アマガミSS 25話“上崎裡沙編『シンジツ』”後半

帰りの途中。
純一は裡沙と初デートをした思い出の公園へとやってくる。

「あれ? 橘君?」
そこで、思いがけない相手と遭遇してしまう。

「蒔原……さん…?」
「久しぶりだね!」

蒔原美佳。ここで偶然出会った彼女は、かつてのクラスメイト。今は輝日南の生徒だという。

この蒔原こそ、純一がトラウマを抱える原因となった……二年前のクリスマスデートをすっぽかした相手である。
そんな彼女が、純一に訊きたかったことがあると話を持ちかけてくる。

「あの日……二年前のクリスマスの日、何で待ち合わせの場所に来なかったの?」
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衝撃的な一言。

二人の間では、認識の違いがあった。
この公園でずっと待ってたと言う純一だが、蒔原はそれをおかしく思う。

「だって、待ち合わせのは、あなたが変えたじゃない」
もちろん、純一にはそんな覚えなどない。

「でも私、あなたから待ち合わせ場所を変えたいって伝言をクラスの子から聞いたから、ずっと映画館の前で待ってたのに」
「そんなの知らない……」
「ほら。誰だったかな。あんまり目立たない子だったけど、あの子……」

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創設祭当日。
純一は、二人だけの場所へとやってくる。

「いらっしゃい」
そこでは既に裡沙が待っていた。

「一緒に創設祭を回ることを、考えてくれた?」
「あ、あたし、橘君さえいてくれれば、創設祭なんて別に…」
「もしかして、僕と一緒にいるところを人に見られるのが嫌なの? 僕……裡沙ちゃんと釣り合ってないかな?」
「そんなこと…! そんなことあるわけない!」

でも無理だと……付き合う資格はないと、裡沙は言う。

「教えてほしい。裡沙ちゃんは、何を僕に隠しているの?」
「全部知ったら、きっとあたしのこと嫌いになっちゃう。だから……話したくない」
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「僕は裡沙ちゃんのことが好きだ。だから、裡沙ちゃんが一人で苦しんでるのが僕も辛い。お願いだから話してよ」
純一は裡沙の肩を掴んで、自分の想いを伝える。

「いいよ。じゃあ、教えてあげる。あなたが二年前のクリスマスに待ち合わせをすっぽかされて振られたこと。あれはあたしのせいなの」

衝撃的な一言。
純一の手から力が抜けていく……

「だってあの子…待ち合わせの場所で、クラスの友達と待ち伏せて、その場で振ってやろうって。みんなで楽しむために、あなたのデートの誘いをふざけて受けて。あなたは覚えてないみたいだけど、あたしはあの時、あなたと同じクラスだったかあ、彼女達から誘われたの」

「許せなかった」

「あたしは橘君のこと、ずっと本気で好きだったのに。あなたが好きになった人ならって、諦めようとしてたのに…。だからあたし、あなたの伝言だって言って、蒔原さんに嘘の待ち合わせ場所を伝えたの」
蒔原が言っていたのは裡沙のこと。

「でも結局、あなたはあの時、とても傷ついてしまった。だからあたし、あの時あなたを守れなかった責任を感じて、あなたに告白しないって決めたの。でも、最近あなたが二年前のことをやっと忘れようとしてくれたみたいで、積極的に女の子と仲良くするようになって、あたし思ったの……。また橘君がほかの女の子に傷つけられたらどうしようって。だったら、あたしが橘君と付き合って、ずっと守ってあげようって考えた!」
「それで……」
「そう。それで思い切って、あなたに告白したんです」

それが二年前の真実。
それだけであれば、別に純一と付き合ってることを知られても問題はないはず。輝日東には蒔原もいないのだし。
しかし、二年前の話はフラグクラッシャーの序章にすぎない。

「最近、あなたが仲良くなった女の子とうまくいきそうになったら、あたし、妨害してたの。あなたには、もう付き合ってる女の子がいるって言って、でっちあげの証拠写真まで作ってみせて…」
「何でそんなこと……」

簡単に言えば、愛ゆえ。
他の女の子では純一を傷つけるのではないかと思い、彼を守るために行動した結果、その女の子たちを傷つけることとなってしまった。
「でも、本当はただのヤキモチだったのかもしれない。橘君を取られたくなかっただけ。だから…そんなことしちゃってたから、今更橘君とあたしが付き合ってるなんて言えないの」

外では雪が降り始めてくる。

裡沙の愛の重……強さがどれほどのものかは、純一もわかったことだろう。では、何故そんなにも想ってくれているのかという疑問が浮かび上がる。

「あなたは覚えていないみたいだけど、あたしは小学校もあなたと一緒だったの。転校生だったから、途中からだけど」
「……ごめん。覚えてない…」
「ううん。いいの。あたしは地味な子だったしね」
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転校して間もなく友達がいなかった頃。
給食を残すことに厳しい小学校であったが、裡沙は牛乳が苦手で飲めないでいた。
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「でもその時、あたしの牛乳を飲んでくれた男の子がいた」
それが橘純一。
それ以降も、彼は裡沙の牛乳をずっと飲んでくれたのだという。

「それだけ?」
「他の人にはそれだけって思えるかもしれない。でも、あたしにとっては特別なこと。あたしはそれから、ずっとあなたのことが好きで…あなたを、見てきたんです」
執拗なまでに。

「ごめんなさい。だから、あなたと創設祭を回ることはできません。あたしのせいで、今年も楽しいクリスマスにしてあげられなくて本当にごめんなさい」

(´;ω;`)

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「でも……あなたの彼女だった短い時間、あたしは夢が叶ってすごく……幸せでした。ありがとう」

彼女にとって本当に幸せな時間だったのだろう。
その想いが強く強く伝わってくる。

「今度は、一緒に来年の創設祭を回ってくれる彼女を作ってください。もう…私は邪魔しないから」

純一ならすぐに素敵な相手が見つかる。裡沙は彼のことをずーっと見てきたのだから、心の底からそう思っていただろう。

「じゃあ……さようなら」

名残惜しくも、大好きな純一のために。裡沙は準備室から出て行こうとするが…

「待ってよ」

純一は裡沙を呼びとめる。

「裡沙ちゃんも僕を振るの?」
「違う。そうじゃない!」
「また僕に悲しいクリスマスの思い出を増やすんだ」
「そんなこと、あたしだってしたくないよ。でも……」

純一はゆっくりと裡沙のもとに歩み寄る。

「もう寂しいクリスマスは嫌だ」
「ダメだよ……」
「君にずっと傍にいてほしい」
「あたしにはそんな資格ないよ……」
「……裡沙ちゃんが好きだ」

裡沙がどれだけ聞きたかった言葉か。嬉しくて、涙を流してしまう。

「今から、一緒に謝りに行こう」
嘘をついた相手に謝りに行き、二人が付き合っていることをちゃんと伝えようと。そう提案する純一。

「裡沙ちゃんが、僕のことをどれだけ好きでいてくれたのか、やっとわかったよ」

純一も裡沙に謎な部分が多くて不安に思っていた。それが明かされたのだから、もう何も不安に思うことはない。
あとは、皆の所に一緒に謝罪に行き、しっかりとけじめをつけなければいけない。それを提案した純一であったのだが…

「ダメ」

裡沙はそれを却下する。

「一緒にはダメ。これは、あたしがちゃんとしなきゃいけないことだから。だから、あたしが一人で行ってくる」
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裡沙ちゃん……(*´Д`)

「戻ってきたら、一緒に創設祭を回ってくれますか?」
「うん。待ってるよ」
「あたし、橘君とイカ焼きが食べたい」
ちゃっかりイカ娘をブレイクするあたりがさすがだ。

約束を交わした後、二人はキスをする。

ホワイトクリスマス。
その日は、素敵な思い出として純一の心に残ることだろう。

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裡沙は謝罪に回る。
薫(+田中さん)、森島先輩と七咲(+響)、紗江(+美也)。
絢辻さん(+高橋先生)、梨穂子(+香苗、瑠璃子、愛歌)。

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そして、全てのけじめをつけた裡沙は、純一とともに創設祭を回る。
誰に隠すこともなく、二人で手を繋ぎながら――――
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