あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 06話『わすれてわすれないで』

じんたんはまず今の状況を整理しようとする。

『どうしてめんまがここにいるのか』

自分だけの幻ではない。
それを認めた上でじんたんは考える。

「この世に心残りがあって成仏できない……ってのが妥当なとこだよなぁ」

しかし、それでも根本的にわからないことはもちろんある。
かつてのめんま…じんたんがよく知っているめんまはいつだって笑顔だったのだから。
そんな彼女が見せた、罰の悪い笑顔。それが今もなおじんたんの心を過去に縛り付けていた。

『俺はずっとめんまに謝りたかった。それが、ただ頭を下げるだけじゃないって、それぐらいのことはわかってる』

めんまのお願いかもしれない。じんたんが学校に行くようにというのが。
彼はまだそれを試してはいない。やろうとして止まっているのだから……

『あぁぁぁぁぁぁぁ!!』
ヒィィィィィィィィィィッ!!(((( ;゚Д゚))))




「無理しなくていいんだよ?」

学校へ行こうとするじんたんに、めんまがそんな言葉をかける。前は行け行け言ってたのに。

「前は前で……前へならえ!」

めんまはじんたんの背後から抱きつく。
めんま……(*´・ω・`*)

そんな彼女にデコピンをし、じんたんは準備完了。

「磨き残しなし!」
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うむ(´・ω・`)


とことで、じんたんは学校へと出かける。
暇を持て余していためんまは、じんたんママ塔子の前に場所を移す。
そこでぽっぽが言っていた言葉を思い出し、塔子に問いかける。

「じんたんのお母さんは、成仏ってしてますか?」

めんまは鈴を鳴らし手を合わせる。

「成仏って、どんなだろう?」
それを教えてくれる者はいない。



じんたんは学校前まで来ていた。
自分に平常心だと言い聞かせ、その門をくぐる。
長らく使われていなかった下駄箱を開き……

「よく平気な顔して学校来れるよなぁ」

それで平常心が揺らぎかけたじんたんであったが、どこぞの生徒が言っていたのはじんたんのことではなかった。
1年3組の安城鳴子。つまりはあなるのことである。

そのあなるが、とある教師の後について校長室へと向かっていた。
あなるはチラリと横目にし……そこでじんたんが来ていることに気付く。
それは普通であれば嬉しいことなのだが、このタイミングでのそれは複雑なところ。あなるは再び教師の後についていく……


じんたんは教室の自分の席につく。

『拍子抜けとはこのことか』

じんたんのことを気にしているような生徒もいることにはいるのだが、せいぜいいると言える程度。それよりも主に話題になっていたのはあなるのこと。ラブホテルに行ったという彼女の方が話題にする価値ありと判断されたところか。

『しかし……』

寧ろこちらの状況の方がじんたんにとっては堪えたかもしれない。

そんなところで授業開始へ。
それに伴い、あなるも教室に戻ってくる。

皆が彼女に注目し視線を向ける中、じんたんもそれとはまた別の意味で彼女に視線を向ける。
あなるはそれに目を合わせないよう、席につく。

しくったねぇと話しかけてくるのは友人春菜。
無言よりは救いかもしれないが、その言葉は的外れでもある。


授業。
教師の板書の字は綺麗なのだが、それで良い授業とは言えない。皆は授業を受けている雰囲気になっておらず、私語が多く微妙な空気が渦巻いていた。
それでも、あなるはペンを動かせる。

『こいつ昔からそうだよなぁ。頭悪くて要領悪くて。一生懸命なのに』

そんな彼女のことを話す生徒がいて……
それだけであればじんたんは何も行動を起こさなかったかもしれない。しかし、彼はめんまがノートに何を書いているのかを見てしまう。

『違うってのやってねー!!』
『勝手なことぬかすな!!! 永遠に黙れ!! 死ね!!』

めんまの絵ではないし、ホビロンでもない。
そこに彼女の思いの強さが感じられる。

決定的な一言は、ノートの隅に書かれた『助けて』
あなるに目を向けてみると、彼女は今にも泣き出しそうな涙を溜めた表情を浮かべていた。
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たとえ小声であっても、あなるのことを話す声は大きなものとなって彼女の中に響いてしまう。
今彼女の気持ちを理解し助けてあげられるのは、春菜でも亜紀でもない――

ダンッ!

じんたんは机を叩き、立ち上がる。

「お、お前らぁ……お…ぉ俺を見ろ!!」

皆じんたんを見る。
もちろんあなるも。

「ひ……、ひ久々に、学校に来た男だ。入学式とす、最初のぃ一週間しか来てねぇ…」
そして叫ぶ。

「ど、どうだこの顔! さぞ珍しかろう!!」

うむ(´-ω-`)
珍しく……、可愛く……、カッコイイ。

「こいつなんて、いつでもどこでもホイホイ会える!」
と、あなるを指さし言う。

「ラブホ? それぐらいで大騒ぎか!? こいつはどう見たって、ラブホの一つや二つ行ってそうな…、ラブホ顔じゃねぇか!!
「ぇっ、ちょっ」
「だから!」
じんたんは最後まで言う。

「言っておくが、こいつに限って…援交なんてぜってぇやらねぇ!!
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じんたん……(*´・ω・`*)

調子づいた彼の言葉はまだ止まらない。

「それに何しろこいつはA型やぎ座。冒険なんて無縁なクソ真面目でメガネで仏頂面で物持ち良くって、整理整頓大好きで、ちっちぇぇ時からちまちましたもん集めてて、メガネで、そりゃあもうクソつまんねぇ女の――」
「余計なこと言うな!」
さすがにあなるが止めました(´・ω・`)
ちなみに、“メガネ”は大事なことなので二度言いました(´・ω・`)

あなるはじんたんにカバンを持たせ、一緒に教室を後にする。
春菜と亜紀は、そんなあなるのことを心配そうに見送る……



公園へとやってきたあなるとじんたん。
あなるはじんたんのことを笑った後、お礼を言う。

「私のこと、庇ってくれた」

でも……

「ラブホ顔はない!」
ですよねー(´・ω・`)

「ホントにラブホ行ってなんかないし! てか入ったこともないし!」
「はいはいわかったから」
はいはい。前の男とは違う心地よさを感じる。

それはとりあえずとして家に戻るようにと言うじんたんであったが、あなるは家に帰らないと言う。
あなるママはこういったことに厳しそうだものね。




とことで、あなるがやってきたのは秘密基地であった。
ぽっぽはここを男汁のしみ込んだ自分の城だと言うが、あなるは皆で作ったと主張。

「それが証拠に…ほら!」
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「私がハム太郎彫っといたんだから」
やあ。ボク、ハム太郎(´・ω・`)ノ

「ハムっつーよりバイエルン?」
やあ。ボク、バイエルン太郎(*>ω<*)ノ

ともかく、あなるは臭い男汁をなくすための掃除から始めることに。

「どうするあいつ?」
「泊まるにしたって、おふくろさんに言わなきゃマズイだろ。余計騒ぎになる」
うむ。

「あいつビビりだからなぁ…。いっつもめんまの陰隠れてたし」
ふむ。

そこでぽっぽは今めんまがいるか訊いてくる。
……今はいない。

「だったらさあ、めんまの家に行ってみねぇ? めんまのお願いのヒントが掴めるかもしんねぇし」

それならばめんまがいた方がよくないかと感じるところであったが、本人が嫌な気をするのではないかと気遣っての判断であった。

「お前…意外に空気読めんのなぁ」
「まぁなベトナムでシャーマン5級の資格とったし」
そんなのあるのか。
いや、それよりも5級って微妙じゃね?w


行くと決まったならば、ゆきあつらにもメールを。
しかし……

『定期テスト前。
今日は遅くなるから無理。
鶴見も同じく。』

あらん(´・ω・`)

まあなかなかいつものようにはいかぬとこだろう。
変わらぬように見えても少しずつは確実に変わっているのだから。

じんたんは立ち止まり、めんまの家に行くことに躊躇いを見せる。
でも、めんまにお線香をあげるためにも……
3人は本間家へと向かう。


「信じられない…。みんなが来てくれるなんて…。芽衣子も喜んでいるわ」
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とことで、めんママのイレーヌさんは3人を迎え入れる。

めんまの仏壇前。
鈴を鳴らして彼女を呼び手を合わせる。

『何動揺してんだよ。めんまは死んでる。そんなもんはなからわかってるのに』

じんたんはイレーヌさんの方を一瞥する。
彼女は心ここに在らずといった表情で、じんたんと目があったことに気付くと目を逸らした。

3人はその後、めんまの部屋へと案内された。しかしそこには何も無く……



つるこはとある女生徒から松雪君に手紙を渡すよう頼まれていた。

「やだぁ…♡」
あらやだ(*´・ω・`*)

つるこもヤダ。
同じクラスなんだから自分で渡せばと言う。
それはごもっともだが、女生徒の意見は違った。

「偉そうに! いつも隣にいられるからって、上から目線!?」
えっ……?(´・ω・`)

「わかってるんだから。鶴見さん、松雪君のこと好きなんでしょ!」
えっ……?(´・ω・`)

そんなところで件のゆきあつがやってくる。
居づらくなった女生徒は帰っていってしまう。

「帰るの? 気をつけて。近頃この辺変な奴いるし」
えっ……?(´・ω・`)



二人は18:05に電車に乗る。

「お前、いつもあんな風にやっかまれてるんだ。迷惑掛けるな」
「あんたの女装写真を送ってやったら、一発でその悩みも解消だろうけど」

相手の事情も知らずにその程度で解ける恋ならば、それは覚まさせてやるのが親切なのかもしれない。

「そういやぁ宿海ら、めんまの家に行くらしい」
じんたんの言うことを本気にしているから。

「みんながみんな、過去を過去にはできないってことで」
「松雪集を筆頭としてね」
「否定しない」
あら素直(´・ω・`)

まあつるこを相手にするならばそれが一番か。

「腹立つんだょ。あいつ」

それはじんたんのこと。
あらゆるステータスがゆきあつの方が上であるはずなのに、彼は今もなおじんたんに振り回されている。

「あの日だって……」
あの夏の日のこと。

「あいつが…秘密基地に集まろうって言わなけりゃ…」
その日のことを振り返り、つるこが指摘する。

「あの日は…めんまが言いだしたんじゃなかったっけ?」

そう。
その日は、めんまが電話で皆のことを呼び出したのであった。

「そうだ。あの日、何か相談が…」
「そう。めんまが、相談したいことがあるからって…」
それがめんまの“願い”に関係するものか……



ぽっぽの手にはめんまの日記。
それはイレーヌさんから貸してもらったものだった。

いつまでもめんまに囚われないようにと、めんパパがめんまの部屋を片付けたという。段ボールにしまわれたそこに、めんまの日記帳が入っていた。
悲しいことだが、それも仕方ない。辛くなってしまうこともあるだろうから。

「母親の気持ちとかさ、よくわかんないけど。やっぱり子供のことってすっごい、めっちゃ重いと思うよ、いろいろ」
「お前がそれを言うか」
あなるは今その母親を心配させている身なのだから。

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でもそこはあなる。
帰ろうかなと考えを改めることにする。

「べ、別に親が心配とかじゃないよ! やんなきゃいけないこと思い出しただけ! じゃあね!」
バレバレだけど素直じゃないなぁ(*´ω`*)


ともかく、日記を手に入れたのだから秘密基地に戻って読もうと言うぽっぽだが、

「それ……ちょっと待っててくれないか?」
と、じんたん。

彼も用事があると言って家に帰ろうとし、勝手に日記を見ないようにも言う。
そこに何が隠されているというのだろうか……
ともかく、これだけは言える。
「俺……ぼっち?」
ぽっぽ……(´・ω・`)

見えちゃったら余計辛い。
あなるが言っていたイレーヌさんの心情を思い出し、じんたんはめんまのことが見えなければよかったのかと自問する。

『いや……。でも……』

そんなこんなで帰宅。

『見えちゃったら……余計……』

今更後戻りはできない。



「えっ!?」
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めんまはじんたんたちが自分の家を訪れたのだと知る。

「ボッシュート! ボッシュート! ボッシュート! ボッシュートォー!

めんまは怒って……いや、悲しんでいた。

「そんなことしたら……ママ、めんまのこと思い出しちゃうじゃない」

めんまは一度我が家を訪れ、そこでママの寂しげな顔を見てしまった。

「これ以上ママのこと……寂しくさせたくないの! もうめんまのこと思い出させたくない…!」

たとえ無理でも本望でなくても。

「少しでも、めんまのこと…ママに……忘れてほしいのに…」

そう言い涙を流すめんま。
その涙はママの悲しさを想ってのものと、自身がそう言う辛さによるものとが混ぜこぜになっているだろう。

「いい加減にしろよ!」

じんたんは人のことばかり気にするめんまに憤りを露わにする。

「もっと自分のこと考えろよ! …イライラするんだよそういう態度!」

『何で俺、こんなに怒鳴って……』

それは、自分自身にも怒りをぶつけているようなものだろう。
あなるの時もそうであったが、彼もめんまのことを思ってこそ怒りをぶつけているのだから。

そんなところでアクシデント発生。

「じんたん! ……鼻血!」
(´・ω・`)

めんまにティッシュを突っ込まれたところで、恥ずかしさを感じてかじんたんは家を出ていくことに。

向かったのは秘密基地。
そこには何故かあなるがいた。

「てか、その格好……」

そんなところで一筋の赤い線。
もちろんそれはじんたんの鼻から(´・ω・`)

「これは残留していた鼻血で、決してお前なんぞに欲情してるわけじゃ……」

その言い訳も効かず、じんたんはそこを追い出される。

「エッチスケッチワンタッチ!」

そのあなるの反応に、じんたんは確信する。

「間違いない。あいつ絶対処女だな――」
その通り!(´・ω・`)




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