とある魔術の禁書目録II #10『速記原典(ショートハンド)』

吹寄が急患として病院に運ばれる。

通常であれば熱中症で倒れたと考えるのが自然ではあるが、彼女の場合はそうでない。
うっすらとした意識の中、吹寄は上条さんの悲しそうな顔のことを思い出していた。ずっとそうなってしまうのなら、それは嫌だ。皆に楽しんでもらうためにここまで頑張ってきたのだから……

「私は…助かるの……?」

吹寄は傍らに立つ医者に問う。

「僕を誰だと思っている?」
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カエル顔に不可能はない。



konozama状態のステイルに、速記原典-ショートハンド-を破壊したという連絡が入る。
とことで、理派四陣の探索術式を再開することになる。

生徒も一人やられたことが伝えられ、ステイルは上条さんが荒れているか訊く。
それをわかっているならやるしかない。倒れてしまった生徒のためにも。

『誰だって完璧なわけじゃない。だからこそ、自分の未熟を悔いている……か』

ステイルはオリアナの位置を特定。土御門に指示をし、オリアナを発見する。

土御門と上条さんでオリアナを追うものの、彼女は自律バスに乗り込んでしまう。
バスに客は乗っていたか。土御門がそれを訊くのは、今の状況においてそれが大事な情報であるため。上条さんはいなかったと答える。

「なら安心だ。ステイル。514457だ」

バスにはステイルのルーンが貼られていた。それが発動し、バスは横転、爆発する。

「うっふふふ……。物理的な炎では、お姉さんを熱くすることはできないわね」
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オリアナが姿を現す。

「もっとも、多少焦って濡らしちゃったけど。見てみる? 下着までびちゃびちゃだよ」

見てみるー!
(*゚Д゚*)ハッ!

上条さんはオリアナの術式で関係の無い人間が倒れたことを告げる。
少しでも良識があればその言葉に意味はあっただろうが、オリアナには無影響。しかし、彼女は傷つける気はなかったと言う。

「こういうのとは違って」

新たな速記原典-ショートハンド-。今度は土御門が苦しめられることとなる。

「再生と回復の象徴である火属性を青の文字で打ち消しただけ」

一定以上の怪我を負った人間を昏倒させるその術式は、上条さんの右手でも止めきることはできない。
カードを潰さねばダメだと気付いた上条さんは、オリアナと対峙する。

「刺突杭剣-スタブソード-なんて物の価値は知らない。それがどれだけ歴史を大きく変えられるのか……世界をどういう風に動かしていけるかなんてわからない。……けど、そんなくだらない物のために、誰かが傷つくなんて間違ってる! こんなつまらない結果しか生まないような道具なら、俺はそいつをこの手で砕いてぶっ壊してやる!!

オリアナは仕事だから仕方なかったなんて言い訳をしない。
「どうやるかは、お姉さんに任されてるわけだし」
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今起こっていることがオリアナの意思だと知った上条さんは彼女のもとへと突っ込んでいく。
壁を作られても魔術である以上、上条さんには意味をなさない。しかし、それで注意力が逸れた隙に別の攻撃が上条さんを襲う。間一髪でそれを防いだものの、多少の切り傷を負ってしまう。ここで土御門に使った術式を使われてはマズイというところであったが、オリアナは次々と別の攻撃を放ってきた。

「お姉さんは一度使った術式を何度も使う趣味はないの」

それは余裕か、彼女の美学か。ともかく、それでも彼女の強さは確かだった。
通常の人間ならもう立ち上がれないくらいに攻撃を受けた上条さんであったが、彼はなおも立ち上がろうとする。

「次は明色の切断斧-ブレードクレーター-。 あなた。そこから動けば死ぬわ」

彼女がなるべく危害を加えたくないと思っているのは本当だろう。だからこそ、致命傷にはならない魔術を使い、このように相手に降参を促す。上条さんもそれを心のどこかで気付いていたのかもしれないし、そうでないのかもしれない。どちらにしろ、次にどうすべきかは彼の中で決まっていた。吹寄が今日まで準備を頑張ってきたのを知っているからこそ、それが台無しになることは絶対に許せない。このまま放っておくしかないなんて……

「それで満足できるわけねぇよなぁ。上条当麻!!」
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上条さんは相手の忠告を無視してオリアナに向かって突撃。それに彼女は少なからず動揺していた。
やはり魔術が発動してしまうことを恐れたのだろう。しかし、上条さんに対しては杞憂。この魔術すらもその右手で破壊してしまう。

「なら、昏睡の風-ドロップレスト-!」

それも上条さんの右手の前には無意味。
間合いを詰めれば上条さんのターン。彼は自慢の右拳でオリアナの顔面を殴り飛ばし、彼女のセクスィーな姿を作り出す。
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しかし、それで土御門にかかった魔術は解けないし、オリアナはまだ立ち上がる。
素人にしては上出来だとしても、オリアナはこういったことは経験豊富で慣れていて欲求不満が募るレベル。

戦いはここまで。
彼女は殴り飛ばされた際に手から離した刺突杭剣-スタブソード-を放置し、この場を後にする。土御門へかかった術式の効果は20分とことで心配はなイカ。あっ、心配はないか。

上条さんはステイルに連絡し、刺突杭剣-スタブソード-の破壊を命ぜられる。
とことで梱包を解いてみるが……

「何だ……こりゃ……!」

そこに入っていたのはただの看板だった。



オリアナはリドヴィアに連絡しつつ魅力的な衣装に着替える。
看板は回収されたために刺突杭剣-スタブソード-についてはばれてしまっている。それでも取引自体は問題なく、邪魔させないことに自信をのぞかせていた。

「この取引で、皆が幸せになるというならなおさら……ね」



「刺突杭剣-スタブソード-のオリジナルは存在せず、人々の勝手な憶測が伝承として残りてしまった」

それが真実だった。
チャールズ=コンダーと呼ばれた男によると、刺突杭剣-スタブソード-と呼ばれていたそれは剣ではないのだという。
使徒十字-クローチェディピエトロ-。ペテロの十字架だという。

それを知ったローラは今回の取引の意味を悟る。成立してしまえば、学園都市が崩壊する以上のことが起こるのだと。


上条さん達もその情報を得て、ステイルから嫌な情報を聞かされる。

「どんなに理不尽な要求でも、どんなに不条理な重荷を背負わされても、誰もが幸せしか感じられない世界が出来上がる」

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それはCの世界ならぬMの世界といったところか。
取引というのは、学園都市と世界の支配権そのものということ。厄介なものだ。

しかし、上条さん達がやることは変わらない。

「止めるよ。この取引」
世界が崩壊よりも厳しい現実に直面する前に……



インデックスは上条さんを発見し、彼の名前を呼ぶ。
しかし、考え事をしていた彼はそれに気付かず。

「とうま!」

ようやく気付いた頃には、インデックスはムッとしていた。
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チアの格好をしている彼女を見て、上条さんは思い出してしまう。お着替え中を見てしまったことを。

「何か今、いかがわしいシーンを思い出そうとしてるね?」
その通りでございます。

不機嫌な様子のインデックスを見て、上条さんは腹を空かせているのだろうと予測する。
しかし、今回はそういうわけではない。インデックスは上条さんを応援するためにこんな格好をしているのだから。

「てっきりいつものように、お腹がすいてイライラしてるだけだ…ったい――!」

インデックスは上条さんの頭をポコポコ叩く。
いつもと違うじょ……



刀夜と詩菜。
二人の元に、朝会った女性が駆け寄ってくる。
美琴を連れた彼女は、二人のことをこっそり紹介する。

「美琴ちゃんの、気になる男の子の親御さんだよ」

美琴動揺。
そりゃあそうだろう。両親にご挨拶だというのだから。

お昼は両家でご一緒にと決まったところで刀夜にセクスィーな女性がぶつかってくる。
オリアナ。彼女に頬を染める刀夜であったが……

「あらあら。これまた刀夜さんったら」
詩菜さん怖いですw

「やっぱり親子なのね」
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美琴は詩菜の立場にならないとね^^


上条さんは刀夜たちと合流する。
御坂さんには挨拶しつつ、美琴は完全に無視。

「ちょっとあんた。何で私のことだけいつも検索件数0状態なのよ!」

流れ的に。
そう言う上条さんであったが、それに対し美琴はインデックスの存在を指摘する。
両親も詳しくは知らないのだからもっともなことだろう。泊まりがけで海へ行った時も一緒だったというのに……

「う、うう、海!? と、泊まりがけで、海って……」
「かくいう短髪だって誰なの? とうまのガールフレンドか何か?」

上条さんの学校の応援にも来ていたことを指摘され、美琴は動揺する。
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ともかく、これから食事なのだからと、御坂さんは美琴を落ち着かせる。
この女性は美琴の姉か。そう訊いてみるも……

「私は御坂美鈴。美琴の母です。よろしくね」
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「「母ぁー!?」」
若ぇよw




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