とある魔術の禁書目録II #24『武装集団(スキルアウト)』

結標と駒場の戦闘が開始される。
結標は座標移動-ムーブポイント-で先制攻撃。駒場の眉間を狙ってコルク抜きを移すが、そこにはもう駒場の姿はなかった。

「遅いぞ」

駒場は結標の背後。大きな見た目とは裏腹に、駒場のスピードはなかなかのものであった。
結標の座標計算では彼のスピードに追いつくことはできず、逆に反撃を喰らう。それにしても駒場の動きは良すぎることから、結標は駒場が発条包帯-ハードテーピング-を仕込んでいることに気付く。音波伸縮性の軍用特殊テーピングのそれを、生身の身体に使ってただですむことはない。しかし……

「その程度の覚悟は決まっている」

駒場はただでさえ大きな体をさらに一回り大きくさせ、結標へと向かう。
素早い駒場の座標を指定する余裕のない結標は、自分と駒場との間に障害を作ることで自衛を試みる。しかし、それが逆に仇となる。充分な障害になりえると思われた金属製ダストボックスは、駒場にとっては薄い壁。彼はそれを力強く蹴り、結標を仕留める。

「呆気ない」



一方通行が雑魚を片付け終えて電極のスイッチを切ったところで駒場がやってくる。
駒場は血まみれの軍用懐中電灯を一方通行の前に放る。

「俺が殺した」

それだけで充分意味は通じる。
結標を倒した駒場に、一方通行は言う。

「知ってるか? 俺の前に立ったクソヤローは、普通ならミンチになるンだぜ」
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確かに、普通ならミンチにしてしまうところだろう。
それに対し、今の一方通行は電極を使うことで何らかの電子情報を送受信し能力を発動している。それでも一方通行が圧倒的有利なことに変わりはなかったはずである。
……普通なら。

しかし、駒場は普通ではない状況を作り出す。
懐から取り出した缶を思いっきり蹴りあげ、その中に入っていた金属製の薄い膜を空中に散布する。

「撹乱の羽-チャフシールド-。電波撹乱装置の一種だよ」

それはすぐに効力を発し、一方通行は自慢の能力が使えなくなる。

「野郎!」

一方通行は銃を取り出し駒場を狙うが、銃を使い慣れていないからかそれとも駒場がこういった戦いに慣れているからか、簡単にかわされてしまう。

一方通行も相手の銃弾を辛うじてかわして反撃を試みる。しかし、撃った先に駒場はおらず、空を覆うビニールシートの留め具を破壊したのみ。ばたばたとはためくビニールシートが逆に虚しい。

「チェックメイトだ」

一方通行を追い詰めた駒場は、最後の情けとしてどこを撃ち抜いて殺してほしいかを一方通行に問う。
『そうやって何の罪もない人間から順番に、不幸にするつもりか……』

「ふざけンじゃねェぞ! このクソ野郎がァ!!」

銃声が鳴り響く。
次の瞬間、口から血を流したのは駒場だった。

「何故……お前の反射が…生き返っている…?」

一方通行はその答えを示す。
頭上ではビニールシートが今もばたばたと風に揺られている。それがこの閉鎖空間に換気効果を促し、空中に漂った金属箔を排除したというわけ。
一方通行にとってはそれも計算の内だったということ。普段のベクトル演算と比べれば、この程度は容易だったということだろう。

「レベル0の分際でレベル5に喧嘩を売るその根性、もう一度見せてもらおうかァ」

駒場は再度“撹乱の羽”を散布しようとするが、手の内を知れば一方通行の反応速度の方が勝る。

「チェックメイト…だよなァ」

一方通行はレベル5だからといってレベル0を疎い存在だとは思っていない。逆に、彼らが邪魔者扱いされているのはスキルアウトがはしゃいでるせいだと言う。

「権利の獲得? 安全の保証? バカバカしい。そういった行動が、お前の首を絞めてるってことぐらい気付かなかったのかァ!」

そう言う一方通行に対し、駒場は“もしも”の話を始める。
「能力者としての優劣に人格的な問題は考慮されない。中には強大な力を振りかざすだけの醜い人間もいる。そういう奴らが組織されたスキルアウト以外のレベル0だけを競って襲うゲームが流行っているとしたら……お前はどうする?」

駒場は一方通行がどういう人間か見極めたうえでこのことを話しているのだろう。
地面に転がった駒場の携帯画面には、小さな女の子と過ごす平和な時の欠片が映し出されていた。
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「この野郎……」
一方通行は罰の悪そうな表情を浮かべる。

レベルの違いはあれど、二人は同じ境遇に立たされた者である。それを知った上で駒場は一方通行に銃口を向ける。

「手土産だ。この無様な光景を…胸に刻んでおけ」

銃声が鳴る。


任務完了。

「生きてンだろ。結標淡希!」

結標が現れる。
彼女が見ていたことは一方通行にはバレバレ。彼女のおかげで、駒場の攻撃から逃れながらも銃を手にすることができたのだから。

一方通行は残業だと言い、どこかへと向かう。
その片手には駒場の携帯が握られていた。“無能力者襲撃要注意人物”というリストを開き、彼はサービス残業へと向かう。
後味の悪い任務の後でも、闇の中の闇の仕事を続けるのが一方通行。彼ならば、その闇に一縷の光を見出してくれるのかもしれない。




夜。
残業終わりの一方通行は、ポストに抱きつく酔った女を発見する。
関わらないのが得策……であったが、そのツラにどこか見覚えがありじっくりと見てみる。すると存在がばれてしまい、その酔った女である御坂美鈴に絡まれてしまう。
無視して行こうとするが、それは許されない。それほどまでに酔った者は厄介である。


上条さんはインデックスと歩いていた。
するとその途中で酔った美鈴を発見する。タクシーに乗せられようとしていた彼女に、今度は上条さんが絡まれる。
どう考えても上条さんが被害者であるのに、インデックスさんは不機嫌オーラ噴出。
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美鈴は断崖大学のデータベースセンターへと向かうとのことだが、そんなことはともかくとして上条さんと電話番号&アドレスを交換する。そして美鈴はタクシーで去っていく……



“御坂”。
それが偶然ではないだろうと察した一方通行は、同じグループのある者に電話をする。
しかし、それに出たのは意図した者とは別の誰か。質問の内容を告げるつもりはなかった一方通行だが、向こうからそれに関わる案件が告げられる。

それは、断崖大学のデータベースセンターを襲撃したというもの。
御坂美鈴は御坂美琴の母親。彼女がしようとしている、学園都市から学生たちを離れさせようとする回収運動を封じるために、ここで摘んでおくことにしたというわけ。

一方通行は“グループ”の側にどんな思惑があろうと、自分の道を進もうとする。電話の相手はそれを認めるものの、反する行動をすることは許さない。電極に細工をしてあったようで、一方通行が帰宅するまでは彼の能力を預かることにし、能力の発動を封じる。
しかし、だからといって一方通行のやることは変わらない。あくまで上には従わない方向で歩み始めようとする。

そんな彼の前に上条さんが横切る。
一方通行にとって忘れられない相手ではあるが、今はそっちではないと言い聞かせ彼は断崖大学へと向かう。



断崖大学でピンチに陥っている美鈴は携帯を頼りにする。
美琴へと電話をかけようかと考えるが、それを躊躇い上条さんへとかけた。そしてその電話により、上条さんは相手がスキルアウトであることを知る。
美琴には頼ることができないという美鈴の意思を聞いた上条さんは、その正義感ゆえに自らが足を運ぶことを決める。



「女はまだ見つかんねぇのか!」

スキルアウトの一人である浜面仕上は苛立ちを隠せないでいた。
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それもそのはず、スキルアウトを束ねていた駒場が彼らを残して亡くなってしまったのがつい先ほどのことなのだから無理はないだろう。

明らかに混乱が残っている。だからこそ、彼らの襲撃はうまくいっていなかった。
それでも美鈴を発見しあと一歩のところまでやってくる。それを仲間に報告しようとする浜面であったが……

『はァーい、クソ野郎ども。お前らに天国への日帰り旅行をプレゼントしてやる。あまりにもいいところだから、帰る気起きなくなるかもなァ』
片道になるかどうかは誰の意思によって決まるか……



上条さんは捕まった美琴のもとへとやってくる。慎重に部屋に入ったものの……

「えっ!?」
と、反応したのは美鈴。

『アホかあの女ーッ!!』
アホですね☆

姿は見られなかったものの、上条さんのいる方へ浜面がゆっくりと近づく。
上条さんは意を決して飛び出し、手にした防弾ガラスを振るい、まずは浜面を排除する。しかし目の前にはすぐに二人目がやってきていた。
上条さんの身にとって幸運だったのは、その男がこういう戦いの場に慣れていなかったこと。しかし、それが上条さんの心にとっての幸運には繋がらない。
他のスキルアウトの者たちは、銃の扱いを躊躇う少年もろとも上条さんに向かって銃弾を放つ。上条さん自身は防弾ガラスで防げたものの、それは許せる行為ではなかっただろう。

上条さんの持つ防弾ガラスにも限界がきてしまい、彼は無防備な状態となる。
万事休す。かと思われたが、次に鳴る銃声はスキルアウト達が放つものではなかった。

一方通行。
彼とスキルアウトの銃撃戦が始まり、上条さんはその隙に美鈴を縛ってあった縄をとく。

美鈴を逃がす上条さんであったが、一方通行の目には依頼を諦めないスキルアウトにしか映らなかった。それはなんて悲しいすれ違いか……



外へと出た上条さんと美鈴の前に、浜面が現れる。
駒場が亡くなり平静を保てないでいる浜面は、上条さんを殴り殺そうと警棒をとりだす。
依頼はまだ有効なのであれば、ターゲットの死体を持っていけば今の最悪な状況を逆転できる。そう考えた浜面だが、上条さんがそれを許すわけがない。

「もう一度言ってみろ…テメェ!!」

浜面の鼻っ柱に思いっきり拳をぶつける。
それが上条さん。

「ふざけんな。人の命を何だと思ってやがる!」
「仕方ねぇだろ! こうでもしないと、俺たちレベル0は生きていけねぇんだ!」
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能力者と比べれば、彼の言い分は一理あると受け取られるところかもしれない。しかし上条さんは違う。

「全てのレベル0を、テメェみてぇな野郎と一緒にするんじゃねぇよ!」

上条さんもレベル0。
しかし彼は浜面のようなことをすることはなく、普通に学校に通って、普通に友達を作り、普通に生活をしている。

「テメェ自身が、一番レベル0をバカにしてんじゃねぇか!」
「テメェも俺たちと同じ……」
「同じじゃねぇよ。確かに俺はレベル0だけどな……他人の足を引っ張って喜ぶほど、マイナスになったつもりはねぇんだよ!」

浜面はスキルアウトの方がマシだと訴える。しかし、彼らは能力者に反撃することばかりを考えている。困っている人に手を差し伸べることに力を使ってはいない。
そういう風に生きていた駒場は殺されてしまった。弱者を守ろうとして……

「だがそいつには、テメェにないものがあったはずだ。だから最後まで逃げずに戦ったんじゃねぇのか。弱者なんて呼ばずに、仲間を守るために!」

その通り。
浜面もわかっているのかもしれないが、今の彼はもう上条さんの説教では止まらない。それならばいつも通り、最後の仕上げをするのみ。

「そんなつまんねぇ幻想なんて……自分でどうにかしやがれ。このクソ野郎が!!

上条さんの拳は浜面にクリーンヒット。
これで勝負あり。全てが終わる……



一方通行の前に、土御門、海原、結標の3人が現れる。
彼らは御坂美鈴の件について、彼女は娘を学園都市から連れ出そうとする気は失せたという報告をする。その結果として殺害中止という結論に至ったのは、海原のバカが頑張ったからでもある。

「あの少年には、こちらの想い人とその周囲の世界を守ってもらうという約束を、果たしていただけたようですし。自分も頑張らないといけないなーと思いまして、少しだけ肩に力が入りすぎてしまったんですよ」

具体的な回答を控える海原。彼はどんな手を使ったか気になるが、あまり知らない方がいいのだろう。
ともかく、グループは改めて4人で一つとなる。上の連中に反撃するために。



打ち止めは目覚める。
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その傍らには“あの人”がいないものの、きっとすぐ戻ってくるはずである。
打ち止めも会いたいと願っているのだから、きっとそう遠くない内に再会の日はやってくるだろう。


上条さんの病室にはインデックス……そして氷華がやってくる。
今回は上条さんにしては幸運な方で、軽い怪我で済んだわけだが……その分、インデックスの怒りはいつもよりもさらに深く感じられた。

ガブリ。

「やっぱり不幸だぁーーーー!!」
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不幸だと言えるラストは幸せ。
そんなこんなで、上条さんの“不幸”という名の“幸せ”はまだまだ続く……はず^^


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