真を撮る、ガチで危ない亮平。それでも彼なりに穹が馴染めるように気を遣っているのだろうきっと。
悠は穹の保護者として、一葉は瑛の保護者として、通ずる点があるのだろう。荷物番をする二人は苦労を分かち合う。
若さについていけない初佳と荷物番を代わり、一葉と悠も皆のもとへというところ。悠のノリが今一つ悪かった。
とことで、二人はなおもパラソルの下でイチャイチャする……
帰りの電車。
その中でも、悠は皆と少し離れた位置で一葉と二人きり。恋人っぽさを醸し出していた。
風になびく長髪を優しく抑える一葉。美しい彼女の姿に見惚れた悠は、一葉の手に自分の手を重ねて言う。
「今度……聴かせてくれないかな? ……ヴィオラ」
一葉が聴いてもらいたいと思う相手になれれば、それはさぞ素敵なものだろう。
その大切な存在になるべく、悠は頼んだ。
「自信ないですけど……いつか」
一葉もそれに承諾する。
穹は二人の様子をどう感じるか……
とある日の下校。
穹を待っていた悠だが、穹は友達と帰るため先に帰るよう言われる。
一葉も今日は瑛と一緒ではない。とことで、悠と一葉とで帰ることに。
頑張りすぎな瑛の負担を少しでも減らすべく、一葉の誘いを受けた悠はともに夏祭りの準備へと向かう。
他に夏祭りの準備をする方々に混じり、悠も一葉に教えてもらいながら準備を進める。そんな中、一葉に電話がかかってくる。
「父は関係ないでしょ!」
詳しい内容まではわからないが、一葉は通話相手にそう叫ぶ。皆も驚きだ。
一葉はお嬢様として他にもやるべきことがある。遅い時間になると、2時間の遅れとことで高級車に乗りさっさと去っていってしまう……
一葉にヴィオラをプレゼントしたのは父だった。一葉は父に褒められるためにヴィオラを練習した。父に褒められればそれだけで満足であっただろうから。
しかし、今はもう……
翌日。
家に穹を放置して、悠は一葉と会う。
一葉にいろいろ予定があることを心配していた悠だが、今日は何も予定がないとことで二人の時間を満喫する。
しかし、瑛のいる神社へ向かうと、ある者を目撃してしまう。
「……お父様」
一葉の父は、人当たりが良い人物。
初めて会った悠は悪い印象を抱かなかったであろう。
「お父さん、天女目の様子を見に来たとか」
だからそういった言葉が出てくる。しかし、一葉はそれを強く否定する。代議士としていい顔をするために顔を出したのだと。
お祭りの本番では、瑛が奉納の神楽を舞う。由緒ある行事だから町の偉い人たちが呼ばれるというその行事だが、父は行事が終わるとすぐに帰ってしまうという。
ならば一葉の言ってることの方が正しいかもしれないが……
せっかくの休日に嫌な気分でいてはどうしようもない。
悠は一葉とともにちょっぴり遠出し、二人きりのデートを満喫する。
存分に楽しんだ二人は、瑛の誕生パーティーに出る約束をして別れの時に。
別れを惜しんでか、悠は別れ際に一葉とキスをする。本当に強引ね……w
一葉たちを待っていた瑛は、穹を発見したとことで話しかけてみる。
似た保護者を持つ者同士、伊福部商店にてアイスをペロペロ。
その頃、悠と一葉は二人でペロペロw
今はまだいいとしても、穹にこのことがばれたら大丈夫なのだろうか……?
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