ちはやふる 15首『つらぬきとめぬたまそちりける』

千早が2枚連取。意地を見せてきた。
とは言え、残り枚数はクイーン7枚、千早が23枚。単純な枚数差を見るにここから勝負がひっくり返るのはなかなかに難しいところだろう。
クイーンも高一の女の子。崩れる可能性があるとも考えられるが、その程度であればクイーンにはなっていないだろう。

千早はまだまだ勝つ気。試合をやっている者としては最後までそのくらいのやる気を見せていていいだろう。
でもクイーンは普通にやっていれば逃げ切れるから、いつもみたいなクイーンスマイルで……って、全然スマイルじゃありません(´・ω・`)

君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪

ここにきて大山札の連続。千早としては不運なところで、クイーンが連取して持ち直す。クイーンスマイルも戻ってきたが……怖い(´・ω・`)

白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける

場の札が30枚を切ったため千早も狙い札が絞りやすくなってきたか、3枚目をゲット。
中盤に差し掛かり決まり字が変化してきて、千早が得意な一字決まり二字決まりが増える。まだまだこれから。

最初からクイーンに取られてばかりだった千早は、札を取りに行くことで体も動いてくる。
星屑との握手-スターダストシェイクハンド-で、その感覚にさらなる希望を抱く。

『もっと速く……もっと自由になりたい。 競技線の中で』

もっと強くあれ。
そんな思いを抱きつつ残りを戦い、決着がつく。

「ありがとうございました」
「ありがとうございました」

結局5枚しか取れず、枚数差的には完敗。それが今のクイーンと千早との差か。
だがしかし、この試合で掴めたものは5枚の札やスターダストだけではないだろう。

試合が終わった後、クイーンは対戦相手を確認する。

『東京都、瑞沢高校、綾瀬千早』

クイーン詩暢は厳しい表情でその名を何度も繰り返し覚え、そして誓う。

『次は……1枚も取らせない……!』

その後ちょっぴり放心気味の千早と遭遇。したらば、スマイルに戻る。
千早も出かかっていた精神をなんとか体内に引き戻し、

「スノー丸のTシャツ、かわいいですね」

それに赤面、嬉しそうなクイーン。
クイーンも高一の女の子ね(´・ω・`)


千早が20枚もの差をつけられて負けたことに対して、太一もかなり凹んでいた。
自分の知らぬ世界を知ったのだから、そんなものだろう。

千早はどうだろうか。そんなことを考えつつA級の会場を後にすると、廊下の椅子に座る千早を早速発見する。
いつもであれば即寝が定石なのだが、今回は違った。涙を流しながら、今回の反省。さらに強くなるためのイメージを育んでいた。
この日初めて、千早の夢が本物の夢になったのだとわかる光景だろう。
千早が目指すべきところは明確に決まった。では太一はどうか……彼は静かに自身のいるべき会場へと戻っていく。



A級決勝。
クイーンと須藤とでおこなわれるそれは、決勝らしいレベルの高い勝負だったようだ。
しかし、無難にクイーンが勝利する。

「須藤さんお強いから、負けるかとヒヤヒヤしましたわ」
『くっ…! 12枚差ですが!』

A級は全予定が終わり……。
そんな今もなお、千早は今回の反省点を反芻してトレーニングしていた。

そんな千早に大江が話しかける。
大江も机くんも3回戦で負けたとのことで、千早はずっとA級の試合を観ていたからそれを知らなかった。だから今他がどうなっているかも知らず、勧学館のカレーを食べ損ねてすごい顔をする彼女に大江は言ってやる。

「そんなことより、真島くんがB級の決勝で戦ってます。 行きましょう。応援に!」


B級決勝。
その勝負は一進一退。熱戦が繰り広げられていた。

青春全部を懸けても新より強くはなれない。そう思っていた時期もあったが、懸けてから言いなさいと原田先生に教えられて以降、太一は変わったのだ。

『俺にもできるかな。 負けながら……泣きながら……、前に進んでいくことが。 新に……向かっていくことが』

太一は集中していた。しかし、そんな彼でも……ミスが少ない彼でも、ここでお手付きをしてしまう。
肉まんくん曰く、前の試合の暗記が残っているとのこと。覚えるよりも前の試合の配置を忘れる方が難しいとか。
太一もこれで今日6試合目。そりゃあミスも出てしまうだろう。
大事なのは頭を切り替えること。太一はもう一度確認する。

“はなの”は出たから“はなさ”は“はな”で攻める。
“もろ”は“もも”が出ていないから慎重に。
“つく”が出たから“つき”は“つ”で取る。
“ひさ”と“ひとわ”は“ひとも”が出ていないからお手付き注意。
“みかの”は友札の“みかき”があるから攻め抜く。
“みち”も、敵陣左の“みせ”もそろそろ詠まれそうだ。
“よのなかよ”は友札の“よのなかわ”があるから注意しながら囲い手。
“おおこ”は“おおえ”と“おおけ”が詠まれたから“おお”で攻めて、敵陣左の“おも”も取る。
“きり”は“きみがためは”と“きみがためお”が出たから“き”の一字決まり。
“せ”は守らせずに抜いてやる。
“ながか”と“なにわが”が詠まれたから“なつ”を攻めて、自陣“なにわえ”に戻って取る。

必死に考えを巡らせる太一と思いをともにするためにも、瑞沢の皆は隣にいるメンバーの手を取る。
大江もその流れに従って肉まんくんの手に触れるも……彼は同じB級。個人として複雑な胸中なのかもしれない。大江は何か深い部分を悟って手を引く。

太一は脳が痺れて前しか見えないほどに疲れが溜まっていた。
しかし、それでいいのだと気付く。とにかく前だけ見えてれば、それで充分なのだ。

とはいえ、速く動こうと思っていてもそれが腕に繋がらず。流れが悪くなってしまう。
そして結局、相手の場に札がなくなった……


相手は富士崎の3年。そのことを考えると3枚差までよくやったと言えよう。

『準優勝だ。 ……充分だ』
……なんて、本気で思えるわけがない。
2位じゃダメなんですから(´・ω・`)

太一はあまり無様な表情を見せないよう気にして仲間の方を振り返る……が、むしろ他の4人たちの方があからさまに落胆しておりました(´・ω・`)

気持ちがいいくらいのがっかりっぷり。皆、太一の悔しさを理解して涙を流してくれていた。
それを見て、太一も我慢していた思いが溢れ出そうになる。でも泣くなと自分に言い聞かせる。泣いていいほど懸けてないから。それは今後に取っておこう……


表彰式がおこなわれる。

『負けと向きあうのは、大人になっても難しい。 でも……、あの子たち、誰も慰めあわない』



大会が終わり、新幹線の時間があるからと皆はすぐに会場を後にすることに。
その際、千早は近江勧学館に向けて深々と頭を下げる。
それに倣い、皆も礼。
その姿勢はとっても素敵ね(´・ω・`)




後日。
瑞沢高校では、午前から走りこみをしている部活動の姿があった。
陸上部か何かか……と思いきや、まさかのかるた部だった。


大会に出て各自の問題点が見えてきた。
その中でも、皆に共通して見えた課題というのは体力面。疲れてきても集中力が切れない体づくり。優勝を目指すからこそ必要な鍛錬だろう。

肉まんくんは太一に実力で負けたとは思っていない。
でも大会の成績は太一が上だったから、肉まんくんはさらに気合を入れる。
太一に離されぬよう、よきライバルとして切磋琢磨するために。


千早は最近毎日クイーンが夢に出てくるという。
一方、全国大会で会えた新は夢に出てこず。

「新は夢に出てこないんだな…」


その新は、ある人の家を訪れていた。
ここで渡すお土産も羽二重餅……ってそんなこたぁどうでもいい。
新がやってきたことを知り、そのお方はやっと来たねと言い笑顔を見せる。

「栗山先生。僕を福井南雲会に入れてください」


各人、次の戦いに向けた鍛錬は既に始まっている。

『二学期。かるたの秋がくる……!』
画像
秋って便利な季節だよね(´・ω・`)


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