花咲くいろは 02話『復讐するは、まかないにあり』

『誰かに期待しても、傷つくだけだ』

授業参観に来ると約束したが、母は来なかった。
だったら最初から期待なんてしなければいい。緒花はそう学んだ――



喜翆荘の朝がやってくる。
民子にとってのそれは早朝……であったが、緒花はそれ以上に早く起きていた。

仕事のことが何もわからずとも確かに悔しさを感じていた緒花は、約束したのに授業参観に来なかった母の教えを思い出す。
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たとえ肉親でも人は信用できない。人に頼っちゃダメで、自分だけを信じるべきなのだと。
授業参観に関してはそういう問題ではなかったものの、緒花はその精神を学んでいた。

朝五時から起きて仕事をしている緒花だが、その草刈りの適当さはスイから仕事として扱われない。そんな女将が好きでないから……

「刈り取るー!」

スイはそんな緒花を菜子とともに呼ぶ。
そして、仲居の仕事は先輩の仲居が教えるとのことで、緒花はこれからしばらく菜子に仕事を教わることになる。
引っ込み思案の菜子の性格は多少気になるところだが、まあ大丈夫だろうきっと。

まずは掃除。
緒花でもできそうなそれだって、いろいろ注意すべき点がある。それでも桐の間の掃除を終えたところで、次は波の間。だけど……
というところで、菜子は巴に呼ばれてちょいとそちらの方に行ってしまう。

人に頼らず自分を信じる。
母のその教えのもと、緒花は波の間に入ってみるが……そこはかなり散らかっていた。
事前の巴の話を思い出すと、そこに泊まっているのは有名な小説家。とにかくすごいらしいが、散らかし方も大物。
緒花はその部屋を一人で綺麗に片づけ終え、そんなところで菜子が戻ってくる。

朝の仕事はこれで終了。とことで、ゴミを捨てに行こうとしたところで……

「しっかりしろよお前!」
またも叱りつける声が聞こえてくる。

やはり叱られているのは民子であり、叱っているのは徹。
板長の蓮二は過ぎたことをいつまでもゴタゴタぬかすんじゃねぇと言い、メニューを変更して柔軟に対応する。

まかないを作っている暇はないとことで、お客様第一に料理を作る。
そのため、従業員のまかない料理は作ることができず謝罪する板長であったが……

食事の場から巴の歓喜の声が聞こえる。
そこには、緒花が作った料理が用意されていた。
ナイスフォローだが、民子にとっては複雑なところだろう。
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徹によると、民子の作ったものより美味いのではないかということだったのだからなおさら。
民子は食事に手をつけず、仕入れの様子を見に行く。緒花はその後を追うが……

「出しゃばるな!」

民子にとって緒花の行為はありがた迷惑であった。

「死ね」
だからといって、そりゃないよ(´・ω・`)

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緒花は頑張っている。今回の料理に関しては彼女が怒られる理由はなかったはずなのに……

「女将を呼べー!」

しかし、別の問題が目の前にあったわけだが。
とことで、怒りをぶつけるのは小説家の次郎丸太朗。彼の言い分によると、ここに来てからずっと書いてきた原稿が消えたのだという。
直木賞がとれるはずの世紀の大作をどうしたのか。太朗は緒花に詰め寄り、文句を言う。とことで、話しあうことで事情を整理することに。

緒花は確かに彼の部屋の掃除をしたが、原稿は捨てていないはず。そのため警察を呼ぶことも考えるべきところだが、太朗はそれに反対する。作品の純粋なる質で勝負したいとのことで、騒ぎなどケチのついた作品では正当に評価されないと言い、見つからなかったら責任をとってもらうと主張する。

「今までの宿代は……」
「はい。もちろん結構です」
それに太朗はほっと一息。


太朗は一ヶ月は泊まっている客である。彼から宿代を貰えないのは、喜翆荘にとって大きな損害になるだろう。
その危機に陥ったのに、責任があるのは誰か。

「波の間は、お客様がいない時の掃除は厳禁だ」

そのことを考えると、緒花だけでなく菜子にも非があったところか。
率先して仕事をする意識はいいが、無駄なやる気は邪魔になる。頑張ろうとして行動に移す緒花だが、それがとことん裏目に出る。原稿を捜そうとしてもまた下手なことをされたらたまらないとことで、それもできない。緒花はどう名誉挽回したらいいのだろうか……


緒花はグレてみようと考えるものの、それもわからずどうしようもなく。
そんなところで徹が通りかかり、彼と共に車で買い出しへと向かうことに。

「お前さぁ……、友達いないだろう」
いきなりの失礼な言葉。
だが、緒花は孝一のことを思い出してしまい、反論の言葉が止まる。

「やっぱな。だってお前、空気読めなさそうだもんな」
「その言葉お返しします」
緒花に同意(´・ω・`)

緒花の協調性のなさは、彼女が周りには期待しないと決めているため。しかし、自分自身で全てをできるレベルに達してるかといえば、決してそうとは言えないだろう。
それが事実だとしても指摘されるのは嫌なところ。とことで、緒花はこういう時に発するべき言葉を口にする。

「死ね」

その言葉がきっかけで本当に死にかけました(´・ω・`)

「死んだらダメ! そういうのは良くない!」
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緒花は一人で結論を出し、ここで車を降りる。
荷物はどうするのか。

「知りませーん!」
勝手な奴だ(´・ω・`)



夕方。
仕事をしたくてここに来たわけではない緒花は、自分が本当は何がしたいのか自問する。

母親に裏切られてから、緒花は他人に期待しないと決めた。それでもどうしてももやもやして、晩御飯には母親が嫌いなブロッコリーをどっさり入れてその思いを主張した。そしたらもやもやがちょっとすっきりした。ならば今回すべきことも、自ずと答えが出るか。


喜翆荘に戻った緒花は、民子に早速「死ね」と言われる。

「死ねはやめようよ!」

緒花は強気で主張する。それで本当に緒花が死んだら後味が悪いと。
そして、逃げようとする菜子も呼びとめる。
「菜子さんは逃げるのやめようよ!」

だから緒花もやめる。
「空気読まないのやめる」

それだけではない。
「人に期待しないのもやめる」

それはやはり逃げであったのかもしれないから。
緒花は仕事のことや二人の情報を求めることにする。
まずは嫌いな食べ物を聞く。それが彼女の第一歩。

「明日も私、まかない作るから。私二人にムカついてるから! 腹いせに、二人の嫌いなもの入れるから!」

それを堂々と言う時点でどうかと思うが……正直に思いを伝えるのが彼女なりの誠意とも言えるだろう。
緒花は二人を逃さず。

「言えーーー!!」
二人を押し倒す。

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「ホウレン草……」
「さ、里芋……かな」
ようやく二人から聞きだした。満足した緒花はその場を去っていく。

少なくとも菜子は腹いせされることを良しとしていた。波の間の注意点について菜子が教えていなかったことを、緒花は女将さんに言わないでくれたのだから……と。



また朝がやってきて、緒花はまかないを作る。

『食べてほしいって思おう。食べてくれるって期待しよう。自分だけの力じゃ、まだ何もできないんだから』

緒花はゴミ捨てをする。
しかし、ゴミ捨て場だと思ったそこは不用品置き場であった。
菜子からは何も聞いていなかったため、昨日のゴミもここに捨ててしまった。
しかしそれは菜子が悪いのではなく、訊かなかった緒花が悪いか。

昨日のゴミもそこから取り出し、緒花はそこから原稿を探ってみることに。
もしかしたら世紀の大傑作かもしれないそれを読んでみると……

「緒花の、やわらかくあまりにも敏感なその部分に……」

そこまででは具体的に何のことかわからなかったが、しばらく読み進めることですぐに答えが出てくる。
そしてそれを呼んでいるところを太朗に見つかり、緒花に恐怖が迫る――!


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