松前緒花の衝撃的発言。
しかし、それはアイディアの一つのようなもの。そんな人生であれば刺激的で面白いのに。というより、この母親の子でありたくないという思いが暗にあるのだろうか。まあどうだっていいや(´・ω・`)
松前家に電話がかかってくる。仕事の催促だと直感した皐月は緒花に出るように言うが、電話の相手は皐月の彼氏さんであった。
ともなれば喜んで電話に出る。まったく、呆れてしまう母親だ。
学校。
緒花はコーンスープのへばりついたコーンの取り方を孝一に訊きながら、一生懸命にコーンをとろうとする。
「すっげーブサイクだぞお前」
すっげー贅沢だぞお前(´・ω・`)
孝一は水を入れて取る方法を提案する。
最終的には別のコップに移してコーンだけ箸で拾うというその方法は、気が短いようで凄まじく長い方法だ。
下校。
孝一は2年の選択科目や進路のことを緒花に問うが、彼女はまだ決めていなかった。
行き当たりばったりの人生。それを続けていれば身を滅ぼすことになりかねないが、緒花はそれもドラマチックでいいと言う。
「何てつまんない景色。ビルに切り取られたちっぽけな空。ぎゅう詰めの電車に乗って、オレンジ色に染まる街を仮初の逃避行」
あら詩人(´・ω・`)
とは言え、母親という反面教師と暮らしてきた緒花は現実的である。
だから結局は手堅く働いて26くらいに結婚して……
そういったことを漠然とでも考えれるだけ幸せといったところだろう。
今日はこんなところで別れる。
一人になった緒花は、ノスタルジックな雰囲気を醸し出す通りを歩く。
『この時間だけは好き。灯り、ぽつぽつって、私の行く先を照らしてくれてる。未来まで続いてたらいい。そして、今の自分じゃない、もっと素敵な自分に辿りつけたらいい』
そんなこんなで緒花は帰宅する。
するとそこではいつの間にか引越しの準備が進んでいた。
「夜逃げー!?」
突然の話。
皐月の彼氏が借金こさえた上に、松前の住所まで教えてしまったというのだからとんだ迷惑な話だ。
『ドラマチックが止まらない』
とことで、緒花はついつい鼻血を出してしまう。
これはこれで今と違う自分になれるチャンスかもしれない。確かにそうだが、こんな状況でそれだけポジティブに物事を考えることができるのならば将来有望といったところだろう。
夜逃げで向かうのは北か南か。それを訊く緒花であったが、
「夜逃げに子供連れまわす親なんていないって」
と皐月は言う。
じゃあ子供はどうするのか。
とことで、皐月は“喜翆荘 TEL 076-235-1168”と書かれた紙を示す。
ちょうどバイトを終えた孝一のもとに、緒花がやってくる。
緒花はそこで、急な夜逃げのことを告げる。夜逃げにはついていかず、一人でおばあちゃんの家に行く。当然ながら高校もそっちに行くこととなることも。
「緒花。そんな悲観しねぇで……」
と孝一は言いかけたものの、緒花は悲観していなかった。
旅館で暮らすというドラマチックな展開に心躍らせていた。
そんな緒花を見ると、孝一としては安心よりも残念な気持ちの方が勝るだろう。
「俺はさ、へばりついたコーンを水浸しにして取るような男だ」
焦らない、気が長いタイプ。
しかし、それが間違いであったと孝一は気付く。とことで、彼ははっきりと宣言する。
「ずっと。松前緒花が好きでした!」
あらやだカッコイイ(´・ω・`)
孝一は自分の想いを伝え、緒花に行って来いと言う。そして走り去ってしまう。
『車窓の景色は心模様』
なんだかぱっとしない景色であるし、トンネルに入ってから車窓に映る緒花の顔もぱっとしない。
緒花は今までと違う自分になりたいと考えていたものの、今までと違う孝一の顔を見たら……それが今の浮かない表情に繋がっている。
そんな緒花に、相席のばっちゃがアメちゃんをくださる。
こういった経験も貴重なものだが、アメちゃんの美味しさも確か。
緒花の心に光が差し込んだのと同調し、車窓からは天使の階段が見えてくる。
大きな海に繋がったそれは実に綺麗な光景。緒花の心もトンネルから抜けて綺麗に洗われたか。
緒花は湯乃鷺で下車し、ついに喜翆荘へと到着する。
「なんてことでしょう! こんな舞台って…!」
とっても素敵な旅館を前に、緒花は感動していた。
そして旅館前の不釣り合いな雑草を引き抜いていたところで、緒花の前に綺麗な女の子が現れる。
その女の子は緒花に手を差し出して、そして……
「死ね」
『死ねと言ったのです』
わぁ、そりゃ良かったね~^^
(・_・)エッ..?
改めてもう一度。
「死ね」
そう言う女の子を、別の女の子が止める。
「ダメだよ民ちゃん。いきなり知らない人の死を願ったりしたら」
しかしそれもやむを得ない。
緒花が引っこ抜いていたのは、この女の子が育てていた野蒜なのだから。
「お前が緒花なの」
そして怖そうな奥さんご登場(´・ω・`)
彼女こそが緒花の祖母であり、彼女は緒花に何かを渡そうとする。
またアメちゃんをくれるおばあちゃんが……と、都合良くいくわけもなく。緒花はバケツと雑巾を渡される。
とことで、緒花はまず廊下の雑巾がけをすることに。
今日から緒花は従業員。
ここの女将である四十万スイにとって、他人にやった娘の子なんざ孫も犬猫も一緒とのことで、緒花は働かされることになっていた。
未来の若女将なんていう話もない。ただの雑用係で、高校出た後も勝手にしろという話。
働いた分だけ給料は出るが、粗相をしたら給料から差っ引かれる。いきなり大変な話だ。
そんなこんなで雑巾がけをしていた緒花は、とある男とぶつかってしまう。
彼は緒花を見て一瞬皐月と勘違い。それほど二人は似ているのだろう。
「僕を陥れることばかり考えてる邪悪な目。僕を齧ることばかり考えてる糸切り歯の尖った口」
そう言う彼は、皐月の弟である縁。
彼との接触が終わった後は、仲居頭である輪島巴に捕まる。
噂好きである様子はすぐに伝わってくるが、いろいろと教え合うという意味では頼りになる存在ではあるか。
その巴の密かな案内により、ここの営繕である豆爺こと電六や、板前の徹らを紹介される。
緒花が16歳であることを確認されたところで、ここに来て最初に会った二人と再び遭遇する。
民子と菜子。緒花も含めて3人とも同い年とことで、緒花の案内は彼女たちに引き継がれることに。
「じゃ、菜子お願い」
緒花は民子にあからさまに嫌われている。それも仕方ないだろう。
明るい緒花とは対照的に、菜子はおとなしい。
二人のテンションはかみ合わず(´・ω・`)
夕方。
理想とは違う生活に複雑な思いを抱く緒花……
「ざけんなテメェ!」
そこで、なんだか厳しい声が聞こえてくる。
それは徹が民子を叱る声で、民子は大根を分厚く剥いたことを叱られていた。
民子は農家のおじさんに申し訳ないことをした。剥いた皮をきんぴらにするばあちゃんにも……
「うち、核家族なので」
あらそう(´・ω・`)
そんなところへ緒花が訪れる。
「ちょっと言い過ぎだと思いますけど…。怒ってばかりじゃ、子供は伸びませんよ」
何だとこんにゃろう(´・ω・`)
「余計なこと言うな!」
民子もお怒りのご様子。
とにかく、緒花は厨房のことに口を挟むべきではないだろう。
まったくもって大変な世界だね(´・ω・`)
夜。
緒花は疲れを感じていながらも、まだやっているのかなと民子のことを気にかけていた。
そんなところでメールが届く。
孝一かと思い素早く反応した緒花であったが、残念ながら母親から。あちらは呑気なようで、一応は何よりといったところか。
『あんなに憧れていたドラマチックは、ちょっと寂しくて、カビっぽい臭いがした』
翌朝。
緒花が部屋を出てみると、外では民子がジャガイモの皮を剥いていた。
緒花より遅く寝たはずなのに、早く起きて仕事をおこなっている。それがこの世界での常識なのだろう。
緒花もそんな民子のために、布団を干してやる。
「新人さん?」
そんな彼女に興味を持つとある客がいたが……その反応は実に意味深だ。
その男に気をとられていると、干した布団がずり落ちて客の上に落ちてしまう。
「申し訳ございません」
終わってみれば大したことはなかった。しかし、それで済ますわけにはいかず、スイは女将としてお客様に深々と頭を下げる。
緒花もそれに倣うよう言われるが、慣れていないため謝り方がなっていない。それをこの場で密かに教え込まれるが、客としてはそちらの方が嫌なところだろう(´・ω・`)
謝罪が終わると、緒花はスイに呼ばれる。民子もともに。
緒花は民子の布団がぺったんこだったから干そうとしたのだという。お日様が当たる表の方でという考えであったが、やるのなら迷惑のかからない裏でやるべきだったか。
旅館商売はお客様が第一。自分たちは二の次以下どころか、自分たちの番は永遠に来ないと考えなければならない。しかし、緒花はその考えはどうなのかと言う。
「お客さんはもちろん大事だと思うけど、頑張ってる人を労うっていうか……そういうのも大事だと思います」
それはごもっともだが旅館の考えは違った。
緒花の言う意見をお客様が出してくれればいいのだけれどね(´・ω・`)
そんなところで民子がやってくる。
そして、彼女はスイからいきなりビンタを喰らう。
「あんたの布団を干すために、こいつはお客様に失礼したんだとさ。自分の身の回りぐらい自分で手入れできなくてどうする!」
厳しい世界なのよさ(´・ω・`)
しかし、緒花も考え直さなければならない。確かにこれは理不尽だが、お客様に迷惑がかかってしまえばそれは理不尽どころではなくなるのだから。
でもそれを納得するだけで終わらせるわけにはいかない。
「あたしも叩いてください!」
とことで、緒花は両頬に合わせて三発食らう。
出血大サービスといったところだろう。
緒花は民子に謝り、女将の言っていることがおかしいことの同意を得ようとする。
しかし、民子は旅館側の人間。こちらのことを知らない緒花とはわけが違う。
「あんたさぁ……死ね」
緒花は掃除をする。
仕事をしたくてここに来たわけじゃないのに……
『悔しくて……悔しかった』
それを力に変えるのが緒花の魅力。
彼女の旅館生活は始まったばかり。
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