シンクはミルヒとお散歩をする。
話題は、次来ることができるであろう夏休みはいつあるのかということ。だいたい100日後だと考えるとなかなかに長い。それでも緊急の時は来てくれると言うシンクのなんと優しきことか。
でも式典はやらなきゃメッ!(`・ω・´)
「お見送りの式典は、ちゃんとしないとです」
とことで、その式典が催され、パラディオンがミルヒにより回収される。
そんな中、リコッタはなおも懸命に作業を行っていた。勇者様と悲しいお別れをしないで済む方法を見つけるために。
「リコ」
優しい声をかけてきたのは、式典を終えたシンクだった。
見つけることができなかった。
リコッタは涙を流すが、ダメだなんてことはない。リコッタはこんなにも頑張ってくれた。それはシンクにとって実に嬉しいことであり、だから忘れたくないという思いが一層深まったことだろう。それだけで悲しまずに済む可能性は高まったと言えるのではないかと感じられる。
シンクはリコッタにプレゼントを渡す。
4色ボールペンとポータブルスピーカー。
分解なんてしない。勇者様から貰ったものとして、ずっと大切に。
シンクは儀式の場へと向かう。
同行するのはエクレ。彼女は最後までシンクの御守とはなんて言うが、シンクは違った。
「見送ってくれるのがエクレで、僕は嬉しいよ」
(*´・ω・`*)
エクレにもプレゼントがある。
お古だからこそ味のあるそれを、エクレは受け取ってくれる。
シンクは皆にもフラグを立て……じゃなくて、プレゼントを配ったという。
ダルキアン卿と騎士団長には記念コイン、ユキカゼには携帯ストラップ、他いろいろ。
「やはり…、送還されたら、もうフロニャルドには来られないのか?」
エクレは知っていた。リコッタの様子を見ていたから。
だからシンクは正直にそれを話す。
だけど忘れないと、断言する。
「フロニャルドで起きたことも、みんなと会ったことも、怒りっぽくてすぐ蹴るけど強くて真っ直ぐな親衛隊長と…エクレールと一緒にいたこと」
エクレールはシンクのことを覚えている自信はないと言う。
寂しいなぁは、シンクの抱いた感想。
それはエクレ達にとっても同じ。忘れてほしくないなら、何があっても忘れるな。そう言える。
「それから…、割と早めに帰ってこい」
きっと……
ミルヒが待つ場にシンクはやってくる。
タツマキもお見送りに。だってお前だもんな、否応なしに連れてきたの(´・ω・`)
間もなく儀式がおこなわれ、ミルヒは寂しげな表情を浮かべる。
シンクがここに来て、いろんなことがあった。
でも何より言えることは……
「楽しかったです。すごく…すっごく……!」
それはシンクも同じ。
夏休みにまた来れるから……そう思いながらも、涙が出てきちゃう。だって、ミルヒとシンクだもんっ。
儀式が開始される。
ミルヒとシンクは離れ、シンクは空へと昇っていく。
ミルヒは駆け寄り、シンクの手を掴む。
「ヤです。帰っちゃヤです!」
姫様……(´・ω・`)
シンクだって思いは同じ。だけど……
「大好きです。シンク。私は…ミルヒは、シンクのこと、ずっとずっと大好きです!」
シンクは――
掴んだその手は離れてしまう。
シンクも姫様のことが大好き。だからまた絶対ここに来る。
「約束するからー!」
儀式は終わる。
シンクはもうここフロニャルドにはいない……
シンクの家。
そこにベッキーがやってくる。
今起きたところ。
なんだかとっても悲しいことがあった、ような……
ぼんやりとしたことは覚えている。そんな記憶喪失状態のことを心配してくれるベッキーだが、大丈夫、平気。
とことで二人で出かける。
親戚で師匠でライバルでもあるナナミとも合流し、ほっぺにチュー……とイチャイチャ。
父さんと母さんとも合流し、約束した一時をエンジョイする。
だけど他にも約束はあった。大切なものがぽっかりと抜け落ちた。シンクはそれをどこかで感じていて……
フロニャルド。
リコッタのため、ノワールがガレットから召喚に関する書物を持ってくる。
そこから一通の手紙が出てくる。
そこには召喚した勇者を送還する際の注意事項が書かれていた。
記憶は暫くの間失われることはなく、鍵をかけられた状態になっているのだという。再召喚するためには以下の条件を満たすこと必要がある。
その一。最初の帰還から再召喚までは91日以上の時間を空けること。
その二。召喚主を含まない3名以上に対して、勇者自身が再びフロニャルドに訪れるという誓約をおこない、勇者が身に着けていた品を預けておくこと。品物の内容は問わないが、勇者が元の世界から持ち込んだ品物であることが望ましい。
その三――
リコッタは姫様のもとにやってきて、姫様が勇者から受け取った者を確認することに……
改めて、その三。召喚主に対しては、誓約の品と、約束の書を渡しておくこと。約束の書には必ず、帰還の約束と共に、勇者と召喚主の名が記されていなければならない。
「親愛なる姫ミルヒオーレ・フィリアンノ・ビスコッティ様。勇者シンク・イズミより、感謝と愛と友情を込めて。 追伸。きっとまた帰ってきます。勇者として、約束――」
それを受け……
「やったぁぁぁぁ!!」
リコッタ大歓喜。
さすがは勇者。こんな条件をきっちり満たしてフロニャルドを去っていたなんて……
桜舞散る道。
シンクのもとにタツマキがやってくる。
彼の付けた手紙には指輪が同封されていて……
「……!」
シンクは思い出した。フロニャルドのことを。
その喜びをベッキーにも伝え、ベッキーにベッキーベッキーする(*^ω^*)
騎乗ポジションのベッキーも今度は一緒に行こうと、約束をつける。
二人でイチャイチャ騎乗だなんてズルイ。ナナミも参加して3P青(ry
なるほど、シンクがこちらに帰ってきた理由も頷けるところだ。
『中学一年から、二年に変わる春休み。 僕は…勇者でした! 夏休みにはまた、勇者になりに……あの場所に帰ります!』
(*^ω^*)
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