いつか天魔の黒ウサギ 12話『ほのかに白い終業式』

古井戸からむせび泣く女の声が聞こえる。 7節、8節、9節…… 鰹節が1節足りにゃーい……―― というのが、ニャン吉の世界における怪談話。どこの世界も似たようなものなのだな。 【どう? 涼しくなったに?】 いんや、全然(´・ω・`) 大兎が暑さでだらけていると、部屋の扉がノックされる。 「お兄ちゃん入るよー?」 ニャン吉はすぐに大兎の中へ戻る。 が、大兎はだら…

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いつか天魔の黒ウサギ 11話『夏休みカタストロフィ』

大兎が何も見えない闇の中を歩いていると、ニャン吉が現れる。 【今こそイーズの魔法を使うだに】 だに(´・ω・`) それを唱えると世界を見通す魔法が発動する。つまりは照明代わりになるという。 とことで、大兎はそれを唱えてようやく周りが見えるようになる。 「式を組んで、光も音も封じていたんですけど。君、なかなか面白い使い魔を飼ってますね」 そこにはセルジュとハスガがいて、…

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いつか天魔の黒ウサギ 10話『神隠しの同級生』

夜。 大兎は自室のベッドで横になって考える。自分のことを好きだと言ってくれた遥のことを。 「はっきりさせなきゃダメだよなぁ」 それで遥を傷つけることになっても、答えを出さぬよりは随分とマシだろう。大兎はずっとヒメアの傍にいると、もう誓ったのだから。 携帯が鳴る。 着信元は時雨家。つまりは遥かと思ってそれに出たのだが、相手は遥ママだった。 彼女は遥が今大兎と一緒にいるか…

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いつか天魔の黒ウサギ 09話『波打ちぎわの黒ウサギ』

とある二人の男が結界を破ろうと力を使っていた。 しかし、彼らの力をもってしてもそれはどうにもならない。 そんな結界内部。 「どういうことだ。何故部外者をここに連れてきた!?」 月光は数冴に文句を言う。しかし、それは黒守がお願いしたことだから彼女に非はない。 理由はカレーにうんざりなためで、料理上手な遥に美味しい食事を作ってもらおうとのことだった。碧水だってせっかく頑張ってく…

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いつか天魔の黒ウサギ 08話『全員補習の生徒会室』

生徒会の面々は海へとやってきていた。 「大兎と一緒なら、私はどこでもいい」 やん……(*´・ω・`*) ここへ来ることになったのは大兎のせいだと月光は言う。 黒守はそれに納得しつつも…… 「紅くんだって、できるのは学校のお勉強だけじゃないですか?」 その言葉で頭に血がのぼった月光は黒守に攻撃を加えようとする……が、それを黒守は足で抑えつける。 シュールな画だ(´・ω…

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いつか天魔の黒ウサギ 07話『抜き打ちテストの新任教師』

大兎は生徒会室へとやってくる。 「呼んでないぞ」 「俺がお前に用があるんだ」 月光は大兎を呼んでいない。その代わり、印刷したメールを読んでいた。 紅 月光殿 これまで再三にわたり要請を出してきたとおり、先日校内で起きた、魔女サイト・ヒメアとその犠者、鉄大兎に関する件の詳細を報告書としてまとめ、速やかに、『軍』に提出することを求める。 これ以上の任務放置及び、命令違…

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いつか天魔の黒ウサギ 06話『すれ違いの《課外》授業』 後半

「わかった。こちらで処理しておく」 市内に魔術的トラップが仕掛けられたという知らせを受け、月光は動き出す。そして美雷もそれについていく。 途中、ヒメアとすれ違う。 ふと見えた彼女の表情はとても悲しげで…… 「あれ? ヒメちゃん泣いてなかった?」 「知ったことか」 午後の授業。 遥の隣の席。大兎がいるべきそこは空席となっており、またいつもの如くヒメアの席も空席とな…

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いつか天魔の黒ウサギ 06話『すれ違いの《課外》授業』 前半

目の前に日向が現れたことにより、遥は悟る。 「天魔の使いね。私を殺しに来たの?」 「いいや。君は代わりの利く人形だ。殺したところで月の外側の化物共は、別の監視者を生むだけだろう」 本当は少し利用してやろうと思っていたのだが、日向はそれをやめた。 「そんな顔をするほど生きるのが辛いなら、きっとお前は復讐するだろう。 お前を造ったクズどもに…。月の外側にいる神どもに…」 な…

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いつか天魔の黒ウサギ 05話『そして天魔が、歌われる』

「私を抱いて」 そう言うヒメアだが、彼女は明らかにヒメアではない。 彼女の中にいるバールスクラの罠なのかとも思えるが、そうでもない。 「私は魔法。サイトヒメアが生み出した…魔法」 寂しくて淋しくて、今にも壊れてしまいそうだったサイトヒメアが独りぼっちで作り上げた…… 「《幸福》の……魔法」 公園。 遥は気付けばそこにいて、何故か涙を流していた。 自分で…

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いつか天魔の黒ウサギ 04話『いまだ天魔は歌われない』

帰宅した遥は洗濯物の取り込みを手伝う。 その際、ママンは遥が気合の入ったお弁当を作っていたことに言及する。あれは大兎のためなのかと。 「ち、違うよ。あれは、たまたま早く起きちゃったからで……」 たまたま。偶々。 「ホント、そんなんじゃないから」 空は快晴で洗濯日和。 『大兎、お弁当食べてくれたかな……?』 外の快晴が嘘のように、宮坂高校では赤い雨が降り続…

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いつか天魔の黒ウサギ 03話『《月》が揺れるプールサイド』

自室にて、遥は意を決して服を脱ぐ。 そして、スクール水着を着用。 「変なとこ……ないよね?」 ちょっとしたことでも気になっちゃうお年頃。 そんな彼女の部屋には料理本が散乱していた。 学校。 教室にて教師が出欠を確認するが、そこに沙糸ヒメアはおらず。 彼女は恐らく屋上にいるだろうということは、もはや皆の間で当たり前のこととなっていた。もちろん困ったことなのだが、特…

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いつか天魔の黒ウサギ 02話『900秒の放課後 <後篇>』 後半

美雷に放られ、勢いよく飛んでいく大兎のもとに…… 「来ちゃった♡」 やん(*´・ω・`*) ヒメアがやってきてくれる。 「すげぇジャンプ力だな…!」 「もう。もっと他に褒めるとこあるでしょ?」 ヒメア可愛いよヒメア(*´ω`*) ヒメアは大兎の鼻にちょんと触れ、そこで彼の勢いは止まる。 「久しぶりに再会してそれじゃあ、モテないよ?」 「実際モテね…

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いつか天魔の黒ウサギ 02話『900秒の放課後 <後篇>』 前半

――――9年前。 「大丈夫?」 ブランコに乗って軽く揺られている少女に、少年は訊く。 「私が見えるの?」 疑問で返された。 それも当たり前のはずのことを。 「ううん。何でもない」 だから少女はすぐに首を振る。 「何か、悲しいことあったの?」 少女の質問が少年にとって疑問なものだったように、少年の質問もまた少女にとって疑問が感じられるものだった。 …

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いつか天魔の黒ウサギ 01話『900秒の放課後 <前篇>』

それは遠い昔の記憶。 「ねえ。 そろそろ……しよ?」 少女は言う。 「大丈夫。 痛くしないから」 血を吸うわけではない。 「入れるのよ。毒を」 そう。 《毒》。 「私の毒をあなたに入れる。 あなたが決して私から離れられなくなるようにね」 だけどそれは初めてのこと。 少年はやや不安げな表情を見せるが、少女はやはり安心させるような優しい声音で言う。 …

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