STEINS;GATE 22話『存在了解のメルト』

「β世界線に戻れば……あのDメールを消せば……お前が死ぬ」



ラジ館屋上。
紅莉栖が寝ているそこへ岡部がやってくる。
天気が良ければ熱中症になりかねないが、今は曇り。その点に関しては心配ないか。

「まゆりには会えたの? 橋田がコミマでは会えなかったみたいって」
「ああ。その後、会えた」

なんだか微妙な雰囲気。
そんな中、紅莉栖は岡部に話しかける。

「……わかった」

間もなく、雨が降り出してきて……

「なんぞこれー!」

思いのほかすぐさま激しくなってきたそれにより、下着までびしょ濡れになってしまった紅莉栖。その影響で、下着が透けてしまっている(´・ω・`)

「この変態!」

別に見ようと思って見たわけではない。それに紅莉栖が透けやすい服を着ているのが悪いんだい(´・ω・`)

「あんたが変態だってこと忘れてたわ」
「お前の貧相なヌードなど、見るに値するとでも」
「それ以上言ったらあんたの大脳新皮質をポン酢漬けにしてやるから!」
どんな脅しや(´・ω・`)

気付けば、岡部の白衣に傷が付いていた。
ドジっ子故か。岡部は自分の属性はマッドサイエンティストだと主張するが、今更だ。
紅莉栖はちょうどソーイングセットがあるから縫ってあげると、白衣を脱ぐように言う。
やん……(*´・ω・`*)

暗いここで縫うのだから出来は保障できない。が、紅莉栖はそれをおこない、岡部はそれを傍らで待つ。
どこをぶらついて破れたのか。一日を振り返る。
ラボに行き、ランドリー、散歩、紅莉栖が泊まっているホテル……

「お前のせいだぞ。メールの返信はよこさない、電話にも出ない」
「まさか、心配してくれて」
「助手の管理は、ラボの主である俺の仕事だからな」
微笑まし(´・ω・`)

間もなく、修繕が完了する。
「早く着なさい。マッドサイエンティストの貧相なヌードなど、興味ないのだからな。ふーはっはっはっ」


一段落して。

「多分、この近くよね? ……私が、刺された場所」
どうしてそれを……?

「やっぱり。夢にしては、痛さや絶望感が、あまりにリアルだったから」
紅莉栖にもリーディングシュタイナーが……

紅莉栖は刺された時のことだけではなく、岡部のこともぼんやりと覚えていた。

「まゆりを助けようと必死になって、一人で傷つきながらも、前に進もうとしているの」

決して元の世界には戻せないのに、それでも必死に抗ってまゆりの名前を必死に叫ぶ。涙を流して、直向きに助けようとしている。そんな岡部が、彼女の記憶の中にはいた。
その顔を見る度に、紅莉栖は思う。岡部にとってどれだけまゆりがかけがえのない存在かを。

「誰かが誰かを、ここまで大切に思えるのかって」

だから紅莉栖は岡部に協力をしたいと、手助けをしたいと思った。

「ねえ岡部。まゆりを助けて」

紅莉栖は言う。

「岡部は、まゆりを助けるべきなのよ」

紅莉栖はβ世界線に行ったら死ぬというのに。
それをわかっていながら、彼女はそうするしかないと言う。
今までみたいに何か方法があるのではないかと、昨日から何度も考えた。でもだからこそ無理だと悟った。今度ばかりはどうしようもないと。

「β世界線に行くしか、方法はないの」
紅莉栖はもうそれに気付いたが、岡部はそれで納得しない。

「諦めない!」

紅莉栖を見捨てるなんてできない。だから彼は雨の中を走る。
ラボに到着し、タイムリープを……というところで、紅莉栖が止めに入る。

「逃げたって……逃げたって、苦しくなるだけよ!」

何度タイムリープをしたところで世界線は変わらない。1%の壁は超えられない。まゆりが死ぬところを見るだけ。岡部が苦しむだけなのだ。

「俺が何回まゆりの死を見てきたと思っている?」

何回も……もう数えられないくらいに彼はそれを目の当たりにしてきた。
もうそんなもので心が壊れたりしないと言う岡部だが、そんな彼に平手が入る。

「自分が何言ってるかわかってる? まゆりが、苦しんで死んでいくのよ。そんなものなわけないじゃない。それで岡部の心が動かないんだとしたら、……もう、岡部の心は壊れている…」

その通り。
岡部の心は既に壊れかけている。
まゆりの死に驚かないほどに、岡部の心はいつの間にかマヒしていた。

「冷静にやり直せばいいって、どこかでそう…思ってて」

でも本当はまだ壊れていないからこそ、岡部は冷静さを取り戻せるのだ。

「まゆりを助けて。そうしないと、本当に岡部が壊れてしまう。まゆりを見殺しになんかしたら、絶対に後悔する!」

まゆりを助けようという思いで二人はここまできたのだ。ここでやめたら後悔し続けるだろう。

「でも、まゆりを助けたら、お前は!」
「戻るだけよ! Dメールが送られなかった最初の世界線に。それが私のためであり、岡部のためでもある」

そうなのだろう。
だけど……

岡部は紅莉栖に抱きつく。

『この二十日間、何度も衝突した。互いに憎まれ口をたたきあった。相談し合ったりもした。追い詰められた俺が助けを求めたのは紅莉栖だった。俺の話を黙って聞き、信じてくれたのは紅莉栖だった。18歳で学術誌に論文が載った天才少女は、常に冷静で強がりで、プライドが高くておせっかいで、根は真面目すぎるほど真面目で、俺はいつだって彼女の語る理論に痺れて、彼女の言葉を胸に刻みこんで、彼女の動きを目で追っていた。 単なる仲間じゃない。俺にとって牧瀬紅莉栖は……』

「俺は……お前を、助けられない。すまない」

自分の力量を判断した。ギリギリまでそれを見定めての決断だったか。
だから紅莉栖はお礼を言う。

「ありがとう。あたしのために、そこまで苦しんでくれて」

何で紅莉栖なんだって、今も岡部は悔しさを持っている。それでも、彼女を助ける手段は見つからないから……

紅莉栖は、世界線が変わるのってどういうことなのだろうと岡部に話しかける。
もしかしたら岡部がβ世界線に行くだけで、この世界から岡部が消えるだけかもしれないし、別の岡部に換わるのかもしれない。そうであるならば、β世界線の紅莉栖が死んでいたとしても、今ここにいる紅莉栖が死ぬ保証はどこにもない。無数の世界線に別の紅莉栖がおり、その意思が繋がって彼女の存在があるのかもしれない。

「それって、素敵だと思わない?」

あらゆる時、あらゆる場所に自分がいる。
「誰かを愛する強い気持ちが…、何かを信じる強い感情が…、何かを伝えたいという強い思いが、時を超え繋がって今の自分があるのだとしたら、それは素晴らしいこと。だから、見殺しにするなんて思わないで」

世界線が変わっても、岡部が忘れなければ紅莉栖はそこにいるのだ。

「お前のことは、絶対に忘れない」

岡部は紅莉栖の前に立つ。

「誰よりも大切な人のことを、忘れたりしない」

岡部は断言する。

「俺は、お前が好きだ」

画像
やん……(*´・ω・`*)

紅莉栖はどうなのか。
知りたい。

彼女は岡部に目を閉じるよう言う。
そして……キス(*´・ω・`*)

ファーストキスのような強烈な行為と共に海馬に記憶されたエピソードは忘却されにくいが故の行為だったが、残念ながら岡部はこれがファーストキスではない。もっともそれもロマンチックなものではなかったが。
とにかく、今のは印象としては弱いからもう一度。
なら仕方ないよね……(*´・ω・`*)

今だけはアインシュタインに文句を言いたい気分。

『相対性理論って、とてもロマンチックで、とても……切ないものだね』




別れの時がやってくる。
皆に見送られると辛くなるからと、岡部にだけ見送られ日本を発つことに。そんな紅莉栖に岡部は手土産を渡す。

「いらねー……」
そう言わんといて(´・ω・`)

ラボメンであった証しとでも言うべきそれを受け取った分のお返しとして、紅莉栖はドクペを投げる。
コントロールが滅茶苦茶なそれを、岡部は取りに行く。

“さ よ な ら”

岡部がドクペを拾い振り返ると、そこにはもう紅莉栖はいなかった。


これからきっと岡部は辛い思いをするだろう。
仲間内で紅莉栖のことを誰も覚えていない世界で岡部だけが紅莉栖のことを覚えているのだから、仲間を大事にする彼にとっては本当に辛いことだろう。
紅莉栖はそれを申し訳なく思いつつも、その辛さが愛おしく思えるのだ。
どんな些細な時でもいい。ほんの僅かな時でもいい。

『私を思い出してほしい。そこに私はいるから。 1%の壁の向こうに、私は必ずいるから』



ラボ。

牧瀬紅莉栖が
、何者かに刺
されたらしい

そのデータを消せば、ミッションコンプリート。
岡部は頭を抱えつつも、決断し宣言する。

「これより! 現在を司べる女神作戦-オペレーションベルダンディ-、最終フェーズを開始する!」

勝利の時はきた。あらゆる陰謀に屈せず、己の信念を貫き、最終聖戦-ラグナロック-を戦い抜いたのだ。

「この勝利のために、我が手足となって戦ってくれた、仲間たちに感謝を! 犠牲となった…全ての思いに…感謝を…!」

訪れるのは“凶真”が望んだ世界で、全ては運命石の扉-シュタインズゲート-の選択である。

「世界は……再構築される!」

紅莉栖……すまない……
その思いとともに、岡部はエンターキーを押す。

「岡部!」

世界線が変わろうとしているまさにその時、ラボに紅莉栖が戻ってくる。

「私も……岡部のことが……――」




1.130205




世界線は変わった。
変わってしまった。

ラボメンNo.004は誰かをまゆりに訊いてみても、

「004の人はいないよ?」

白衣の修善跡も残っていない。
だから……

「今! ここにラグナロックの勝敗は決した! この俺、狂気のマッドサイエンティストである鳳凰院凶真は、機関及びSERNのあらゆる攻撃に対し、時空を操ることで、完全に勝利したのだ! 世界の支配構造はリセットされ、混沌の未来が待つであろう。これこそが、シュタインズゲートの選択…!」
「オカリン。もういいんだよ」

まゆりはそう言う。

「もうその口調続けなくていいんだよ」

まゆりのために凶真である必要はない。岡部は岡部のために泣けばいいのだと……

『電話レンジはもういらない。このマシンがあったことで、紅莉栖と出会えた。けれど、このマシンがあったことで、たくさんの人が傷ついた…』

出会いは神の御業、別れは人の仕業。
電話レンジはそれを示してくれた装置だったか。

しかし鳳凰院凶真と同じく、それは死ぬべき存在。
これでいいんだよな……?





――ダルの携帯に謎の女から電話がかかってくる。
オカリンに代われとのことで、岡部はその電話にでる。

「お願い。今すぐラジ館屋上に来て」
いったい誰か……

「私は、2036年から来た橋田至の娘、阿万音鈴羽!」
なんでここに……?

「お願い。あたしの言うことを信じて。第三次世界大戦を防ぐために」
……!


STEINS;GATE Vol.4【初回限定版】[購入者限定イベント応募券封入!] [Blu-ray]
メディアファクトリー
2011-09-21

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by STEINS;GATE Vol.4【初回限定版】[購入者限定イベント応募券封入!] [Blu-ray] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


"STEINS;GATE 22話『存在了解のメルト』"へのコメントを書く

お名前:
メールアドレス:
ホームページアドレス:
コメント: